過去ログ[10]

     
     
    No.608 【「未来の白地図」感想(ネタばれ用)】 投稿者 : 管理人(ワトソン) : 2005/12/24 22:21
    編集: 2005/12/24 22:28
    実は、この掲示版には「ネタばれ進行」用の機能があります。
    レスを読むのに1クリック必要になるスレッドを起てる事ができるのです。
    せっかく作った機能ですので、冬紫晴さまに起てていただいた「「未来の白地図」感想スレッド」こちらに統合させていただく事にしました。
    以下、しばらくの間このスレッドは「ネタばれ進行」にして起きますので、「未来の白地図」感想はこのスレッドに返信してくださいますよう、よろしくお願いします。

    「ネタばれ進行」を解除しました。
    追加:2006/01/13 04:46
     
    -1- No.595 【「未来の白地図」感想<ネタバレ注意!!>】 投稿者 : 冬紫晴 : 2005/12/23 13:20 :
    ごきげんよう。

    風邪にやられて、のどが痛いです。

    新刊、読了いたしましたので、感想です。某所よりもこちらは落ち着いているので……

    とりあえず、ちょっとだけ改行入れておきますね。







    まず。
    瞳子ちゃん……(T_T)
    某所には、「妹問題を引っ張りすぎ」とか「次巻で解決しそう」とかいう意見もありましたが……
    妹問題など、小さなことです。付随物にすぎない。(別の角度から考えるなら重要な論点にはなっても、「お話」のメインストリームではない)また、次の本1冊で解決できるかどうかなど、わかったものではありません。個人的には、そんなに簡単な話には感じられません。祐巳一人ではまず解決不能であり、少なくとも柏木や祥子、乃梨子ちゃん、可南子ちゃん、祐麒、福沢両親等々など、多くの人が関わってようやく何かできるかもしれない、位のことと思えます。

    柏木の態度といい、瞳子ちゃんのモノローグといい、嫌な予感がしてなりません。ここのコラム「痛くもかゆくもない」および「続・痛くもかゆくもない」でちょこっとだけ出た「あの話題」が、にわかに現実味を帯びてきました……そ、それってきつくないか?きつすぎないか?

    黄薔薇さんちは、相変わらずセルフケアというかセルフリペアの能力高いですね。由乃さんがかつて抱えていた身体の不具合との向き合いや、それをすでに乗り越えたということが、その強さの源のようにも感じられまする。
    その一方で、やっぱり振り回される由乃さんが面白かったですね。おろおろではなくて、じたばたという感じですが。これまでずっと振り回す側だったのが、振り回されているというのがまた。

    志摩子さん、結構お兄ちゃん意識してますね。

    祐巳の行動ですが……「唐突な感じ」を受ける、という意見もわからなくはないですが……ある意味では自然な流れでもあるように思います。

    あとは私のブログの方で……できる限り近いうちに。
     
    -2- No.599 【新刊発売おめでとう】 投稿者 : 韓子温 : 2005/12/23 19:11
    ごきげんよう

    今回は各登場人物の心のアクションが目立った作品でした。それぞれが思い思いの方角に跳んで行きながら、適当な着地地点を見つける。黄薔薇姉妹とか、志摩子さんとか、可南子ちゃんとか・・・。

    マリア象前での祐巳のアレは、「ミルフィーユ」からこっち、少しは考えてました、というサインか・・・?

    印象としてあまり高く評価されていない新刊ですが、私は過去最高の作品だといいたいと思います。満足。
     
    -3- No.601 【祥子さまリリアンに残留決定の意味するところ】 投稿者 : ロサ・ギガンテス : 2005/12/23 22:45
    ごきげんよう。
    まだ1回読んだだけなので読み込みが足りないので、あえて本編の内容には触れませんが今回ちょっと期待してしまったのが 「ともするってぇと、祐巳さん薔薇様編があるのでは?」っという事です。あくまでキャラ配置的な観点からですが、祥子さまを現状の聖さま的な扱いでオブザーバーキャラとして残す布石に思えてなりません。新刊の発行ペースから逆算してマリみて本編は、これから1年ないし1年半で祥子さまの卒業という大イベントを迎えます。「妹オーディション」があまりにすっきりしすぎていたため「祥子さまの卒業をもってマリみて終了」っといううわさががまことしやかにネット流れていましたが、これで払拭できたかとひとりほくそえむ今日この頃だったりします。(個人的には瞳子薔薇様編が見たかったりします。)
     
    -4- No.602 【新刊は】 投稿者 : 紫煙 : 2005/12/23 22:48
    こんにちは。

    普段あまり語られない2人の友情が読めたので薔薇のダイアローグがあっただけでも大満足な一冊でした。
    本編では物語での時節柄、志摩子さんのケーキ作りや蓉子さまの飾り等伝統の継承っぽい事柄がちらほらと
    ありましたがこのまま瞳子が妹になったとしたら紅薔薇さん家は一度ごめんなさい
    するのが伝統になってしまうのでしょうか(笑)次巻以降の瞳子攻略戦?が楽しみです。

    あと物語とは全然関係ないところでは食券の調達元(方法)が気になるところ。
    購入だけならあの人でも可能だと思いますが確か高等部の生徒が使うときには教師の裏書が必要だった気が・・・
    調達者が祥子さまだったとしたら裏書を頼まれた教師はさぞ驚いたでしょうね(笑)
     
    -5- No.605 【Re: 「未来の白地図」感想<ネタバレ注意!!>】 投稿者 : でるもんた・いいじま : 2005/12/24 21:39
    食券の調達元(方法)が気になるところ。
    購入だけならあの人でも可能だと思いますが
    それは個々の学校次第では?
    ちなみにうちの高校の食堂では、食券はメニュー指定なしの金額式で、
    カウンターで注文の際に必要枚数を出す形式でした。
     
    -6- No.606 【Re: 「未来の白地図」感想<ネタバレ注意!!>】 投稿者 : でるもんた・いいじま : 2005/12/24 22:00
    読了しました。長くなりますがお付き合いいただければ幸いです。
    (この内容はまとめなおしてAmazon.co.jpにも投稿します。ご了承ください。)


    ついに第三楽章本番・アレグロという感じです。

    まず、最初に書かれた「銀杏の中の桜」(雑誌版でも文庫版でもストーリーラインは全く同じです)では、作者は乃梨子、志摩子、あるいは瞳子を恣意的に動かすことができました。これがいわば「序曲」です。

    そこにつなげるために文庫版がスタートします。「第一楽章」。物語自体の進行と同期して、かなりの部分が実は人物設定づくりのために存在します。

    無印は祥子と祐巳。
    「黄薔薇革命」で令、由乃、江利子、三奈子、真美、蔦子。
    「白き花びら」で聖と蓉子。
    「長き夜の」はみき、清子、柏木、祐麒。
    「びっくりチョコレート」で先代3薔薇さまの迫力が描写され、志摩子が少しいじらしいところを見せます。
    「紅薔薇さま、人生最良の日」と「いと忙し日々」で蓉子。
    「黄薔薇まっしぐら」で江利子と鳥居家の面々。
    ――『いとしき歳月・後編』は未読なのでコメントは差し控えます――
    「銀杏の中の桜」を再録して、「BGN」で瞳子の設定を裏打ち。

    ここまでが設定づくりです。とはいえ、先に設定が完了したキャラはそこからすぐに一人歩きしていて、『いとしき歳月・後編』のあとがきでは今野先生自身認めているのですが。

    「ロザリオの滴」から「特別でないただの一日」までは、それまでの設定からの自然な帰結です。この時期に爆発的に読者が増えたのも、その「自然な緻密さ」ゆえといっていいでしょう。
    この段階で可南子をどう位置付けるのかが微妙ですが…。

