過去ログ[13]

     
     
    No.825 【新刊「仮面のアクトレス」】 投稿者 : 管理人(ワトソン) : 2006/06/30 17:54
    無事、新刊「仮面のアクトレス」を発売日購入しました。

    ネタばれ用のスレッドを立てておきますので感想等の書き込みにはこちらをご利用くださいませ。

    ネタばれモードを解除しました。
    追加:2006/07/25 03:20
     
    -1- No.826 【Re: 新刊「仮面のアクトレス」】 投稿者 : 管理人(ワトソン) : 2006/06/30 18:13
    感想ではありませんが、最初に気になったのは「由乃さん視点で『私』が一人称」なのは初めてだと思います。
    それと、表紙イラストはフェイントでしたね(内容と関係ない(笑))。
     
    -2- No.827 【まず一つ!まず一つ!】 投稿者 : 冬紫晴博士 : 2006/06/30 21:56 :
    ごきげんにょほ(おちつけ)

    まず、まず一つ言わせて!

    Pp.112-113
    挿絵+「……由乃さんの、そういうところ好き」

    ……

    (鼻血)

    志摩子さぁぁぁぁぁん(卒倒)
     
    -3- No.828 【Re: 新刊「仮面のアクトレス」】 投稿者 : 韓子音 : 2006/06/30 23:44
    ごきげんよう

    まず、冬紫晴さまに、まったく同感!!
    タンポポの綿毛のような志摩子さん。素敵です・・・。

    そして、黄薔薇姉妹・紅薔薇姉妹・白薔薇姉妹のからみ。
    それぞれに暖かさを感じ、また素敵でした・・・。

    実に満足といっておきます。
    興奮が収まるころに、またもう一度感想を書かせていただきますw。
     
    -4- No.829 【Re: 新刊「仮面のアクトレス」】 投稿者 : 深月 光 : 2006/07/01 00:03 :
    ごきげんよう。
    私も乗っからせてください。

    志摩子さんの突然の告白に一同ビックリ。読者もビックリ。
    あの破壊力は凄まじかったです!
     
    -5- No.830 【雑感】 投稿者 : でるもんた・いいじま : 2006/07/02 15:04
    本日やっと読了しました。とりあえず通読したのは1回だけですが、気付いた点をいくつか。

    1.プロローグは祐巳視点とは言い切れないです。「面」とは瞳子の仮面だけでなく、令が被っている剣道の面のこともさすからです。「黄薔薇、真剣勝負」でなぜ令は菜々相手にあそこまで本気になったのかを考えてみればすぐわかります。

    2.令さま、わざわざ短い竹刀を持ってきたのに、菜々相手に突きはないでしょう(笑)
    安全のため、中学生以下では突きは禁じ手になっています。

    3.瞳子と乃梨子のぶつかりあいが、蓉子と聖のぶつかりあいを彷彿とさせます。ただ、まだ乃梨子の押しが甘い感じが強いですね。

    4.本質は一つ、という発言が飛び出しました。やはり、母親との間になにかあるようです。
    瞳子の母親は今回、職員室に上履きを届けました。普通、そんな配慮をする親はいませんよね。子どもが恥ずかしがるからというよりむしろ、本人と会うのを意図的に避けている印象です。
    家出事件のあと寝込んでしまった話といい、やはり何かありそうです。祐巳が拒絶されたのも、祐巳と母親が重なったからだとすればつじつまは合います。

    5.「素顔のひととき」は祥子視点です! しかも、以前にいちどだけ祥子視点だった「紅薔薇のつぼみの不在」のようなとげとげしさがほとんどありません。ぎくしゃくした感じはまだありますが、やっと一皮むけたかな、と思います。
    前巻あたりから祥子や令の顔がずいぶん穏和になってきたのも見逃せない特徴でしょう。

    取り急ぎ、こんなところで。
     
    -6- No.831 【Re: 新刊「仮面のアクトレス」】 投稿者 : 管理人(ワトソン) : 2006/07/02 17:26
    でるもんた・いいじまさま
    プロローグは祐巳視点とは言い切れないです
    そうなんです。
    ですから「視点のページ」では「祐巳?」としました。
    「面」といわれれば「剣道の面」を思い出しますが、「顔に似せて作られた被り物」といわれると???って感じで(笑)。
    「黄薔薇、真剣勝負」を読み終えた段階では「菜々ちゃん視点?」という感じはするんです。その場合「あの人」とは令さまのことですね。
    ですが、「仮面のアクトレス」まで読み終えると、瞳子ちゃんのことをいってるように思えて来ます。
    その場合、祐巳視点か、あるいは乃梨子ちゃん視点とも考えられます。
    おそらく、わざと「どちらともとれるように」書かれているのだと思いますが。

    中学生以下では突きは禁じ手
    私もそう思っていたので「あれ?」と思ったのですが、剣道には詳しくないのでツッコミはさけました。
    もしかしたら、学校の部活動と一般の道場では違うのかも・・・とか。
     
    -7- No.832 【菜々視点?】 投稿者 : でるもんた・いいじま : 2006/07/02 20:58
    うーん、私はプロローグは菜々視点とはとりませんでした。
    菜々は令と対戦したい理由を自分で分析できていないと言っていますから、「令の考えていることが菜々には分からない」という以前に、菜々は自分の考えていることすら言葉にならないという状態です。それは対戦終了後にも簡単に答えの出るものではないでしょう。
    「あの人」が令なのは自明ですが、むしろ、菜々をいたぶり(?)続ける令の真意が由乃には分からない、ととりました。

