コラムあるいは雑文

選挙の仕組みは?    - 04/10/27 -

「ロサ・カニーナ」を読んで疑問に思うことのひとつ・・・それは「リリアンの生徒会役員選挙の仕組みはどうなってるの?」です。
山百合会の幹部を選出する、この選挙について解っているのは・・・
定員は三名。
役職に区別は無く、三名の当選者が対当に役割を分担する。
ほとんどの年は立候補者が三名で、事実上の信任投票になる。
有権者は、一、二年生全員。
開票と集計にそれほど時間はかからない(投票は土曜の四時間目終了後、即日開票で発表は午後二時)。
こんなところでしょう。
一般的な生徒会なら「会長、副会長、会計、書記」などの役職があるので、それぞれに候補者がたち、それぞれに投票するという制度になるでしょう。それぞれの役職ごとに「候補者が複数いれば普通の投票、ひとりなら信任投票」という解りやすい方法になります。実際、花寺はそんな感じだと想像できます。
一方、リリアンは「紅、黄、白」の区別が選挙制度自体にあるのかどうかもはっきりしません。
ただし「それほど複雑な制度ではない」ことと「立候補者が三名の場合と四名以上の場合で、大きく変わることはない」ことは、予想できます。
仮に、立候補者が三つのポスト「紅、黄、白」を選んで立候補するとするなら、投票も有権者ひとり当たり「紅、黄、白」の三票ということになるでしょう。それぞれのポストに立候補者がひとりの場合「過半数をとれば信任」、複数の場合「得票数が一位の候補者が当選」ということになり、解りやすい。
しかし、この方法には大きな欠点があります。それは、四人目の候補者は「誰かをねらい撃ち」することが可能になることです。
物語では静さまが先に立候補しているので、志摩子さんにその権利が発生します。これでは平等とは言えず、あまり良い制度ではありません。リリアン独特の「三つのポストが平等」という制度が、むしろ悪く作用してしまいます。
そうなると、もうひとつ考えられるのは「立候補者にはポストを選ぶ権利が無い」方法です。
この場合、有権者の投票がひとり当たり「一票」の場合と「三票」の場合が考えられます。
ひとり当たり「一票」の場合は上位三名が当選となります。候補者が四名以上の場合はそれでいいのですが、三名の場合「どういう場合に不信任になるのか」が、合理的には決められません。
それに比べて、ひとり当たり「三票」の場合は、候補者が四名以上の場合は上位三名、候補者が三名の場合はそれぞれが過半数を取れば当選ということになり、解りやすくなります。
しかし、三票がばらばらの投票用紙だと煩雑ですし、ひとりで同じ候補者の名前を二重三重に書いてしまう行為を抑止するのが難しくなります。
合理的な方法としては「一枚の投票用紙に三人の名前を書く(不信任の場合、必ずしも三人すべて書かなくて良い)」、あるいは「投票用紙には立候補者の名前が全員印刷済みで、信任する候補者に○を(最大三人まで)つける」という方法があると思います。
というわけで、私の想像する「リリアンの生徒会役員選挙制度」は・・・
定員は三名。
投票用紙は有権者ひとりあたり一枚だが、一枚につき三名(つまり定員数)まで投票できる(白票は全員不信任を意味する)。
候補者が四名以上の場合は、上位三名が当選、候補者が三名の場合は有効投票総数の過半数で当選。
締め切りまでに候補者が三名に満たなかった場合は、推薦で候補者をたてる。
不信任が出た場合は、推薦で候補者をたて再選挙(リリアンでは、めったになさそうですが)。
この制度には、再選挙になっても方法が変わらない(定員が減るだけ)という利点がある。
とまあ、こんな具合でいかがでしょう。
想像は楽しいのですが、私の想像は無難すぎて面白味に欠けるかもしれません。
(選挙に面白さを求めるのは変ですが・・・笑)
2004/10/27 12:46:23〔投稿者:いわし〕
確かにその方法なら問題無さそう…。祥子さまが紅薔薇さまになれない可能性を憂う祐巳の発言などからしても、ポストごとに分かれて投票という事は無さそうですね。もう1つ考える事があるとするならば当選後どういう風に薔薇の色が決まるか。作中に出てきたケースでは流れで自然に決まってしまいそうですが…(^^;
2004/10/28 21:6:48〔投稿者:朱夏〕
