タイムテーブル作成に関連する諸問題

  • リリアン女学園は週休何日制

    • 小説の記述では「土曜日だから休み」ということは一度もなく、はっきり「土曜日」と書かれていてる日でも登校していますので、週休一日制であることが推測できます。ただし、土曜の午後は授業がありません。小説が書かれ始めた時期の「一般的」な制度と言えるでしょう。

  • 初年度のカレンダー

    • 初年度のカレンダー(日付と曜日の対応)は、次の事柄から推測します。

      • 12月16日(コスモス文庫の発売日)が期末試験中で前後含めて12月15〜17日は期末試験期間で登校しているので、三日とも日曜ではない。(いばらの森)

      • 2月14日(バレンタインデー)の前後含めて2月13〜15日に登校しているので、三日とも日曜ではない。(ウァレンティーヌスの贈り物)

    • この条件を満たすには、12月15〜17日を「木金土」、2月13〜15日を「月火水」とする以外にありません。

    • 事実、この組み合わせがもっとも矛盾が少ないようなので、「マリみてTT」ではこのカレンダーを採用することにします。

    • 現実世界のカレンダーで代用する場合、1994年の12月と1995年の2月、もしくは2005年の12月と2006年の2月が一致します。

  • 二年目のカレンダー

    • 二年目のカレンダーをはっきり推測できるような材料はあまりありません。弱い推測の材料になるものはいくつかありますが、決定的なものがありません。

    • 曜日をずらしながら当てはめてみたところ、もっとも素直な解釈、初年度の2月を28日までとして、そのまま延長していくカレンダーがもっとも矛盾が少ないようです。

    • 残念ながら、それでも多少問題は残るのですが、そこはそれぞれ柔軟に解釈するという方法をとることにします。

  • 祝日の制度

    • 「マリみてTT」では、祝日はハッピーマンデー制度以前と解釈します。したがって、体育の日は10月10日、成人の日は1月15日とします。

    • 初年度の想定カレンダーでは、10月10日がたまたま第二月曜になっていて、どちらの解釈でも同じだったので、ハッピーマンデー制度を採用してみたのですが、二年目の体育の日がうまくあてはまらないのでやめました。

    • さらに、マリみて世界の祝日が現実世界の祝日と同じである必然性は無いので、どうしても適合しない場合は「祝日を無視する」こともあり得ます。

  • 定期試験と試験休み

    • 私(ワトソン)がかつて通った中学と高校には試験休みというものが無かったので、どの程度一般的なものなのかは解らないのですが、リリアンには少なくとも期末試験後に「試験休み」というものがあります。

    • リリアンの場合、「期末試験の最終日の翌日からしばらく休みになり、その後、終業式の一日だけ登校し、夏休みや冬休みに入る」という制度になっているようです。「土曜日が期末試験の最終日となるようにしている」と推測していますが、サンプルが少ないので偶然かもしれません。

  • リリアンかわら版の発行日

    • 「リリアンかわら版」は週刊であることは分っていますが、何曜日発行であるかははっきりとは書かれていません。

    • ですが、「黄薔薇革命」で、火曜日に「明日出るはず」となっている(黄薔32)ので、水曜日発行と推測できます。この解釈がシリーズ全体に渡ってもっとも不都合が少ないようなので、「マリみてTT」では毎週水曜日発行説を採用します。

    • 新聞部の活動日は「年中無休」という感じ(笑)ですが、クラブハウスでの集会は発行前日にあります。火曜日の放課後に新聞を完成(印刷も含む)させて水曜の朝には配っているようです。

  • 剣道部の活動日

    • 剣道部の活動日は、令さまのスケジュールで推測するのですが、大事な試合の前では「連日」練習しているようですし、薔薇さまとしての外せない用事がある場合は部活を休むので、特定しにくいところがあります。

    • 由乃さんが剣道部に入ってからはすこし分かりやすくなっていて、「マリみてTT」では剣道部の活動日は「月水金」と推測します。主な根拠は「びっくりチョコレート」と「黄薔薇注意報」です。

      • 2/1:水曜日(ウ前26)

      • 2/3:金曜日(ウ前56)

      • 2/8:水曜日(ウ前91)

      • 6/5:月曜日(レイ35)

      • 6/7:水曜日(レイ113)

      • 6/9:金曜日(レイ128)

    • これらの日に令さまか由乃さんが剣道部の活動をしている(もしくは、サボった)ことが判っています。

    • その他、月曜日なのに「令さまが薔薇の館にいる」というシーンはあるのですが、「薔薇さまとしての仕事を優先させた」または「一仕事してから、部活に行った」と、柔軟に解釈します。

  • 祥子さまが習い事を止めたのはいつ?