    また、「素顔のひととき」で令は「素面」という言葉を出しています。ここでは、面を脱いだのは令で、それと相対するのは祥子です。つまり、プロローグは祥子視点にもなりうるのです。

    というか、プロローグは3本のエピソードすべてに直接つながるように、ああいう形になったのでしょうね。
     
    -8- No.833 【Re: 新刊「仮面のアクトレス」】 投稿者 : 管理人(ワトソン) : 2006/07/02 22:18
    でるもんた・いいじまさま
    私はプロローグは菜々視点とはとりませんでした
    なるほど。
    いろいろな解釈が可能な書き方になってますので、私にもけっきょくはわからないのです。
    あとで、視点のページにも補足を追加しようと思います。
    (もうしわけありませんが、その「補足の文章」は携帯からのアクセス時には表示されません。字数節約のためです)
     
    -9- No.834 【作者視点?】 投稿者 : でるもんた・いいじま : 2006/07/03 04:03
    ふと視点をかえてみました。このプロローグは読者に対する作者の説愉なのではないかと。

    人は誰でも他人の前では仮面(ペルソナ…personの語源)を被るものです。相手が誰なのかによって言動をごく当たり前に演じ分けます。
    だから、この部分は作者視点という読み方もありかな、と。

    だけど瞳子の場合は、特に母親との間でうまく仮面を被った人間関係を築くことができなかったのではないか、ということが、今までに引用された作品(小公女・若草物語)や今回の忘れ物騒動から窺い知れるので、メイン作品のタイトルに「仮面」の言葉を入れたのでしょう。

    …それにしても、作者はまた祐巳-瞳子問題のハードルを高くしてしまいました。
    瞳子は演説会で世襲制反対を訴えています。ところが、瞳子が紅薔薇のつぼみになってしまうと、さらに1年後の選挙のときに、世襲制反対論者だったはずの人が薔薇さまを世襲する、という自己矛盾に陥ります。
    さて、どうなるものか…

    お手数をおかけしました。
    追加:2006/07/14 11:48
    管理者コメント
    かってながら誤字部分はまとめて修正しました。
     
    -10- No.835 【Re: 新刊「仮面のアクトレス」】 投稿者 : 管理人(ワトソン) : 2006/07/04 00:11
    作者視点という読み方もありかな
    それはありと思います。
    マリみてのキャラ視点は、作者がキャラに憑依している感じの場合があるので、作者視点の要素はあるでしょう。
    ただ、一人称の「私」が使われているので不確定キャラと見るのが正しい感じもしてます。

    世襲制反対論者だったはずの人が
    今回の瞳子ちゃんは「対立候補としてもっともらしいキャラを演じている」だけですので、本人は世襲制に反対してはいません。
    今後どうなるかはわかりませんが、仮面を脱いでつぼみになるとするならば「今までの自分が真実でない」こともおおやけにする必要がありそうな気もします。
    って、ずいぶん先のことを心配するのもちょっと気が早すぎるような(笑)。
    さすがに瞳子ちゃんが薔薇さまになるまで続きますかね。あ、祐巳の卒業まで続くとすればあり得る話ですね。

    ところで、瞳子ちゃんのお母さん(はっきりとは記述されていませんが、まず確実でしょう)は、どこで祐巳を見たのでしょうね。
    「とりかえばや」を見に来ていたとすれば、そのときだと思いますが、舞台に立つ祐巳を見て見覚えがあるというならば、祐巳のほうに覚えが無いのは当たり前です。
    それ以外というと、体育祭か、まさか「子羊たちの休暇」のときとか?
     
    -11- No.836 【Re: 新刊「仮面のアクトレス」】 投稿者 : 韓子音 : 2006/07/04 01:30
    ごきげんよう

    祐巳と瞳子母との出会い・・・
    子羊のときは瞳子母はカナダに行っていたようなので無しとして、体育祭と学園祭がでたのでそれ以外のところだろうな、と考えています。
    本命が学園祭(劇)、大穴が花寺学園祭のパンダ、裏が瞳子母とみきさんとが知己説。

    ところで、今後の展開ですが、
    今野先生は誰にたねあかしをさせるおつもりでしょうね。
    瞳子の本当の気持ち、瞳子の過去の言動はどこまでが演技か、についての話です。
    乃梨子?祐巳?瞳子本人?
    わざとらしくなく、読者に納得させる方法・・・。腕の見せ所と思って、期待半分不安半分・・・。
     
    -12- No.837 【Re: 新刊「仮面のアクトレス」】 投稿者 : 朱夏 : 2006/07/04 18:31
    ごきげんよう。
    いろいろと見所の多い巻でした。私なりに気付いた点を。

    1)令の自転車は、どのような壊れ方をしたか。(p34)
    おそらく由乃が、門扉の隙間に勢いよく前輪を突っ込んだまま、車体を横倒しにしたと推理します。
    由乃はこの日、自転車を倒す際に素早く飛び降りる練習もしています(p33)。しかしそれが思うように行かず、思いっきり自転車に乗っかって倒したのではないかと。
    こういう転倒をすると前輪のリムが曲がるか、バブ(車軸)がゆがむはずです。フロントフォークのアライメントも狂うので、修正が面倒になります。
    まあフォークのゆがみは直せると思いますが、もしハブの軸受けが壊れていると、フォークごと交換になります。それに、曲がったリムは交換するしかありません。あと転倒した際の音から推測すると、スポークも二三本折れた可能性があります。
    たぶん、門扉にも派手な傷がついたはず。