リリアンの生徒会選挙で忘れてならないのは、「薔薇の蕾(ブウトン)」の称号。前薔薇様のプティ・スールは、立候補したとき、自動的に前任者からの推薦を得られるシステムなわけで、自分の姉のポスト以外は選べません(たぶん)。しかも、前薔薇様からの推薦はかなり強力。もし蟹名静が圧倒的な強さで勝てたとしても、選に漏れたのが志摩子だったら、紅薔薇、黄薔薇のポストは得られないシステムでしょう。滅多にないことですが、ブウトンが二名以上立候補しなかった場合、新規の立候補者は、ポスト(薔薇のカラー)を任意に選べる事になります。しかしこの場合も、最終的にそのポストは、前薔薇様の承認によって始めて決定するのではないかと考えられます。全生徒の投票に対して、前任者の推薦が同等に有効な選挙は、決して現代民主主義選挙とは言えません。このようなリリアンの生徒会は、どことなく十九世紀の貴族院を彷彿とさせます。こうした旧階級制度に対するほのかな憧れも、「マリみて」の味わいの一つと私は思っています。いずれにしても「マリみて」が今後も続いて、祐巳や由乃が、正真正銘の薔薇様になる所を見てみたいものです。
2004/10/28 23:6:34〔投稿者:円〕
山百合会の選挙システムはリリアンの謎の一つですね。ワトソン様が想像する方法がやはり一番無難で妥当だと思います。上記の朱夏様の意見について、ブゥトンというのは山百合会の公式の役職ではないようですので、さほど問題はないと思います。
2004/10/29 2:47:9〔投稿者:いわし〕
要は例えば水野蓉子も佐藤聖も卒業するまで妹を持たなかったら後任者の色はどうなっていたのかな、って事だったんです。…さして重要では無い仮定ですね。ただ卒業生である薔薇さまは基本的に選挙にはノータッチだと思います(朱夏さんのコメントの推薦・承認の辺り)。…コメントにレス付けていくのは反則でしょうかしかも2回目で長いm(_ _)m
2004/10/31 15:18:45〔投稿者:管理人〕
薔薇さま方が「選挙にノータッチ」なのは「つぼみに任せる」という意味で、つぼみがいない場合は責任上ノータッチではいられないような気がします。
2004/11/28 21:23:02〔投稿者:でるもんた・いいじま〕
私の通っていた高校では、生徒会長にしても文化祭・体育祭実行委員長にしても、1名だけ選挙で選んで、あとの役員は投票をせずに会長・委員長が指名するという方式でした。最初は奇妙に思えましたが、体育祭や文化祭のような「期間限定」の場合はこの方式が合理的なんですよね。一般の生徒は生徒自治には関心が薄い(要するに自分の所の出店が出せれば誰が委員長でもいい)ので選挙、というより立会演説会に時間をかけたくないし、委員長が自分の運営方針に賛同する人を集めて強力なリーダーシップを取れるしで。
うちの学校の場合は、生徒会は名誉職で、文化祭・体育祭実行委員会が実働集団だったので、生徒会長は品行方正であれば誰でもいい、という点もありました。
2004/12/10 23:08:32〔投稿者:ちょこと〕
投票用紙に紅・白・黄の三つの枠があって、その中に名前を書く。薔薇の色は得票数の多い順にすればいいんじゃないでしょうか。(白枠は見えなくなるので黒の二重枠ってことで)
2004/12/11 17:56:03〔投稿者:管理人〕
ちょことさま、ご意見ありがとうございます。「当落自体は総得票数、色は色別に集計して」という意味ですね。開票と集計が短時間で終わっているところを見ると、そこまで複雑なことはしていないだろうと思います。
2004/12/13 13:36:33〔投稿者:銀のハンマー〕
亀&長文で失礼します。有権者一人当たり一票か三票かについてです。ワトソン様と同じく三票だと私も考えます。理由は蕾に有利だからです。「ほとんどの場合、蕾が薔薇様になった」と言うのは蕾以外の候補者が居なかったと言うことかもしれませんが、選挙になった場合一票だと番狂わせが起き易いのです。一人一票だと有権者数の4分の1を超える得票があれば、他の候補者の得票に関係無く上位三位以内にはいれます。二年藤組(全体の12分の1)と言う支持基盤がある静様にとって決して困難な数値ではなく、蕾三人の間で票が偏れば当選ラインはもっと下がります。これが三票の場合、確実に当選するためには有権者数の4分の3を超える得票が必要となり、知名度で劣る静様にはとたんにハードルが高くなってしまいす。
支持者の投票行動も三票の場合つぼみに有利になります。一票の場合、静陣営はとにかく静に投票すれば良いのに対して、蕾三人を当選させるためには票を均等に分配する必要があります。支持者が勝手に行動していては対立候補に足元をすくわれます。三票の場合、蕾陣営は「蕾三人に投票してね」で済むのに対して、静陣営は静に投票させるだけではなく、絶対に志摩子(三人の中でもっとも得票が少ないであろう相手)に投票しないように支持者に働きかける必要があります。放っておくと支持者の3分の2が志摩子にも投票してしまい支持者数の3分の1しか志摩子に差をつけられません。
祐巳の「とても接戦とは言えない」という表現から、一人当たり三票だっただろうと理屈をこね回してみました。