    そこまででいわばネタが尽きて、実は「妹オーディション」から「第三楽章」に入っているんですが(茶話会では3年生はノータッチということに注意)、作者はこの時点ではその気配を隠しています。『妹オーディション』と『薔薇のミルフィーユ』が新しい物語のための種まきです。

    で、この新刊で一気に新芽が出てきます。

    瞳子の家出の原因(の奥にある、小笠原〜柏木〜松平家の跡継ぎ問題)もそうですし、令と由乃の間にもやや距離感が出て来ます。もう親や先輩たちはかばってくれない、一人立ちしなければいけない、という重圧が祐巳にも由乃にも出てきます。
    …まあ、薔薇さまを名乗るからにはそのくらいの覚悟は必要です。由乃が「志摩子は大人だ」と感じているのもそういうところに遠因があります。そもそも志摩子の場合、当初はもっと幼いうちに出家するつもりでいたわけですし。

    また、令にしても無条件では由乃を心のよりどころにはできなくなりました。「黄薔薇革命」では令は共依存(私がいないと大切なこの人が…と思って、そこに自分の存在意義を見い出そうとする心理。たとえば、アル中の夫を持つ妻に顕著)を形成していたわけですが、やっと完全に脱却すべき時が来たわけです。

    というわけで、今後の話は、特に高校生〜大学生〜若手社会人くらいの読者にとってはずっしりと重みのあるものになるはずです。逆に中学生以下だとピンとこないかもしれません。
     
    -7- No.607 【Re: 「未来の白地図」感想<ネタバレ注意!!>】 投稿者 : 管理人(ワトソン) : 2005/12/24 22:13
    食券の調達元(方法)が気になるところ。
    購入だけならあの人でも可能だと思いますが
    これは、ゲームの賞品の「麺食堂の食券」のことですよね。
    麺食堂は大学部の施設なので、「高等部の生徒が使用するには誰か先生の裏書きが必要」という設定になってます。
    基本的には「何かのご褒美に教師が生徒におごる」というものですから、発掘された4枚の食券にはちゃんと裏書きがあったはず(でないと、賞品としての価値がありません)。
    でも、教師の移動のほとんどないリリアンでは新任教師の場合でないかぎり、何年前の食券かわからない(笑)。
    いやでも、ふつう何年も前の食券って使えるものでしょうか(笑)。
    「去年の三月に発掘」とありますから、祥子さまか令さまが事情を知らないとなれば、その上の「蓉子さま、江利子さま、聖さま」の誰かが関わっているものと想像できます。

    聖さまなら「単に忘れてた」かもしれないし、江利子さまなら「もらったはいいが興味なかった」というのもありそうですが、蓉子さまは・・・ちょっと、想像しにくいですね。
     
    -8- No.609 【Re: 「未来の白地図」感想(ネタばれ用)】 投稿者 : でるもんた・いいじま : 2005/12/24 22:45
    あくまでキャラ配置的な観点からですが、
    祥子さまを現状の聖さま的な扱いでオブザーバーキャラとして残す布石

    そうですね。大略、今のメンバーから
     祥子→由乃(お姫さま)※『涼風さつさつ』と『妹オーディション』を対比されたし
     令 →祐巳(懐が深い)※『妹オーディション』参照
     祐巳→可南子(親しみやすい)
     由乃→瞳子(わがまま、はかなげ)、菜々(謀略好き、暴走)
     聖 →祥子(いざというときに頼りになる)※今回、令への接し方に注目
    といったところでしょうか。

    P.S.
    今回、同じ集英社の『NANA』に便乗したネタがありますね。字が違いますが。
     
    -9- No.610 【Re: 「未来の白地図」感想(ネタばれ用)】 投稿者 : でるもんた・いいじま : 2005/12/24 22:56
    麺食堂は大学部の施設なので
    ああ、なるほど。それで
    購入だけならあの人でも可能だと思いますが
    なのですね。

    教師の移動のほとんどないリリアンでは
    これは別の線が考えられますよ。幼稚舎〜高等部の先生が大学部で教職科目の教鞭をとったり、高等部以下で教育実習生を受け入れたりしているという可能性です。令が考えていた進路からするとリリアン女子大で幼稚園教諭の免許が取れると読めますから、きっと小学校〜高校の教員免許も取れるのでしょう。

    ちなみに、高校以下で教鞭をとるには教員免許が必要ですが(社会人講師などを呼びたい場合は臨時免許等を発行する)、大学で教鞭をとるのには何の資格も要りません。常勤教員の採用時に「大学院卒」とか「博士号」とかいう条件をつけているケースは多々ありますが、非常勤ならそうでもありません。

    ふと思ったんですが、聖が大学3年のとき、乃梨子は高3です。
    聖が教育実習生として乃梨子の前の教壇に立つ、という話も、もしかしたらありうるかも。
    追加:2005/12/24 23:15
     
    -10- No.615 【お礼&「小公女」について】 投稿者 : 冬紫晴 : 2005/12/25 01:30 :
    ごきげんよう。

    おおっ!こんな機能まで……
    助かります。ありがとうございますワトソンさま。

    ところで。

    皆様の中で、「小公女」(The Little Princess)しっかり読んだ方おられます?
    もしかしたら瞳子ちゃんの物思いに関わる重要なことになってますので(私は今チェック中です)
    瞳子ちゃんは「BGN」の中で、初等部高学年から演劇部に所属してから一番のお気に入りの役について「中二の時の小公女のセーラ役」と言っておりますので……今回も「何となく」それをやってしまったのか、とか、いろいろ。

    では。

    追記:訂正。「小公女」の原題は、The~ではなく、「A Little Princess」でした。(大きな違いっすよ、これは)
    追加:2005/12/28 22:21
     
    -11- No.619 【Re: 「未来の白地図」感想(ネタばれ用)】 投稿者 : くりくりまろん : 2005/12/25 11:15 :
    ごきげんよう。
    相変わらずぬるい書き込みをお許しを。
    大体エイミーにしろセーラにしろ11歳前後にスポットが当たるわけで、瞳子ちゃんが思い入れをするところがあるとすれば、その頃に何かあったんでしょうか。思い出というよりは「そうであってほしかった自分」というニュアンスが強いようです。…にしても、悲しいとか怒りというよりも罪障感が強いのが気になります。
     
    -12- No.621 【Re: 「未来の白地図」感想(ネタばれ用)】 投稿者 : でるもんた・いいじま : 2005/12/25 12:15
    大体エイミーにしろセーラにしろ11歳前後にスポットが当たるわけで、
    瞳子ちゃんが思い入れをするところがあるとすれば、
    その頃に何かあったんでしょうか。
    ぬるいとご謙遜ですが、鋭いですねえ。
    逃げようとする瞳子を祐巳が追いかけるシーンで、白地図のエピソード(巻頭のあれです)が話題にのぼりますよね。そのへんも同じことを暗示しているように思います。
    あとはどこかに、初等部の高学年のころ、というフレーズがありませんでしたっけ?
     