    それと令は既に、丁寧に乗っていたにしても、そうとうにこの自転車を使い込んでいた様子で、チェーンやスプロケット(歯車のこと)がすり減っていた可能性もあります。
    これを替えるなら、前後のギア、チェーンも総て新品に替えなくてはなりません。ママチャリだと結局、新車を買った方が経済的で安全です。

    2)奈々が七番のロッカーを選んだ理由。(p45)
    単純に、自分の名前が「なな」だったからじゃないでしょうか。
    奈々は、本当は由乃とも竹刀を交えたかった様子。「令さまとの手合わせ」には、「由乃さまとの手合わせ」も含まれていた?

    3)令の「突き」について。(p54)
    中、高校生の剣道では、試合中の「突き」は禁じ手です。即、失格(負け)になります。
    しかし上級者との乱取り稽古の場合、上級者が下級者の足を払ったり、胴を付いて後ろに倒すことがあります。(あくまで片手でですが)
    つまりこのことで、「構え」がしっかり出来ていないことが分かるわけです。
    だから「突き」と言っても、おそらく「決め技の突き」ではなく、令が隙を見て奈々の「胴を押した」と言う程度のはず。つまりその位、令と奈々との技量には差があったと言うことでしょう。
    女の子同士の練習としては、やや荒っぽい指導で感心しませんが、令のように普段から男子と混ざって練習していれば、そう言うこともありえるかと。
    しかし、その手加減無しの指導が生きたからこそ奈々は、最期にはしっかり面を打ち込めるようになったかと思います。
    ちなみに、長い竹刀を振っていた上級者が短い竹刀に持ち替えた場合、下級者はまずそのスピードについて行けないでしょう。
    それにしてもこの試合、「お嫁さんを下さい」と言ってきた男に将来の義父が、「ならばわしを倒して奪ってみよ!」という、スポコン漫画の典型的パターンですね。

    4)瞳子の母は何処で祐巳と会っていたか?(p155)
    おそらく、学園祭の「とりかえばや物語」を見ていたからでしょう。「制服じゃなかったような」という言葉にも符合します。

    5)最期に、相変わらず誤植、記述の間違が多いですね。

    ・「少しずつ強度が上がっても、違和感を感じにくくなるようだし」(p76)
     正しくは「強度が下がっても」だと思います。
    ・「驚いたのは、祐巳だけではい。」
     正しくは「祐巳だけではない。」でしょう。
    ・「もうすぐ卒業してしまうお姉さまに、想像なんてできない」(p149)
     正しくは「相談なんてできない」ではないかと。

    PS.そうそう、選挙管理委員長の「英恵さん」って、何者なんでしょうね?
    今野先生が人名を漢字表記する時、その場限りのキャラではないケースが多いもので……。
     
    -13- No.838 【Re: 新刊「仮面のアクトレス」】 投稿者 : 朱夏 : 2006/07/04 18:36
    重ねての投稿、ごめんなさい。
    今回、いちばん感じたのは、祐巳と瞳子の明暗の差でした。

    祐巳ちゃんは、基本的に煮え切らないうじうじと悩むことの多い性格ですが、ある極限を通り抜けると、突然すぽんと突き抜けてやおら逆転してみせる強さを持っています。
    それは「パラソル」の巻でも見せてくれた祐巳ちゃんの強さであり、最大の長所です。
    令さまは、「志摩子と由乃は静と動だからちょうどいい。(中略)そして、そこに祐巳ちゃんの緩衝材だ。」(p114)と言い切りました。しかし祐巳ちゃんの一番の価値は、仲間がどんなに落ち込んだ時でも、さりげなく発揮する最終防衛セーフティー機能。

    今回の場合も、各所にその様子が見て取れました。特に、選挙結果発表直前の薔薇の館でのお弁当タイムはお見事でした。(p181〜183)明らかに祐巳ちゃんは既に、気持が吹っ切れている。
    しかもそのきっかけを作ってくれたのが、瞳子ちゃんのお母さん(らしい人)のひと言であった訳で、弓子さんのアドバイスと言い、祐巳ちゃんは、「年長者のタイミングの良いひと言」に恵まれている。また、その祐巳ちゃんらしいポジティブさが見られたことが、「仮面のアクトレス」の巻、最大の成果だったと言えましょう。
    それにしても、いくら生徒会長選挙のプレッシャーを比較するためとは言え、「祥子さまの妹は、自分以外いないという自信はある。」(p106)などと言い切るなんて、一年前からすると大違い。

    これに比較して、瞳子ちゃんの暗さは読んでいて正直つらかった。
    何というか、本来強烈なそのエネルギーを何処にも向けることが出来ず、ひたすら内向して行く姿が、光すら閉じこめて縮壊して行くブラックホールを見るようでした。
    そう言う意味で、今回の瞳子ちゃんはまさしく「黒薔薇さま」。……ちなみに、黒バラは、バラの紅い色素が黒変して出来上がります。だから咲いた当初は、鮮やかな紅色なんです。これって、今の瞳子ちゃんの精神状態そのもの!
    瞳子ちゃんの一連の行動は総て、過去の自分への「けじめ」の様に感じられます。
    そう言えば去年の、蟹名静嬢の立候補もある意味、転校するために必要な彼女なりの「けじめ」だったと言えます。だとすれば瞳子ちゃんの行動は、ますますリリアンを離れようとしているとしか思えません。