    • これは、短編「Answer」によって、現れた問題です。

    • 「Answer」発表前は、誰も気にしてはいなかったでしょう。

      • 無印:蓉子さまが祐巳に(妹にして引っぱり回すことで)「私が全部やめさせたの」と説明している(無印117)

      • 白き花びら:初夏のある日、聖さまが蓉子さまに「全部やめさせたって噂、本当?」と聞いている(いば230)

      • Answer:前年度マリア祭で、祥子さまが蓉子さまに「習い事をすべて辞めて参りました」と宣言(プレ150)

    • 「Answer」発表前は、「蓉子さまが祥子さまを妹にしてからやめさせた」ことになっていました。

    • ですから、「Answer」で、妹になる前に祥子さまのほうから「やめた」ことにしたのは、作者のミスかも知れません。

    • 私(ワトソン)の個人的な解釈は、次のようなものです。

    • 祥子さまは「全部やめる」と宣言し、そのつもりでマリア祭を迎えた。ですが、習い事の先生方も小笠原家とはおそらく長い付き合いで、ことはそう簡単ではなかったのではないか。もっともな理由も無く、失礼にならないようにやめるのは難しい習い事もあったでしょう。

    • 現実にはすべてをやめることはできずにいたのを、蓉子さまが「やめるって言ったわよね」と山百合会の雑用に引っ張り回し、結果的に「忙しい」という理由でやめることができた。


    • ほとんど、私の想像に過ぎませんが、無難な解釈ではないでしょうか。

    • ところで、聖さまはマリア祭で「祥子さまの宣言」を聞いていなかったのでしようか?

    • 「白き花びら」で、聖さまは仕方なく参加していたことが解ります。「そっぽを向いていた」(いば217)ということからも、「祥子さまの宣言」など耳に入っていなかったのでしょう。

    • それから、噂を耳にするのが「初夏」というのも遅いような気もしますが、そもそも聖さまは世間の噂にはかなり疎いほうですので、耳にしただけ立派といえるかもしれません。

  • 志摩子さんが、祥子さまの申し出を断ったのはいつ?

    • この問題は、個人的に気になっていて、いろいろと想像(妄想ともいう)を膨らませています。

      • 無印:桂さんは、お姉さま(祥子さまと同じクラス)から「志摩子さん、祥子さまからも申し込まれていた」と聞いたと、祐巳に話している(無印15)

      • 無印:志摩子さんが祥子さまの申し出を断ったときの経緯を、祐巳に説明している。文脈から志摩子さんは「理由を言ってきちんと断っている」ことが解る(無印96)

      • 片手だけつないで:体育祭の頃、聖さまは「志摩子さんが祥子さまの妹になる」という噂を耳にする(歳後204)

    • 「片手だけつないで」で、噂を耳にした聖さまは、すぐに祥子さまのクラスに行き問いただし、そして、その足で志摩子さんを連れ出し妹にしてしまいます。

    • 噂に疎い聖さまが「志摩子さんが祥子さまの妹になる」という噂を知ったのが、「祥子さまが志摩子さんに申し出てから」どのくらい後のことかは、解りません。それに、志摩子さんが祥子さまへの返事を(ずるずると)保留していたとも思えません。

    • 私の想像は次の通りです。

      • 志摩子さんは祥子さまの申し出を、その場で断っていたであろう。

      • 「祥子さまが志摩子さんに申し出たらしい」ということだけ噂になり、「すでに断られていた」ことは噂になっていなかった。

      • 噂の発信源は蓉子さまかも(かなり、妄想です)。

    • こう思って「片手だけつないで」を読み返すと、祥子さまと聖さまのやりとりの部分がとても面白いのです。

    • 祥子さまが「すでに断られている」ことを聖さまに教えてしまうと、聖さまは安心してしまい、志摩子さんを妹にしようとは思わないかもしれません。

    • 祥子さまは聖さまに問いただされているとき、どんなにか腹立たしかったことでしょう。自分から「断られた」といってしまうのはプライドが許さない。かといって、「これでは、まるで聖さまの背中を押してあげている」ようなもの。「ふられた上に、なんでこんなことまで」とか「まんまとお姉さま(蓉子さま)の策略にのせられたのかも」とか、考えていたのでないか・・・ちょっと、妄想が過ぎますか(笑)。

  • 更新履歴

    • 2004/09/12 : 「祥子さまが習い事を止めたのはいつ?」を追加

    • 2004/09/12 : 「志摩子さんが、祥子さまの申し出を断ったのはいつ?」を追加

    • 2004/08/06 : 作成