    -13- No.622 【二人(?)の「エイミー」】 投稿者 : 冬紫晴 : 2005/12/25 17:42 :
    ごきげんよう。

    くりくりまろんさま でるもんた・いいじまさま
    なるほど。だいたい10〜11歳くらい、ですね。
    もう一つ共通するキーワードがありました。

    人形です。

    まあ、若草物語では、人形を持っていたのはエイミーの姉、ベスですが。今までにも取り上げたように、ズタボロで棄てられていたのを拾われたのが「ジョアナ」ですね。エイミーは甘え上手でちやほやされているとあります。

    一方、「小公女」で登場する人形は、ヒロイン、セーラの人形で、使用人としてこき使われるようになってから心の支えにもなったこともあるものです。この人形の名前が、皮肉なことに、「エミリー」なんです。
    Amy(エイミー)は、Emily(エミリー)の略称、愛称です。名前が同じなんですよね。

    で、瞳子ちゃんが寸劇を演じた場面の少し後に、非常に興味深い場面が登場します。(あの場面でもセーラは涙ぐんでいるんですが)つらい状況が重なった日に、ただ座っているだけの人形「エミリー」を見て、セーラは「あんたは人形でしかないんだ」と珍しく激しく怒って泣くんですよ。

    「白地図」だけでなく、瞳子ちゃんの場面を拾っていくと、「小公女」の気配を(おそらくわざと)感じさせる場面がいくつかあるかと思います。

    追記:セーラとアーメンガードが仲良くなる話も興味深いところです。「レイニー」〜「パラさし」を彷彿とさせるエピソードです。それから、セーラが常に自分で「こう考えてみよう、こういう風になってみよう」と心がけていたことも。
    追加:2005/12/26 03:17

    追記2:原文(英文)がこちらで公開されています。ttp://etext.lib.virginia.edu/toc/modeng/public/BurLiPr.html
    追加:2005/12/26 13:09

    追記3:青空文庫の方は見ました。そこに収載された菊池寛の訳よりも、角川文庫の川端康成・野上彰の訳の方がいいと思います。
    追加:2005/12/26 13:12
     
    -14- No.626 【Re: 「未来の白地図」感想(ネタばれ用)】 投稿者 : でるもんた・いいじま : 2005/12/26 01:30
    某所に大胆予想が出ました。
     瞳子本人は役者志望
     しかし、松平家は瞳子を医者に育てようとしている
     ゆえに他大学を受験せよ、との命が下って瞳子はキレた
     令がかつて医師志望だったのは上記の伏線

    どうでしょう…

    ああああああああああああああああああああああああ…
    p201に見つけてしまいました。
    初等部の高学年、というのは瞳子ではなく令のセリフです。
    これと上記の「10〜11歳」とはぴったり一致します。
    追加:2005/12/26 01:47
     
    -15- No.627 【Re: 「未来の白地図」感想(ネタばれ用)】 投稿者 : くりくりまろん : 2005/12/26 09:22 :
    冬紫晴さま
    なんと、そうなんですか。早速(全然早速でもないですが)読んでみますね。
    「青空文庫」に全訳があるようです。

    でるもんた・いいじまさま
    ああー。たしかにすごいです。
     
    -16- No.628 【Re: 「未来の白地図」感想(ネタばれ用)】 投稿者 : 紫煙 : 2005/12/26 17:18
    こんにちは。
    ワトソン様の仰るように私の発言での食券とはゲームの賞品の「麺食堂の食券」の事です。
    言葉足らずで本当にごめんなさい。

    ふつう何年も前の食券って使えるものでしょうか(笑)。
    法律上だと、
    民法第174条(1年の短期消滅時効)
    次に掲げる債権は、一年間行使しないときは、消滅する。
    四号「旅館、料理店、飲食店、貸席又は娯楽場の
    宿泊料、飲食料、席料、入場料、消費物の代価又は立替金に係る債権」
    に引っ掛るような気もしますが、一番の決め手は食堂のおばちゃんのチェックを通るか否かでしょう。
    いばらの森の記述(P102)を見る限り食券に発行時点のタイムスタンプが押されているかは
    かなり怪しいのでもしかすると著しい劣化さえしていなければ半永久利用も可能な代物なのかもしれません(笑)。
    なので個人的には劣化が目立たないという範囲内だと、祥・令〜超薔薇さま方の誰かが調達者だと思います。
    自分の中では最有力候補は1階に弁当箱を忘れた方です(笑)。

    小公女
    若草物語
    若草物語も小公女もうろ覚えなのですがふと思いついた共通点として父親がいないというのもあったなと。
    でも瞳子の場合両親健在みたいですし瞳子ちゃんが松平の実子ではないとかみたいな
    ぶっ飛んだ設定が出てこない限りこの部分はなさそうですね。

    瞳子本人は役者志望
    しかし、松平家は瞳子を医者に育てようとしている
    ゆえに他大学を受験せよ、との命が下って瞳子はキレた
    令がかつて医師志望だったのは上記の伏線
    なるほど。志摩子さんに将来を訊いていましたし進路について何らかのぶつかり合いがあったのかもしれませんね。
    その系統でいくと医学部ではなく祥子さまの言っていた経済・経営学とかもありかもしれません。
    自分の中で瞳子ちゃんが一番ぶちきれそうな進路の選択肢は許婚がいて高等部卒業と同時の結婚命令ですが。
     
    -17- No.629 【Re: 「未来の白地図」感想(ネタばれ用)】 投稿者 : でるもんた・いいじま : 2005/12/26 19:34
    瞳子ちゃんが松平の実子ではないとかみたいな
    ぶっ飛んだ設定が出てこない限り

    それが…No.626の大胆予想では「実は瞳子自身がみなしごなのでは」という予想が立っています。

    でも個人的には、「実子でない」という設定をするのであれば、みなしごというよりは、せめて柏木の血を引いているという設定のほうが、優や祥子に心を開いている現状と符合するように思います。松平夫妻が、妻の姪(つまり、松平母-柏木父には他にも兄弟姉妹がいて、その家の子)である瞳子を養子にした、というわけです。

    #松平母-柏木父に兄弟姉妹がいそうな気配は他にもあります。
    #優を小笠原家に出して柏木家に跡継ぎがいないのは困るので、
    #柏木家の跡継ぎとして優には実兄か従兄がいる、と考えるのが妥当です。

    優の実の妹という可能性も否定できませんが、そんな設定をすると、「小笠原のお祖父さまの孫って、僕とさっちゃんだけ」なので、ちょっと鬱な設定ということになりますね。

    優の実の妹
    これは、柏木父と、外の女性との間の子供、という意味です。そのまま柏木夫妻の子供としたのでは、妻の生家である小笠原家へのメンツが立たないので、実父の妹である松平母に子供ができなかったので(不妊症という可能性が十分ある)引き取った、とすれば、瞳子が家の中ではやけにいい子なのも、たかだか家出騒動で寝込んでしまったり菓子折を包んだりするというのも、合点がいきます。
    追加:2006/01/14 16:22
     
    -18- No.630 【瞳子の立場】 投稿者 : 冬紫晴 : 2005/12/27 01:48 :
    実は瞳子自身がみなしごなのでは

    ここのコラム「痛くもかゆくもない」のコメントで推測として出てきたのは、朱夏さんのコメント内でのことで、「瞳子が、瞳子母−祥子父(融)の子である」というものでした。もう一つ「瞳子母−祥子祖父の子である」可能性まで考えられることに今頃気づきました。そのことに対する反論としては、マリみての内容にそぐわない、あるいは立場として適さないなどでした。

     個人的な印象としては、瞳子ちゃんの柏木優に対する態度および柏木優の瞳子ちゃんに対する態度が、祥子に対するそれよりも自然であるような気がしまして、それが気になって仕方ありません。また、優の「清子叔母さま」に対する(ある意味過剰なほどの)気遣いなども感じられます。祥子に対しても、「ミルフィーユ」で母親の如く「遠出する」彼女に「陰ながら付き添って」いたため、過剰とも思える気遣いが祥子母子に対するものかもしれないと言うことも現れてきています。何となく嫌な予感がするのはそのせいでもあるのです。

    でるもんた・いいじまさま
    優の実の妹という可能性も否定できませんが、そんな設定をすると、「小笠原のお祖父さまの孫って、僕とさっちゃんだけ」なので

    このあと奴は「あ、僕が知らないだけで、もしかして余所に隠し子とかいるのかな。そうなりゃ、話は別だけど。うーん、けどそれはそれで一悶着起こるか……」とぬかしよって、祐巳が「そういう深刻な話を含み笑いで思案するな」とツッコミを入れているんですよね……
    追加:2005/12/27 02:00
     