    さて、今回もう一つ思ったことがあります。
    今野先生としては珍しく、極めて具体的に生徒会長選挙のシステムを解説していること。
    しかも、立候補者三名の立ち会い演説内容がきちんと記述されていること。
    つまり、それだけ祐巳ちゃん世代の薔薇さまが、現実的になってきた現れでしょうね。
    祐巳ちゃん、由乃ちゃん、志摩子さんの仲間意識の再確認も、そのひとつです。
    しかし、ここまで未来のビジョンをはっきり書かれてしまうと、逆に祥子さまの卒業で「マリみて」完結を予感してしまうのは、私だけの杞憂でしょうか。「06年マリみてキャンペーン」が、「店じまいキャンペーン」でないことを祈りたいです。
    もっとも「新・マリア様がみてる」として、いきなり乃梨子世代の薔薇さま物語が始まるのならそれはそれで面白そう。

    それにしても今回、乃梨子視点の多さが目に付きました。
    既にあちこちで言われていることですが、乃梨子と瞳子の会話(p122〜126)からは、かつての蓉子と聖の関係を思い起こします。瞳子ちゃんの「マスタード・タラモ・サラダ・サンド」(p170)は、いかにもな感じ。
    ただ、蓉子と乃梨子が違うのは、乃梨子ちゃんは「友達だったら何でも言わなければならないのかしら」(p124)と言われて、「正論だ。何も言い返せない」と考えて身を引いてしまうところ。
    たぶん蓉子さまだったら、それでも引かなかったでしょう。だからこそ蓉子は、聖にひっぱたかれそうになり、避けようともしなかった。(「片手だけ繋いで」p174)
    たとえ親友といえど、他人の事情には決して踏み入らない姿勢が、いかにも乃梨子らしい。
    それとも、白薔薇と紅薔薇の違いと言うべきか・・・。

    いずれ今回、「くもりガラス」の巻の柏木氏のアドバイスは、全くスルーされてしまいました。
    しかし今回やっと、祐巳ちゃんの気持ちが好転したようなので、いよいよ次回(バレンタイン企画?)には何らかの進展があるかと期待したいところです。
    長々と失礼いたしました。

    立候補者三名の立ち会い演説内容がきちんと記述されている
    「立候補者四名の立ち会い演説内容がきちんと記述されている」の間違いでした。
    ちなみに瞳子ちゃんの演説内容は、若さを強調する以外はすべて、祐巳ちゃんの主張内容を言い換えたに過ぎないように思えます。これは瞳子ちゃんの、祐巳ちゃんへの屈折した賛同だったかも知れません。
    それ故思わず祐巳ちゃんも、つい拍手しそうになったのではないかと。
    追加:2006/07/04 18:56
     
    -14- No.839 【Re: 新刊「仮面のアクトレス」】 投稿者 : Yossy : 2006/07/04 21:18 :
    みなさま、はじめまして。普段はROMさせて頂いていますYossyと申します。
    仮面のアクトレスを読んで、どうにもこうにも瞳子の事情が気になって夜も眠れなくなってしまいましたので(嘘)投稿させて頂きます。

    朱夏様
    だとすれば瞳子ちゃんの行動は、ますますリリアンを離れようとしているとしか思えません。

     これは私も読んでいてそう感じました。
     選挙に出たのもけじめと考えることが出来ますし、椿組や乃梨子への態度はリリアンから(後腐れなく)離れるために友人だとかそういったものを切り落しにかかっているようにも読めました。

     また、瞳子がリリアンを離れようとしている(or 離れなくてはならなくなった)のであれば、乃梨子が瞳子との会話で考えた三つの疑問の答えがこの一つにまとまるように思います。

     そう考えると、乃梨子がこの会話の後で一緒に授業を受けるにも拘らず涙を流したことや、祐巳が瞳子と離れていくような感じを受けているのも、別離を(なんとなく)予感しているのかもしれません
    (もしかしたら当落発表で二人が蒼白になったのはこの事に気付いたのかも)。

     もっとも、肝心の瞳子がリリアンに居られなくなった事の原因は想像が出来ないのですが……。未来の白地図で志摩子に相談していたように実家の家業の問題かとも思いましたが、リリアンに瞳子が居られなくなるような松平家の家業って何やねん、って感じですし(政略結婚って路線はさすがに無いかと思います)
     
    -15- No.840 【Re: 新刊「仮面のアクトレス」】 投稿者 : 冬紫晴博士 : 2006/07/06 00:43 :
    ごきげんよう
    アレだけではなんですので、そろそろまともなことを。

    「仮面のアクトレス」というタイトルから、瞳子ちゃんしか思い浮かばなかったのですが、確かに剣道との親和性もあったんですよね。しまったと思いましたよ。

    No 837,838 朱夏さま
    剣道とか、自転車とか、お詳しいですね
    中学生の剣道における「突き」の禁じ手についても忘れていた私です^^;

