コラムあるいは雑文

気が変わりましたの    - 04/10/19 -

〔このコラムは、以前「マリみてDB掲示板」に投稿したものをもとに、再構成したものです〕

「マリみてDB掲示板」で、「子羊たちの休暇で、瞳子ちゃんがカナダに行かずにあの避暑地に現れたのはなぜか?」という話題が、以前ありました。
その時、私は(冗談半分で)「カナダに行ってしまうと、『主要登場人物』に載っているのに出番が無くなってしまうので、作者権限で登場させた」という「作者の都合説」を書き込みました。
確かに「カナダに行ってしまうと出番がなくなる」とは言えますが、むりやり出番を作るなら他に方法はいくらでもありそうです。例えば、「略してOK〜」で柏木邸に現れたのは、むりやり出番を作ったという感じがしないでもありませんし(笑)。
冗談はこれくらいにして・・・
・祥子さまと祐巳が一緒に別荘で過ごすなんて、カナダに行ってる場合ではない(祐巳に対抗)。
・アウェーの祐巳が心配で、来てしまった。
前者なら、滞在中、祐巳の邪魔をしに何度でも現れるはずですが、実際には挨拶程度。ですから、おそらく後者なんでしょうね。
まあ、「旅行が取り止めになったのでいつものように避暑に来ただけ」という可能性もありますが。
ところで、私は、理由よりも「どうやってカナダ旅行を取り止めたのか」のほうが気になります。
「カナダは?」
 そのことに触れられたくないのか、松平のお嬢様はプイッと横を向いて言った。
「気が変わりましたの」
「そ、そう」
 相変わらず、祐巳に対してはすげない態度である。
−−「子羊たちの休暇」から引用−−
この含みのある文章から、「作者は番外編が書ける程度の裏設定は考えているだろう」と想像しています。
瞳子ちゃんのカナダ旅行は、祥子さまの言葉によると「両親と〜」ということでしたから、家族旅行でしょう。それが中止になるとしたら、どういう場合がありえるでしょう。
・急に、両親のどちらかに急用が出来て中止になった。
・誰かが急病になった(回復はしたとしても海外旅行は不安)ので中止になった。
など、無難な理由はいくらでも作れますが、小説にある「そのことに触れられたくないのか」や「気が変わりましたの」という文面から、ついつい「なにかあったに違いない」と想像を膨らませてしまいます。
「気が変わった」というのは、とっさの言い訳でウソである可能性が高いと思います。それに、個人旅行ならともかく家族旅行を「気が変わった」というだけでキャンセルするのは難しいでしょう。
私は、「瞳子ちゃんが両親にわがままをいって、むりやり旅行を中止にした」というようなストーリーを想像したのですが、それはちょっと、いくら何でも・・・と打ち消していました。
でも、「特別でないただの一日」の演劇部を飛び出したときの瞳子ちゃんを見ると、「ちょっとしたことからケンカになり引っ込みがつかなくなってしまう」ということは、大いにありそうな気もしてきます。
・・・
楽しいストーリーが思い付かないので、このくらいにしておきます(だめじゃん、自分)。
2004/10/19 23:18:20〔投稿者:いわし〕
確かにこれは気になる点ですね。自分的には中止といわずとも自分だけ少し早く帰ってきたり、とか祐巳の事を思って〜的な説を推したいです。
2004/10/19 23:28:51〔投稿者:此花〕
実は瞳子って「特別〜」が出る前の可南子と同じで、柏木のいとこであること以外には家族の事が一切出ていないんですよね。
2004/10/20 2:0:28〔投稿者:管理人〕
祥子さま視点が「〜不在」まで存在しませんでしたが、作者は、祐巳に近いキャラほど「視点」を避けているような気がします。瞳子ちゃん視点もありませんので、基本的に謎が多い。本音をしゃべらせてしまうとあとあと困るからかもしれません。
2004/10/23 2:36:8〔投稿者:朱夏〕
瞳子には、何かと思わせぶりな記述が多いですよね。「パラソル」で祐巳と瞳子が、ミルクホールで出会うときから、いつも紅薔薇と縁のあるいちごミルクを持っていたり…。なので私は、もし瞳子視点で語られるときが来たら、「チェリーブロッサム」の様に、祐巳・瞳子がスールになる時だと、勝手に思いこんでいました。
2004/10/26 23:7:19〔投稿者:いわし〕
確かに祐巳に近いキャラほど「視点」を避けているというのはあるかもしれませんね。読者の視点を祐巳に近づけて、より祐巳に感情移入させやすくなる効果がありそう。紅いカードの時のように他の人の視点から祐巳を見せられるとドキッとします。いつか祐巳の妹にもそういうのを期待。
2004/10/29 22:54:53〔投稿者:kuro〕
・その時カナダに自分が会いたくない人が来てる事がわかって、行くのを止めた。....というのはどうでしょうか?。 瞳子が祐巳に対して素直になれないのは、祐巳に拒絶されて傷つく事を無意識に恐れるあまり自分の気持に嘘を付いてる為ではないかと私は見ています。 祐巳との過去のいきさつや、自分との距離感をなかなか掴ませてくれない祐巳の「天然」の性格(「またそういう無防備な顔をする」etc)もあるでしょうが、負けん気の強い瞳子の性格を考えるとそれだけでは弱い気もします。もしかしたら過去にトラウマになる様な事があったのかもしれないと思っていましたが、そこでワトソンさんのコラムを見て閃きました。