    -19- No.631 【ちょっと、じれったくなってきた】 投稿者 : 朱夏 : 2005/12/28 05:05
    遅まきながら、ようやく読了しました。まだ二回、通して読んだだけですが・・・。
    既に話題になってる「盾ロール」・・・誤植とはいえ、今回のかたくなな瞳子ちゃんを見ていると、なんとも複雑な気持ちになります。今の祐巳ちゃん、そして乃梨子ちゃんの気持ちを思えば、まさに難攻不落「イージス・瞳子」の称号がぴったり。
    ちなみに「ひとめぼれ姫」の称号は、乃梨子ちゃんにさしあげたい。(笑)

    まずは「薔薇のダイアローグ」 良い雰囲気でした。
    これまで描かれなかった令と祥子との、いつもの心のふれあい・・・というより、改めて二人が、生涯の友人として確認しあった瞬間だったのでは。
    神経質な祥子とはいえ令の穏やかな気性からして、かつての蓉子と聖の様な、緊張をはらんだ交友は全く無かったでしょう。
    ただ、それまでも気の合う同級生やチームメイトが、卒業前のある日に、かけがえのない生涯の親友に変わる瞬間って、こういう感じだったかと。

    令の進学の決意は、ちょっと驚きです。
    しかし「黄薔薇革命」「黄薔薇注意報」以来、ずっと保留にされてきた問題に勇気を持って結論を下した、言わば、納得の行く「黄薔薇決着」でした。
    そして同時に、田中姉妹との因縁の泥沼試合を、さらりとスルーして由乃にパスしています。

    祥子のリリアン女子大進学は、もっと意外でした。
    しかしここに、祥子の大きな成長を見て取れます。何故なら、「可愛い祐巳」をごく近くで見守ることが出来るほど、大きな心の余裕が持てたことの証だからです。
    祥子には既に、祐巳が薔薇さまとなっても、さほど干渉せずにさりげなくサポート出来るだけの確固たる自信があるのでしょう。
    つい一年前、蓉子に見せていたヒステリックでナーバスな姿からは、想像も出来ません。巻きスカートを膝までたくし上げて自転車にまたがるお転婆なことなど、一年前の祥子なら、はたしてやったかどうか。
    そしてこの進学先の選択に、力みが無いことも大きな特徴です。小笠原家との関わりが、何か良い方向に向かっているのかも知れません。それが柏木氏と瞳子ちゃんに、どんな影響が及んでいるかどうかは別にして・・・。
    おそらく「ミルフィーユ」の巻での、「祐巳ちゃんと遊園地で遊ぶこと」は、祥子にとって最大で、最期の関門だったでしょう。でもそれは、祐巳が思うほどに精神的な問題ではなく、単に、体力・体質の問題でしかなかったと。
    全体的に重苦しい雰囲気の中で、この祥子の優しく落ち着いた笑顔が、極めて印象的でした。

    さて、今回少々気になったのが、カレー。これを見て、桜亭の「二色カレー」を思い出された方も少なくないはず。
    「マリみて・無印」で祐巳ちゃんが、祥子さまとスールを賭けて取り組んだ「山百合会演劇・シンデレラ」 その練習でご相伴になったのが、桜亭のカレーでした。今回、瞳子ちゃんが、祐巳ちゃんちでごちそうになったのがカレーだったというのは、偶然でしょうか?
    この桜亭のカレー、ご相伴になったもう一方に、柏木氏がいました。
    今回も彼は、福沢家の夕食の直後に現れたました。しかし今回の柏木氏は、一年前とはずいぶん違っています。瞳子の保護者として、祐巳ちゃんの前に決然と大きく立ちはだかります。
    しかし祥子さまの時と違い、祐巳ちゃんは、この柏木氏を押しのけて(おかげで去年は「ギンナン王子」の称号をもらうはめに)、瞳子ちゃんの手を奪い返すが出来ていません。あのころ祥子さまに見せた一途さを、すっかり失っているようです。
    これでは瞳子ちゃんから、「ごめんなさい」されても仕方なかったでしょう。

    「ミルフィーユ」の巻では、「ミルフィーユ止め」かとの意見もありましたが、今回はまさしく「白地図止め」!
    今野先生、祐巳の妹問題については、どんどんハードルを高くしてますね。なので物語の進展はいよいよ遅く、濃密になっているようです。
    そろそろ次回当たり、「瞳子ちゃんの家庭事情」が明かされて欲しいものです。そうなれば白薔薇ファミリーと異なり、紅薔薇の場合は、あっさりと妹問題は決着するでしょう。
    次回、小笠原邸での「なかきよ合宿」がどうなるか、ちょっと楽しみ。
    長文のカキコ、失礼しました。
     
    -20- No.756 【Re: 「未来の白地図」感想(ネタばれ用)】 投稿者 : でるもんた・いいじま : 2006/04/07 08:08
    紫煙さん <#628>
    自分の中で瞳子ちゃんが一番ぶちきれそうな進路の選択肢は許婚がいて高等部卒業と同時の結婚命令ですが。

    これは、菜々を出したことで、ありえないシナリオではなくなりました。再来年度、「紅薔薇さま」瞳子、「白薔薇さま」乃梨子に対して「黄薔薇さま」が1つ下だと、ある荒業が使えるのです。

    …それは、「リリアンのお聖堂で全校生徒立会いのもと挙式」!

    もちろんそのためには、在校生が学校側に話を通さなければいけません。しかも、「薔薇さま」瞳子のことだから、話を通すのはだれでもいいわけではありません。次期薔薇さまの役割です。

    それを取りまとめるのが次期紅薔薇さまでは、たんなる妹バカです。
    次期白薔薇さまでは、卒業生の乃梨子が命ずる形になってしまいます。
    そしていずれにしても、瞳子のプライドと折り合いをつけるのが難しくなってしまいます。
    そこで、黄薔薇続投の菜々が乃梨子と相談して、という形なら実現可能ですし、選挙の前からでも根回しが始められます。

    次年度で乃梨子・菜々・瞳子が接近するようなことがあれば、このシナリオがありうると考えるべきかもしれません。
     
     
    No.775 【更新報告】 投稿者 : 管理人(ワトソン) : 2006/04/11 00:20
    いろいろとたまっていたものをまとめて更新しました。
    残念ながら「くもりガラスの向こう側」はタイムテーブルとしてはあまりおもしろくありません。普通に時間が経過しているだけで、悩みどころも特にありませんでした。
    むしろ、「三つ葉のクローバー」と「黄色い糸」のほうがおもしろいです。
    「文庫未収録」ということで別枠にしているのでわかりにくいですが、「三つ葉のクローバー」は「初年度:バレンタイン」、「黄色い糸」は「前年度」のAnswerと見比べてみてください。

    「視点」のほうも「くもりガラスの向こう側」が祐巳視点で統一されているのでシンプルです。
    「まるまる一冊祐巳視点」というのはかなりひさしぶりです。「レディ、GO!」以来でしょうか。

    見落としがありましたら、遠慮なく指摘してください。

    「三つ葉のクローバー」の部分が大きく間違っていたので、修正しました。
    うっかり、行の順番をきちんと並べ直す前にアップしてしまいした。
    追加:2006/04/11 20:19
     