    祐巳は、今のところ、瞳子ちゃんに近づけない。今回での会話は挨拶を一回交わしただけ。後は、無言で瞳子ちゃんが一礼しただけ。
    そのような意味では、セイフティー機能が肝心な……本人にとって一番肝心なところではまだ発揮できていない、ということでもあると思うのです。
    どうすれば祐巳と瞳子ちゃんが直截接することができるのか、そのハードルが、他の方もおっしゃるとおり、どんどん高くなっていってしまっていますよね……
    作者もこれはつらかろう。
    瞳子ちゃんはフェードアウトしていこうとしているようで、その部分はまさに以前の佐藤聖と重なりますね。(そのためのマスタード・タラモサラダ・サンドの再登場なのだと思います)

    乃梨子ちゃんと瞳子ちゃんの関係について。
    他の方の指摘もありますように、蓉子「ちゃん」・佐藤聖との遣り取り・関係を彷彿とさせます。
    ただ、「乃梨子ちゃんが甘い」とか、「乃梨子ちゃんが蓉子ちゃんより踏み込んでいない」というのではないのだと……多少はありましょうけれど、それ以上の要因があると感じております。

    瞳子ちゃんのガードが、佐藤聖のあのころのものと比較にならないほどに堅く、隙がないのです。

    聖の場合、ハリネズミのような武装を施し、周囲に攻撃は仕掛けますが、その一方でガードはあまりに弱く、隙だらけ、脇ががら空きという様相でした。(甘ったれですから……)
    近づくときに傷つくのを恐れなければ、あるいは相手(聖)を破壊してしまう危険を敢えて冒す覚悟があれば、容易に近づける。

    ところが、瞳子ちゃんはガードも堅ければ隙もない。可南子ちゃんとぶつかっていた頃には攻撃もあったけれど、もはやほとんど攻撃もしてこない。ただ、自分を守るため、あるいはそれ以外の理由で怖い顔が出てくるだけです。
    「盾ロール」なんてもの通り越してまさに「水も漏らさぬ鉄壁」ですよ。もう。
    つけいる隙があればこそ踏み込むこともできるけれど……
    「友達だったら何でも言わなければならないのかしら」(p124)これは、乃梨子ちゃんが正論だ、と引っ込んでしまったことが重要なのではなくて、
    「私は絶対にあなたには話さない。たとえ踏み込んできても。友達であっても」という決意表明のようなものがあったのだと、それを乃梨子ちゃんが感じ取ったのでは、と、感じます。
    朱夏様のおっしゃる、収縮していくブラックホール、というのは、悲しいかな、言い得て妙ですね……

    短編集に期待しています。コバルト本誌で掲載されていた「連作」は、私が某ブログで異なる形で展開してみたかった「スール百景」ですから……
    何か光明があるとすれば、1つはそこではないかと思うのです。
    もう一つは、今回登場したご婦人……瞳子ちゃんのお母さま、でしょうか。
    柏木はどうするか……

    瞳子ちゃんが「ツンデレ」と言われて久しかったですが……もはや違いますね
    彼女は「鉄仮面」のような気がしますよ
    「無表情キャラ」ではないですし。表情をいくらでも作ることができる。でも、表情と感情が一致することが、もはや滅多にない。
    追加:2006/07/06 04:10
     
    -16- No.841 【Re: 新刊「仮面のアクトレス」】 投稿者 : 管理人(ワトソン) : 2006/07/06 22:07
    ようこそ、Yossyさま。

    瞳子の真意は正直わかりません。
    「負けるのが目的」というのが自分のためなのか祐巳を想ってのことなのか、どちらもありそうで、もしかしたら両方という可能性もあるかもしれません。

    「自分のため」というのは、たとえば「はっきり敗北というプロセスを踏まないと自分自身が前に進めなくなっていた」ということで、「祐巳を想って」というのは「私なんかは切り捨てて前へ進んでください」ということが考えられます。
    (まあ、ほかにもいろいろ考えられますが)

    いずれにしてもその後の瞳子ちゃんが、祐巳とはなれようとしているのか、その逆なのかもよくわかりません。
     
    -17- No.842 【無題】 投稿者 : でるもんた・いいじま : 2006/07/08 21:19
    もう2点ほど追加します。

    まず、瞳子が負けるために立候補した意図。これは、信任投票では祐巳は危ない、だから自分が捨て駒になって、当選に有効投票数の過半数を要しない対決投票にしたのでは、ともとれます。
    本文中には、票には1人記名とあるので、3人選ぶ選挙で1人が過半数なんてことは考えにくくて、当選に必要な票数がずっと少なくなります。

    次に、『特別でないただの一日』のエンディングから今まで、1つの巻の中で話が完結しない進行がずっと続いてきました。(前の巻を読んでいないと次の巻に露骨に影響する。)ここまで何巻も続くのは、『特別でない…』以前にはなかったことです。
    しかし、今回はこれで一段落です。つまり、ここで祐巳・由乃の妹問題は一段落、祥子や令の卒業が先に来ると見ました。

    今月はイラストコレクションが控えていますが、次は短編集とバレンタインとどちらが先に来るか…。
     
    -18- No.843 【Re: 新刊「仮面のアクトレス」】 投稿者 : 管理人(ワトソン) : 2006/07/10 21:59
    瞳子が負けるために立候補した意図。
    これは、信任投票では祐巳は危ない、
    祐巳だけでなく三人とも、信任投票のほうが当選しやすかったと思います。
    4人目の立候補者があらわれたことで、むしろ危うさは増したと思います。
    ただし、瞳子ちゃんがまともに選挙を戦った場合の話です。
    瞳子ちゃんが(自分が)当選しないように行動したため、結果的には信任投票以上に楽勝になったかもしれません。