    -1- No.776 【祐巳ちゃんの年賀状】 投稿者 : 朱夏 : 2006/04/11 17:09
    ごきげんよう。
    更新されたタイムテーブルを見ました。いつも詳細なデータ、ご苦労様です。
    「くもりガラス」は確かに今のところ、タイムテーブルに関して見所が無いですね。しかし次巻で、このTTに瞳子ちゃん、柏木氏の行動がどう絡んでくるか、楽しみに待ちたいと思います。
    細かいことですが、これに補足を。
    それは、祐巳ちゃんが祥子さまに出した年賀状について。些細な事かもしれませんが、二巻に渡ったエピソードだったので。
    また、この一件はそれと書かれていませんが、明らかに「チャオソレッラ」で、祐巳ちゃんがイタリアから送ったエアメールでの失敗を意識しています。
    さて、この件についての顛末を以下、整理しました。

    祥子さまのお家は、お祖母さまが亡くなった(「パラソル」の巻)ので喪中。なので祐巳ちゃんは、祥子さまへの年賀状を遠慮していました。
    12/24日ミサの直前、お聖堂内: 祥子さまはお祖母さまのことを思って、むしろ祐巳の年賀状が欲しいと申し出。(「未来の白地図」p87〜p88)
    明けて元旦、祐巳ちゃんの自宅: 祐巳ちゃんは、お姉さまに新年のご挨拶する前に、年賀状がちゃんと届いているか心配。(「くもりガラス」p49)
    翌日1/2日、小笠原邸: 祐巳ちゃんは、祥子さまから年賀状が届いていたことが伝えられ、嬉しくなる。(「くもりガラス」p80)

    さて、祐巳ちゃんはいつ祥子さまに年賀状を出したのでしょう?
    私の考えでは、クリスマスパーティーの翌日の朝にはポストに入れたと考えます。
    ワトソン様のTTによると、祥子さまもまたこの日に、新年会の招待状を出しています。祥子さまが山百合会の新年会を思いついたのは、おそらくイヴの夜だったでしょう。
    その一方で祐巳ちゃんもクリスマスの日、瞳子ちゃんにスールをごめんなさいされたぐちゃぐちゃの頭で、祥子さまに年賀状を書いたと思えます。
    その状態で、年賀状のことなどよく覚えていたと感心しますが、そういう義理堅さもまた、祐巳ちゃんの特質かと思います。いずれにしても、祥子さまに何らかのメッセージを書くことは、祐巳ちゃんにとって大きな心の慰めとなったことでしょう。
     
    -2- No.777 【Re: 更新報告】 投稿者 : 管理人(ワトソン) : 2006/04/12 21:20
    イタリアから送ったエアメールでの失敗
    なるほど〜、これとリンクしていることには気付きませんでした。
    元旦に届くかどうか心配になるというのは、いったい何日に投函したのか。
    でも、これはひとによって違いますね。祐巳の場合はどちらかというと心配性の傾向がありそうです。
    由乃さんだったら30日ごろでも「たぶん届くでしょ」と安心してそう。
     
    -3- No.778 【Re: 更新報告】 投稿者 : でるもんた・いいじま : 2006/04/13 23:08
    イタリアからのエアメールですが、「実は静さまは、祐巳から預かったあと、わざと遅く着くように船便を指定した」って勘ぐりたくなります。イタリアの郵便事情はあまりよくないとも聞きますし。

    まあ、その絵葉書には既に切手が貼ってあったので、上記は単なる私の妄想ですが。
     
    -4- No.782 【素晴らしい】 投稿者 : いわし : 2006/04/20 11:39
    TTがあるとクロスオーバーが分かりやすくていいですね。
    黄色い糸統合時には例の二つの出来事、どっちを先に書けば…
    って分からな過ぎて逆に悩みませんね

    個人的には掲示板携帯仕様がどんどん進化しているのも嬉しいです
    シンプルかつ使い易くなってまた格好良くなりましたね。
     
    -5- No.783 【Re: 更新報告】 投稿者 : 管理人(ワトソン) : 2006/04/21 00:35
    黄色い糸統合時には
    おそらく次の短編集(とは限らないかも)ですから、まだまだ先のことになりそうです。
    (次の文庫が短編集ということはないと予想・・・希望(?)してます)

    掲示板携帯仕様がどんどん進化
    あ、使っていただけましたか。
    けっこういい感じになりましたでしょ(笑)。
    ようやく携帯からでも削除できるようになりましたよ。
     
     
    No.753 【マリみて=詰め将棋】 投稿者 : でるもんた・いいじま : 2006/04/06 10:47
    『くもりガラスの向こう側』ネタバレスレッドの <#744> で、私は現状を将棋にたとえて説明しました。その前の『未来の白地図』でも、冬紫晴さんから、「駒が足りない」という発言がありました <#683>

    考えてみればマリみてって、恣意的な設定を極力排して、重要事項は既存事実の積み重ねからの演繹で導き出す、という、フィクションの作り方としては割と珍しいスタイルを徹底しているのですよね。

    それで気づいたのですが、マリみての物語全体が、「銀杏の中の桜」の続編を書くための壮大な詰め将棋だということに気づきました。

    これについて語ってみようかと思います。

    【お願い】当分の間、新刊『くもりガラスの向こう側』のネタバレは、極力ご遠慮ください。
     
    -1- No.754 【Re: マリみて=詰め将棋】 投稿者 : でるもんた・いいじま : 2006/04/06 10:48
    ご承知のように、まず最初に出たのは、後に「銀杏の中の桜」と題されることになる読みきりです。
    そこで普通の人が考えるのは、続編を書けないかということです。つまり「ロザリオの滴」です。

    しかし、これを書こうとすると、どんなシナリオを作るにしても不自然さが出てくることが分かります。

    まず、乃梨子を山百合会に引き込むか否か。両方の可能性を検討してみましょう。

    (1)
    まず、「引き込まない」という可能性から。

    そうすると、公人、「学園のアイドル」である志摩子が「特定の一年生」と親しくすることになり、周囲の視線が厳しくなります。

    そうなれば、志摩子が白薔薇さまを退位するという選択肢が自然と出てきます。実際、そういうタイプの選択をするケースは、フィクションでも現実世界でも珍しくありません。

    しかし、志摩子が退位したとすると、話し相手は本当に乃梨子一人だけになってしまいます。「フツーの女の子に戻ります」と宣言しても、戻るべき「フツーの女の子」だった時代がないからです。
    ※「銀杏の中の桜」に祐巳・由乃・蔦子は出てきていないことに注意。また、文庫版では卒業生の中には志摩子の身の上を知っている人(聖?)がいることになっていますが、雑誌版のバス停のシーンでは、学校関係者は誰も知らないと語っています。

    そうすると、志摩子が乃梨子と二人だけの世界に閉じこもってしまう危険性をはらんでいます。それでは、話を進めるのが難しくなります。

    (2)
    つぎに、乃梨子を山百合会に引き込むという可能性について。実際にはこちらになったわけですね。

    とすると、宗教裁判で敵味方に分かれた祥子や令と、乃梨子が和解する機会が必要です。
    (実際には、祥子も乃梨子も、どちらも志摩子のことを大切に思っている、というコマを先に用意しておくことで、あっさり解決しました。)

    また、志摩子が「銀杏の中の桜」では乃梨子にロザリオを渡さない判断をしたことについて、合理的な裏づけと、さらにそれを撤回する理由が必要です。あっさりロザリオを渡してしまっては、ストーリーが進みません。
    (実際には、前段は「ロザリオを渡すと乃梨子につぼみとしての負荷がかかるから」、後段は「3年生から圧力がかかったから」という結論になりました。これらのシナリオを準備しておくのが、前段については「黄薔薇革命」、後段については無印です。)

    さらに乃梨子は、しっかり勉強してトップクラスの大学を目指す、と宣言しています。とすると、「山百合会の仕事をしていては勉強に打ち込めない」という言い訳が通っては困ります。
    というわけで、これらを両立させた先例があると有利です。
    具体的には、柏木優と水野蓉子ですね。
     
    -2- No.755 【Re: マリみて=詰め将棋】 投稿者 : でるもんた・いいじま : 2006/04/06 10:49
    そして、どちらのシナリオを選ぶにしても、志摩子が中学入学からの「失われた4年間」を取り戻すことが必要です。志摩子をひたすら介護する乃梨子、という設定では痛々しすぎます。

    かといっていきなり志摩子が、クラスメイトとテレビタレントなりファッションなりの話題で盛り上がるのも違和感があります。
    (『くもりガラスの向こう側』から2箇所、志摩子父が志摩子を想う気持ちの部分と、クロスワードパズルで祥子が分からなかった設問を参照。)

    そこで、祐巳や蔦子という人物をあらかじめ作っておくことで、4年間は失われてなどいなかった、という形で片付けることができました。

    もうひとつ、「銀杏の中の桜」で出した瞳子の処遇という問題も出てきます。これについてはのちほど。
     
    -3- No.758 【Re: マリみて=詰め将棋】 投稿者 : でるもんた・いいじま : 2006/04/07 08:44
    「銀杏の中の桜」で仲人役として出してしまった瞳子の処遇ですが、マリア祭のあとですぐに瞳子が誰かの妹になるという選択肢は考えにくいものがあります。令や祥子が受け入れてしまったら、単なる論功行賞になってしまいます。

    その可能性をきっぱりと否定したのが、令の妹という線については『黄薔薇革命』です。一方で『黄薔薇革命』は、瞳子が祥子の妹になるシナリオを用意する形にもなっていて、それゆえに「レイニーブルー」〜『パラソルをさして』をああいう形で書くことができたわけです。

    由乃の妹という可能性は、1年目で作り上げられた由乃の性格からして考えにくいです。

    で、結局残ったのは「祐巳の妹」という可能性と、「誰か新キャラを出して、その人と姉妹にする」という可能性。結局、延々と引きずって、後者の可能性を否定したのは『特別でないただの一日』〜「ジョアナ」になってしまいました。
     
    -4- No.759 【Re: マリみて=詰め将棋】 投稿者 : でるもんた・いいじま : 2006/04/07 09:17
    次に、時間を「無印」から順番に追っていきます。


    (1)無印
    まず、外圧をかけて志摩子から乃梨子にロザリオを渡させる、という事態の先例は、無印で蓉子が祥子に圧力をかけることで実現しました。

    その「圧力をかける」ための手段としては、優という婚約者を持ってくるのが「ありがちな話」で簡便です。もちろん、他にも方法はあったと思いますが。

    無印の時点ではまだ、無印までで、あるいはあと数冊と「銀杏の中の桜」再録でシリーズが打ち切りになってもかまわない、あるいは『夢の宮』のように1冊読みきりタイプでもよさそう、という意図が見受けられます。

    祐巳はここで出てきたわけですが、瞳子の姉になる可能性を、最終的に実現させるかどうかは別として、残しておかなければなりません。そこで、半年間で急成長するという形になりました。テレビアニメ版『美少女戦士セーラームーン』シリーズに似ているようにも思います。
    (セーラームーンをご存じない方は、最初の2年間を全部追いかけるのは大変ですから、『映画版 美少女戦士セーラームーンR』(61分)だけでもご覧になってください。ちなみにこの作品、英訳版には「Promise of the Rose」という副題がついています。)


    (2)『黄薔薇革命』
    薔薇さまは、その妹であっても何がしかの負担がかかる、つぼみは花を咲かせることが期待されている、ということを明示した作品です。これによって、志摩子が乃梨子にロザリオを渡すことをためらう理由ができますし、無印でゴールインした祥子と祐巳が将来仲違いするシーン(=「レイニーブルー」)のための材料も提供できます。

    なお、この巻のラストシーンは、元気になった由乃が念願かなって令と肩を並べて歩くシーン(これは「チャオ ソレッラ!」でやっと出てくる)ではなく、祥子と祐巳のシーンです。このあたりから、シリーズ化が規定路線になった、と考えるべきでしょう。


    (3)「白き花びら」
    <#754> で、志摩子が白薔薇さまを退位した場合に
    志摩子が乃梨子と二人だけの世界に閉じこもってしまう危険性をはらんでいます。
    と書きました。それを完全に封じたのが「白き花びら」です。

    ここまででやっと、「ロザリオの滴」の方向性がひとつに固まりました。

    なお、「白き花びら」を含む『いばらの森』一冊の副産物が、薔薇さまが生徒指導室に呼び出されるという「黄薔薇まっしぐら」と、聖と志摩子はよく似た精神構造の持ち主だ、という設定です。


    (4)「ロサ・カニーナ」
    これは、静という「志摩子相手に割と自由に動ける駒」をひとつ確保するのと、聖と志摩子の関係を詰めていくという意図で書かれたものでしょう。


    (5)〜(7)『ウァレンティーヌスの贈り物・前後編』『いとしき歳月・前編』
    このへんは、書き方にかなり高い自由度があります。しかし、今の形に作ったことから、「片手だけつないで」までが割と自然な形に構成されました。


    (8)『いとしき歳月・後編』
    「will」では、聖については、無印から育ててきた祐巳の設定が活きた形になりました。一方で蓉子については、乃梨子が山百合会と大学受験を両立させるための布石になっているように思います。「いつしか年も」での「蓉子=努力家」という描写も、蓉子を乃梨子と重ね合わせるためのように思います。


    以上が揃って、やっと「ロザリオの滴」を出すことができました。副産物として「レイニーブルー」『パラソルをさして』も出ました。

    だから、その次の『子羊たちの休暇』が駄作(だと個人的には思う。特に後半)なのは、駒切れなのに無理に物語を作ろうとしたから、だと思います。
     
    -5- No.766 【Re: マリみて=詰め将棋】 投稿者 : 管理人(ワトソン) : 2006/04/08 17:20
    マリみての前半は「銀杏の中の桜」へ向かう物語だとすると、後半は「瞳子ちゃんと祐巳が姉妹になる話」への物語なのだと思います。
    ただ、それはマリみての重要な要素ではありますが、すべてではないでしょう。
    もうひとつの側面として、私は「マリみてはリリアン女学園の物語」なのだと思っています。
    夢の宮シリーズが「夢の宮」の物語であるのと似ています。
    マリみてから「祐巳と祥子さま」の部分を外してみるとそんな感じがしてきます。

    本当なら最近のコバルトに掲載されたようなリリアンの一般生徒の物語や、さーこさまのような時代を変えた物語の連作にしたかったのかもしれません。ただ、祐巳と瞳子ちゃんがなかなか姉妹になってくれないので(作者もそう思っているのではないかと想像しています)話が長引いてしまっている・・・のかも。
    まあ、想像ですが。
     
    -6- No.772 【Re: マリみて=詰め将棋】 投稿者 : でるもんた・いいじま : 2006/04/10 20:18
    本当なら最近のコバルトに掲載されたようなリリアンの一般生徒の物語や、さーこさまのような時代を変えた物語の連作にしたかったのかもしれません。

    そうですね。無印あたりではまだ、そういう作り方にする可能性を十分残していたと思います。令や由乃は作り込んでいませんし、志摩子のダークサイド(?)は微塵も見せていませんし、三薔薇さまにいたっては名前がありませんし(笑)

    「黄薔薇革命」「ロサ・カニーナ」あたりですかね、「銀杏の中の桜」に向けて一直線の方向性が確定したのは。こうして後から振り返ってみると、『黄薔薇革命』という1冊が、後々への束縛力の非常に強い作品だったんだな、と実感します。
     
    -7- No.774 【Re: マリみて=詰め将棋】 投稿者 : 黒両 : 2006/04/10 22:24
     BBSでは、初めまして。黒両です。乱入をお許し頂きたいと思います。