    リリアンの校風からして「不信任」という投票をする生徒はとても少ないと思います。
    ですから信任投票では「単なる持ち上がり」というイメージが強く、「選挙で選ばれた」というイメージは弱くなってしまいます。

    そこから想像すると、瞳子ちゃん行動は選挙の結果をどうこうするものではなく、当選に至るプロセスを重視した行動なのかもしれません。
    つまり、祐巳に「誰にも文句を言わせないれっきとした薔薇さま」という立場になってほしかったのではないでしょうか。

    これは、想像のひとつであって確信があるわけではありません。
     
    -19- No.844 【Re: 新刊「仮面のアクトレス」】 投稿者 : でるもんた・いいじま : 2006/07/11 12:49
    <#837> 朱夏さま:
    ・「少しずつ強度が上がっても、違和感を感じにくくなるようだし」(p76)
     正しくは「強度が下がっても」だと思います。

    これは「上がっても」で正しいと思います。この文脈は一貫して床がきしむ音の話をしているので、「音の強さが」上がっても気付かない、と読むわけです。

    逆に「下がる」のは床の強度ですが、これは床を踏みしめたときの足の感覚から判断するもののはずですが、足で踏んですぐ分かるほど階段が劣化しているとは考えにくいです。
     
    -20- No.845 【Re: 新刊「仮面のアクトレス」】 投稿者 : 朱夏 : 2006/07/12 06:25
    ごきげんよう。
    <#839> Yossyさま、初めまして。
    瞳子ちゃんの家庭事情については、「未来の白地図」「くもりガラスの向こう」の巻を読んだ限り、確かに松平家の複雑な事情を匂わせます。
    ただ、今のところ、何にも分からないところが歯がゆいですね。

    <#840> 冬紫晴博士さま
    「乃梨子ちゃんが甘い」とか、「乃梨子ちゃんが蓉子ちゃんより踏み込んでいない」というのではないー(中略)−瞳子ちゃんのガードが、佐藤聖のあのころのものと比較にならないほどに堅く、隙がない

    まさしく、その通りでした。瞳子ちゃんを、かつての佐藤聖さまと比較すると、その点で大きく違います。
    この点、今野先生は今後どう打開して行くのか・・・?
    ここまで結末の見えない巻が続くのは、読者として確かにつらいのですが、正直、先生の方でもかなり苦慮なさっている現れでしょうね。

    <#844> でるもんた・いいじまさま
    この文脈は一貫して床がきしむ音の話をしているので、「音の強さが」上がっても気付かない、と読む

    ・・・なるほど、そう言う解釈もありますね。
    ただし、この会話はそもそも祐巳ちゃんの、「いつか、落っこちないかな」(p75)から始まっているのです。祐巳ちゃんは、きしんで揺れる階段の強度にはっきり不安を感じ、誰に問いかけたわけでもなくこの言葉をふっとつぶやいています。
    その懸念に対して志摩子さんが祐巳ちゃんを安心させようと、過去の事例を取り上げて、階段の強度の劣化度合いについて冷静な分析をして見せた・・・というのが問題の箇所ではないかと。
    ですからp76、4行目の「強度」は、あくまでも「(階段の)強度」を指していると考えた方が、自然な解釈かと思います。

    もっとも、でるもんた・いいじまさまのアイデアにも一理あります。
    志摩子さんが「きしむ音」の方に主眼を置いて言ったとしたら、p76、4行目のセリフはこう言い換えられます。

    「多少、(階段の)強度は違うかも知れないわね。人間慣れてしまうと、少しずつ(きしむ音や揺れの)程度が上がっても違和感を感じにくくなるようだし」

    これは、原本の「程度」と「強度」を入れ替えただけです。( )内はもちろん、私の補足です。言われてみると、確かにこっちの方がすっきりと話の筋が通り、また今野先生の意図にも近そう。
    この志摩子さんの言葉を受けて、p76、6〜9行で祐巳ちゃんは「音」だけでなく「揺れ」のことも気にしています。なので上記の志摩子さんの言った「程度」は、「音」だけでなく、「(きしむ音や揺れの)程度」と解釈するのが正しいと考えました。

    余談ですが、こういう時に見せるさりげない優しさと冷静な分析力とのバランス感覚が、如何にも志摩子さんらしい。彼女の優しさは、ただその時の気分や感情だけでなく、しっかりした裏付けがあります。
    このような彼女の性格から考えると、薔薇さまという責任感もあって、常日頃から薔薇の館の階段の強度には気を配っていたと考えられます。
    そこには「いつ頃から、この状態が続いているのだろう?」「まだ大丈夫かな?」「直すとすれば、いつ、どういう手続きが必要かな?」という判断もあったはず。
    なので祐巳ちゃんの不安に対しても、この様に的確なアドバイスが、すんなりと出来たのでしょうね。つくづく志摩子さんの気配りは、足が地に着いていると感心します。
    その事をふまえて、p112の「……由乃さんの、そういうところ好き」を読み返すと、なかなか奥深いものがあります。
     