    でるもんた・いいじま 様
     お説に同感するところが多々あります。
     私は、「銀杏の中の桜」に至る8冊の文庫は、いかにして雑誌版「マリア様がみてる」の状況に至ったかをできるだけ無理なく説明するためのものではなかったかと思っております。この間の事情をでるもんた・いいじま様は詰め将棋と称されているのでしょう。確かに、ある状況が成立するための妥当な条件を次々に提示していって違和感を持たせず、必然的にその状況になった、と読者に思わせるように作られているところは、確かに詰め将棋を思わせるものがあります。
     その状況とは、
    ・志摩子は中等部から家のことを隠し、悩んでいた
    ・志摩子が二年生でありながら薔薇さまとなっている
    ・長い髪の紅薔薇とかなり短めの髪の黄薔薇がいる
    ・紅薔薇、黄薔薇は志摩子のためと思って宗教裁判を仕掛け、瞳子はその協力者となる
    ・関係した人物は志摩子に悪意を持っているわけではない
    などなどですが、作者自身が言うように雑誌版は原点みたいなものでしょうから、8冊の文庫は前史のようなものといえるかもしれません。この前史の中で、紛れそうな手を潰し、必然の応酬であったと読者に思わせることが狙いであったようですから、このころのストーリーの高評価を思えば、それには成功しているものと思います。
     ストーリーの流れでは後から登場したことになる乃梨子が、蓉子のように成績優秀であったり、かつての聖のように周囲になじめず違和感を持ったりしますが、初期乃梨子から蓉子や聖のキャラクターがつくられたのかもしれないと考えると、そこにおける人物についても、志摩子、乃梨子、瞳子たちを再構成したようなイメージとなるのは、当然のようにも思えます。最近では、瞳子にかつての聖の属性が加えられたようにもみえておりますが…。
     こちらの記事に書き込むのは適当ではないのかもしれませんが、最近の状況を将棋っぽく例えれば、「未来の白地図」は、祐巳は、戦機が熟していないうえに、無理筋であるのにもかかわらず、仕掛けてみたものの、やはりその無理をとがめられて撤退を余儀なくされたところ。新刊は、撤退はしたが、自分の戦意が旺盛なのを確かめ、駒不足だろうが、駒組みが終わってなかろうが、周囲の助力も受けて、なんとかして手を作ろうと決意しているところでしょうか(助言は本当の将棋では違反ですが、あくまで例えです。それに柏木には頼ろうとしませんでしたし)。もうひとつ、瞳子の状況について、新刊を読んで、祥子との婚約解消を前提に柏木と瞳子が婚約するとかだったら嫌だななどと考えてしまいました。これだと、指し掛けの一局を持将棋とする前に、新たな対局を組んでしまうような感じでしょうか。

    ワトソン様
    マリみての重要な要素ではありますが、すべてではないでしょう。
     ワトソン様が書かれたことに同感であります。
     誰と誰が姉妹になるかは重要ではありましょうが、この作品がそれだけに終始するお話であれば、これほどに人を引きつけることもなかったものと思います。私はそのように思いながら読み、瞳子の姉が祐巳であろうとなかろうと、下世話に言えばどうくっつこうが別れようが、そのことも学園の中で様々に起きている人間模様の一つと見て、作品を楽しむことにしております。
     リリアン女学園高等部というこれほど魅力的な舞台を、祐巳と祥子の物語に押し込めては、それこそあまりにも「MOTTAINAI」です。リリアン女学園高等部を舞台に、群像劇として描かれる「リリアン年代記(クロニクル)」は、私にはとても魅力的なものに思われます。ただ、期待したくはなるのですが、既に「夢の宮」があるので、作者はそのような作品としては書かないだろうと予想できるのが残念なところです。そのかわりに、読者の中では少数派かもしれませんが、これまで書かれている本編登場人物と切り離しての物語が展開される「シェアードワールド・リリアン」もなかなか魅力的ではないかなどと思ってしまいます。
     
    -8- No.784 【Re: マリみて=詰め将棋】 投稿者 : 冬紫晴博士 : 2006/04/21 00:53 :
    ごきげんよう ご無沙汰しておりました
    冬紫晴 あらため 冬紫晴博士でございます
    学位取得によりクラスチェンジいたしました(謎)

    言い出しっぺの初乱入でございます
    今は一身上の都合によりあまり細かいところまで言及できませんが とりあえず気づいたところだけでも参加させていただきます

    まず、「マリみて」を詰め将棋、あるいは将棋として考えるとき、いくつか当てはめ方があります。
    1)対局者を「作者」対「作品の落としどころ」と見立て、登場キャラクターを駒とするもの
    でるもんた・いいじまさまの <#753> から <#759> は、この見方になるでしょう。
    私が最初に話題にしたときは、これだけでなく、もう一つの見方が混じってしまっていて曖昧になっていました。
    作者が物語を作る上で、作品を練り、詰めるための要素……「駒」としての物語として、コバルト誌上のここ最近の幾つものスールに関するエピソードが作られているのは、そのための駒の配置、地固めではなかろうか、だから「白地図」の次が短編集になってもいいのでは、というコトを書いたと思います。

    もう一つの見方がこれです
    2)対局者を「或るキャラクター」対「別のキャラクター」として、当事者の持つ様々な情報・想い・事柄を駒と見立てるもの
    <#744> の黒両さまの、「祐巳がいかにして瞳子を妹にするか」の喩えで使われた方法ですね。この場合、当事者以外のキャラクターは助言者であると同時に、それぞれの対局者の駒としても機能しましょう。ただ、勝手に動きますが……ああ、そうだ、シミュレーションゲームのNPCだ。駒と同様のことをするけれど、それぞれが独自に動くという、自分が動かせない盤上の駒。

    もう少し話が展開できそうなんですが 今はこれが限界です スミマセン

    それから、桂さんもまだまだ「捨てられた駒」とは言えない気がしています。「三つ葉のクローバー」で思いがけない形で登場し、これまでにない魅力を放った人物に、田沼ちさとさんがいます。由乃さんと所属クラブが同じ、ということでほんの少し出番はありましたが、短編では重要な脇役として登場し、目を奪われました。
    桂さんにも、スールに関しては「will」(「いとしき〜後編」)に面白いエピソードが載っています。このお話を短編で読みたいんですよ、私は。もしかしたら、「同じ先輩に憧れる同士」としてくっついたスールなのかもしれないとか……そんでもってテニス部の元副部長は、まず桂さんのお姉さまにラケットを渡そうとして、でも「私は2年間一緒にいられたのだから、あとの1年分一緒にいられなかった妹に」とか言って辞退していたり云々……きゃ〜〜!!(あほじゃ)

    ま、まあ、とにかく読みたいのです、このエピソードは。

    あと「子羊たちの休暇」について、あれはこう……柏木をどうするかとか、瞳子ちゃんをどうするかとか、祥子はどうやって自信をつけていけばいいのかとか……そんな見方をすると細かな部分で発見があるかもしれない、そんな気がしています。
     
    -9- No.785 【Re: マリみて=詰め将棋】 投稿者 : 管理人(ワトソン) : 2006/04/22 23:48
    冬紫晴博士さま
    学位取得によりクラスチェンジいたしました
    おめでとうございます(でいいのかな)。

    「三つ葉のクローバー」
    私は「構想段階では桂さんが登場する予定だった」と予想しています。
    わざわざテニス部にする意味はありませんし(まあ、テニス部というのは無難なところだとは思いますが)。
    ストーリーを練っているうちに出番が無くなってしまったとか(笑)。
    案外本編でもそういう理由で登場の機会を失っているのかも。
     