    -21- No.846 【ふと、瞳子の身上について】 投稿者 : でるもんた・いいじま : 2006/07/13 18:44
    瞳子が、母の届けてくれた靴を抱きしめるシーンがあります。実はここだけ、瞳子の堅いガードがおりて無防備になっています。その場に可南子か祥子がいたら、何かしらのツッコミが入っても(あるいは乃梨子に何か言い含めても)おかしくないところです。
    これは紛れもなく、母親を思っての行動ですよね。

    ということは、瞳子ではなく瞳子母が家庭内で何かしら不遇な状況に置かれているのではないか、という仮説がたてられます。少なくとも瞳子の家出の原因は、瞳子個人が医者になるだの演劇の道を志すだのの問題ではないでしょう。そのレベルの話で瞳子母が寝込むのも、社交界に出入りしていそうな人間の挙動としては非現実的です。

    まず、夫や舅姑からの虐待(domestic violence)、という設定はマリみてには重すぎるとして、とりあえず脇によけておきましょう。
    クリスマスパーティーで志摩子に質問していたことから家督相続の問題があると予想できますが、男子の跡継ぎを産まなかった、あるいは何らかの理由で産めなくなった、それを15年経った今も父方の人間から責められていて、見かねて瞳子が家を飛び出した――と仮定すると、今までの状況に符合します。

    この仮定だと、祐巳や志摩子、乃梨子には手が出せません。祐巳も志摩子も人生設計はほぼ白紙ですし、少なくとも祐巳と乃梨子は円満な家庭環境で育っています。
    他の人はというと、まず祥子は、大学生になって進路を決めたあとでないと援軍にはならないでしょう。もしかしたら『パラソルをさして』で蓉子が祐巳を呼びつけたように、祥子が瞳子を祐巳のもとに呼びつける(このときはぜひ、あの黒塗りの車を祥子自身が運転していただきたい(笑))、という話が用意されているのかもしれません。
    令は『黄薔薇革命』での蓉子の言葉を借りれば「他藩」の人間ですし、まだ大学入学時点では将来は未知数です。令の精神的本質は強みも弱みも祐巳とよく似ていますから(というか、乃梨子、祐巳、令をみんな、読者が共感しやすい同じタイプに性格づけしていったわけですね。乃梨子は文庫版では変わってしまいましたが。)、令が出ていったところで祐巳の二の舞です。
    優は瞳子との関係が近すぎますし、それに、今は祐巳が瞳子の姉としてふさわしいかどうか見定めようとしている雰囲気がプンプンします。
    ウルトラCとして、祐麒が父の仕事を継ぐことを決意して受験勉強を始めた、ということになれば、援軍になるかもしれません。

    別の掲示板では「作者自身がもう瞳子のコントロールが効かなくなっているのでは」という指摘がありましたが、私はまだ、そうと決まったわけではないと思います。

    以下妄想
    本編の次の話はバレンタインデーですから、ここで花寺の生徒会を再登場させるというのもありかもしれません。そこに祐麒と瞳子が二人きりで話す場面をさし挟む、という構成が可能です。

    別件というか余談
    瞳子が中等部3年〜高等部入学時点で、遠縁の祥子と(6親等という距離のわりには)異様に親密だったのはなぜかという疑問が私の頭を離れません。
    現代の一般的な親戚付き合いでは、小笠原家のイベントに由乃の言うところの「他人」である松平家が関与することはまずないでしょう。小笠原家ではなく柏木家にみんなで集まることがよくあった、リリアンの初等部でよく面倒をみていた、と理由はつけられますが、もしかしたら何かあるかもしれません。
     
    -22- No.847 【Re: 新刊「仮面のアクトレス」】 投稿者 : 管理人(ワトソン) : 2006/07/17 02:37
    祐巳の妹がここまで決まらないとは「レディ、GO」あたりを読んでいたことは夢にも思いませんでしたが、もしかしたら、それをマリみてのラストエピソードにする予定なのかも・・・と想像してしまった今日この頃(笑)。

    ところで85ページあたりを読んでると、祥子さまが真美さんを(新聞部の)部長といっています。
    たしか真美さんはリリアンかわら版の編集長で、部長は三奈子さまだったと記憶しています。
    真美さんが部長になった記述がどこかにあったでしょうか? ちょっと思い出せません。
    もっとも、二学期の終わり頃には各部の部長は交代していて当然の時期とは思いますが。
     
    -23- No.850 【Re: 新刊「仮面のアクトレス」】 投稿者 : 文月からす : 2006/07/18 21:17
     皆様はじめまして。随分前からこちらは拝見させて頂いておりましたが、書込みさせて頂くのは初めてです。文月からすともうします。
     今回の『仮面のアクトレス』で選挙について詳しく書かれていて楽しめました。朱夏さんもおっしゃっている通り、立会演説会の内容も書かれていましたし。
     そこで思ったのですが、今回、乃梨子ちゃんが「乃梨子ちゃんも(選挙に)でたっていいわよ」と祥子さまに言われ、由乃さんも「そうなったら、白薔薇姉妹でバトル?と発言してますよね?それから祐巳の言葉からすると立候補の取り止めもできるらしいですよね。 
     すると(今の山百合会⋯に限らずリリアンの校風ではないでしょうが制度的には)、乃梨子ちゃんが立候補して、祐巳ちゃんが「わたしより乃梨子ちゃんの方が生徒会長に相応しいわ」と思って立候補を取り止め、そして志摩子さん、由乃さん、乃梨子ちゃんの3人が信任投票で薔薇さまになる、あるいは他に対抗馬がいてもこの3人が当選と言うパターンもあり得る訳ですよね?
     そうなると薔薇ファミリーはどうなっていたのでしょう?志摩子さんはそのまま白薔薇さま、由乃さんも黄薔薇さまだと思いますので、乃梨子ちゃんが紅薔薇さまと言うことになると思います。そうなると乃梨子は白薔薇の蕾から紅薔薇さまになって、白薔薇さまと紅薔薇さまで姉妹と言うことになりますよね?
     そして乃梨子が妹をつくれば、その子は紅薔薇の蕾になって白薔薇ファミリーは志摩子さんだけということに⋯。(この場合乃梨子の妹からみれば姉が紅薔薇さま「おばあちゃん」が白薔薇さまだから紅白2名づつともとれるかもしれませんが、「白薔薇の蕾の妹」とは呼ばれないでしょうから)
     薔薇さまの妹が別の色の薔薇さまになっても、それを理由に姉妹が解消されるとは思えません。(ブゥトンは生徒会の正式な役職ではないですし、姉妹制度も伝統であって規則ではないですし)となると志摩子さんがあらたに「白薔薇の蕾」を迎えるのも無理そうですし。
     