    -10- No.787 【Re: マリみて=詰め将棋】 投稿者 : 冬紫晴博士 : 2006/04/24 02:55 :
    おめでとうございます

    ありがとうございます

    私は「構想段階では桂さんが登場する予定だった」と予想しています。
    わざわざテニス部にする意味はありませんし(まあ、テニス部というのは無難なところだとは思いますが)。
    ストーリーを練っているうちに出番が無くなってしまったとか(笑)。
    案外本編でもそういう理由で登場の機会を失っているのかも。

    駒で言うと「歩」ってことでしょうか……重要な役割を持っているにもかかわらず 交換に使われやすいっていう……
    不憫……(;_;)

    というより よい意味でクセが無さ過ぎるのでしょうね

    桂さんは「黄薔薇革命」の時にその流れに乗らなかった人の一人でしたっけ?
    そうだとするとやはり 「三つ葉のクローバー」の登場人物としては活躍の場がない感じがしますね

    まあ だからこそ田沼さんだったわけで
    で 田沼さん出したらそれで規定枚数いっぱいになってしまったと……
    田沼さんも実はクセがありますからね〜 アニメ版の話で恐縮ですが 飛び抜けて出来がよかったと思っている「黄薔薇注意報」で、ショートカットの田沼さんが出てきたとき
    ほんとに魅力的だなとか思ってました 「令さまを追いかけてきた」という割に剣道に結構ハマってますし
    その裏にあったエピソードだとすると本当に面白い

    ……で テニス部で活躍中のはずの桂さんの出番がなくなったと
    ……ありそう

    たとえそうだとしても 結構皆さん忘れていない登場人物ですし 面白そうなお話もあるし
    本編で隙間を作れなかったら短編で書いてほしぃな〜 などど
    「その他大勢」的な人物が活躍しにくい というのは ある意味では弱点かもしれませんし
    祐巳が「薔薇さま」になっていけばいくほど 実は同級生の友人というのは重要になってくると思いますし
    物語の上でなくてもね
     
    -11- No.799 【Amazonに投稿しました】 投稿者 : でるもんた・いいじま : 2006/04/28 11:00
    このスレッドで問題提起した点について、Amazon.co.jpに投稿しました。
    『レイニーブルー』の書評という形です。

    http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4086000784/
    すべては「ロザリオの滴」のために, 2006/4/19

    ●「レイニー止め」現象の正体
    表題作「レイニーブルー」が非常に憂鬱な展開である、という事前情報を得ていたので、解決編である『パラソルをさして』から先に読んでしまったのだが、実際にこちらに立ち戻って読んでみると、事前に予想していたほどの暗い話ではなかった。この時期にファンになった人たちがさかんに「レイニー止め」などと騒いでいたのは単に、本作がシリーズ史上初めて、暗い展開を1冊の中で解決させなかった、ただそれだけの話ではないだろうか。

    ●キモは「ロザリオの滴」
    さて、表題作ばかりが注目されがちなこの1冊であるが、実はキモは冒頭の「ロザリオの滴」にある。ストーリーラインだけを追っていけばなんということのない同作ではあるが、実は作者は、本作を今の形にまとめるために、多大な苦労をしてきたのである。

    周知のように、前作『チェリーブロッサム』所収の「銀杏の中の桜」が、マリみての原点である。そこで志摩子はいったん、乃梨子にロザリオを渡さないという判断をしている。誠実な志摩子は、それを撤回するのか、しないのか? ロザリオを渡したとして、それは乃梨子にとってどういう意味を持つのか? 志摩子と乃梨子が山百合会を離れて二人だけの世界に閉じこもってしまう危険性はないのか? 志摩子は中等部入学からの「失われた4年間」をどうやって取り戻すのか? ――これらの問題について、可能性を1つに絞るために、1年目シリーズ(無印から『いとしき歳月・後編』までの8冊)が作られてきたといっても過言ではない。

    ●でも、ストーリーは一本道
    ただ、ストーリーは割と一本道だ。おいしいところを先につまみ食いしたいという人は、続巻『真夏の一ページ』『涼風さつさつ』『特別でないただの一日』あたりに先に手を出してもいいのではないだろうか。
     
     
    No.798 【薔薇の館の平面図】 投稿者 : でるもんた・いいじま : 2006/04/28 07:33
    以前どこかに、薔薇の館の平面図があったと思うのですが、消失してしまいましたので、知り合いの建築デザイナーに『プレミアムブック』の該当ページを見せて再現していただきました。
    http://www.dennougedougakkai-ndd.org/~delmonta/logbuch/060428a-rosenhaus/
    ぜひご活用(何にじゃ)いただければと思います。
     
    -1- No.800 【Re: 薔薇の館の平面図】 投稿者 : 管理人(ワトソン) : 2006/04/29 17:42
    以前どこかに
    以前は、マリみてDBさんのところにありました。

    アニメになった時「原作を読んで想像していたのとほぼ同じ」と感じたことを覚えていますが、けっこうムリがありますよね。廊下はもっと狭いと思っていました(すれ違うのが難しいくらいではなかったでしょうか)。
    アニメの設定では、窓の配置等、外観と中の様子で微妙に変です。キッチン(流し台)の配置も無理があります。
    ただ、一階の物置部屋に関する記述は原作にも小説にもほとんどありません。
    聖さまの弁当箱が紛失したり、去年のクリスマス飾りが発掘されたりと、一筋縄ではいかない部屋っぽいですが(笑)、演劇の立ち稽古ができる空きスペースがある(薔薇の館の中で)もっとも広い部屋であることも確かです。
    階段下のデッドスペースも気になるところです。
    いまは単なるデッドスペースですが「かつては何かがあった」と想像してみたいところです。
     
    -2- No.801 【無題】 投稿者 : でるもんた・いいじま : 2006/04/30 23:25
    そうですね。

    廊下については、該当の記述がどこにあったのか思い出せないのですが、階段を上って2回右折した位置、つまりビスケット扉から行き止まりに到る線線は、扉を有しているということから、1200mmは欲しいところです。

    すれちがうのが難しいとすれば、階段から1回右折すなわち隠し部屋の上、もしくは、荷物を持ちながら階段の上り下りの最中、と考えるとつじつまが合いますね。
     
     
    No.804 【「留意事項」の「禁止事項」について】 投稿者 : 管理人(ワトソン) : 2006/05/09 23:27
    こんにちは。

    すでにご存知のかたも多いと思いますが、このサイトを開設するきっかけになった「マリみてDB」さんの掲示板に、こちらと同じ掲示板CGIを採用していただきました。
    私にとっては一般公開前CGIの臨床試験(笑)に協力していただいているような感じです(笑)。
    そちらで「掲示板の留意事項」についてちょっと話題になりましたので、こちらでも管理者としての見解を述べたいと思います。

    「留意事項」の中の「禁止事項」は、ぶっちゃけ「予防線を張る」のが目的です(笑)。
    ほとんどは断るまでもなく当たり前のことでしょう。
    微妙なのは「選挙運動、政治活動、宗教活動、またはそれらに関係する勧誘等の投稿は禁止」のところだと思いますが、これに関しても「そういう意図でこの掲示板を利用しないでください」という意味であって、文章がたまたま「そうともとれる」に過ぎない(つまり投稿者にそういう意図は無い)場合は問題ありません。

    実は最初の試案ではもっとたくさんの禁止事項があったのですが(マルチポストとか)、やはり掲示板は自由に発言できる場であることが理想ですので、最初からこと細かに書き連ねるのもなんだか堅苦しくなるだけですので思い切って減らしました(それでも、けっこう堅苦しい内容になってしまいましたが)。

    というわけですので、みなさまにはこれまで同様、お気軽にご利用くださいますよう、よろしくお願いします。
    - CGI Scripted by Watoson -
    - アイコン提供:「DMF 素材屋」 -