     もっとも、繰り返しになりますが、リリアンの校風、姉妹制度の概念からすると、余程のこと(どうしても候補者がいないとか)がない限り起りそうにないですよね。
     
    -24- No.851 【Re: 新刊「仮面のアクトレス」】 投稿者 : 管理人(ワトソン) : 2006/07/19 01:55
    ようこそ、文月からすさま。

    選挙の結果と役職名の関係は、順当にいかなかった場合は常に微妙な問題になりそうです。
    それでも、ほとんどの場合は自然と決まると思いますが、たしかに姉妹で当選した場合は難しいですね。
    スールの関係は常に一対一という原則から必然的に翌年は候補者が足りなくなります。
    その場合、翌年もスールで立候補というのも考えられますが、やはり薔薇の色がはっきりしなくなりますね。
    リリアンの長い歴史ではそういうこともあったかもしれませんが、どこかでスパッとリセットをかけて色を決めてしまえば、また安定するでしょう。
    推薦者が誰かということが当選後の色に関係してくるかもしれません。

    そうそう、「ロサ・カニーナ」では「推薦者の応援演説は〜」の説明がありますが(p118)、今回の「仮面のアクトレス」でも応援演説はありません。
    もし、立候補の場合に推薦者が最低ひとり必要だとすると、瞳子ちゃんの推薦者が誰かが謎になります。
    一年椿組の選挙管理委員が名前だけ貸すかもしれませんが。
     
    -25- No.855 【仮面のアクトレス:タイムテーブル】 投稿者 : ロアデルは本日も多忙 : 2006/07/21 17:52
    管理人さんがご多忙なようなので、不肖ながら独自作成のタイムテーブルを掲示しておきます。管理人さんのとはスタイルが異なりますし、一部に余計なコメントがついていますが、このタイムテーブルはもともと私が個人的な作品分析のために作ったメモをベースに、日時等を書き加えて作成したものですので、ご了承ください。〔 〕内は頁数です。ハイフンがあるものは、〔頁-行〕です。
    異論、反論、間違いのご指摘、お待ちしています。

     仮面のアクトレスTT

    10年以上前 令、父とともに自転車の練習。〔28-7〕
    昨年
    11/30 学園祭実行委員会解散。〔89-11〕
    12/16or12/24 祥子、真美からバレンタインイベントの打診を受ける。〔85-2〕
    12/24 リリアンかわら版年末特大号発行。選挙説明会の記事が掲載される。〔89-10〕(文中に日付の手がかりはないが、 いばら79-17などから例年終業式の日に年末号を発行していると思われる)
    12/27 由乃のもとに祥子からの招待状が届く。由乃、祐巳にTEL。〔12〕
        令帰宅後、新年会の件及び菜々との手合わせの件打ち合わせ。〔17〕
    12/28 由乃、公園で自転車に乗る練習。ラスト2行への伏線。〔23〕
    12/29 自転車屋、令の自転車に買い換え宣言。〔34-3から推測〕
    12/30 由乃の父、2人の自転車を購入。(管理人さんの説を採用。自転車屋へ行った翌日ならば日程的に無理は生じない)
        夜、菜々にTEL。〔34-16〕(「その日の夜」を、「自転車を買った夜」と解釈。もっとも、小説的には、自転車に乗れるようになった自信を梃子に菜々にアタックしたとするため、「その日の夜」を、「自転車の練習をした夜」と解釈し、28日の出来事と見るほうが優れていようが)
    新年
    1/4  菜々と令の剣道勝負。〔35〕(35-6の「一週間もなかった」は、作者あるいは由乃の誤解か)
    1/8  朝、始業式。妹の気持ちと「姉」の気持ちが並存している。カニーナ14対比。〔64〕
       HL後、志摩子と連れ立って薔薇の館へ。途中、瞳子とすれ違う。パラソル60-1、レディ31-4、33-13対比。〔67〕
       剣道部の集まりあり。〔68-9〕
       薔薇の館で、きしむ階段と不安定な心と。〔75〕
       山百合会幹部の会合。今後のスケジュール確認。〔82〕
       帰り道、マリア像前での祈り。〔86〕
    1/9  HL後、選挙説明会案内の校内放送。〔89〕
       3:30過ぎ、由乃、志摩子とともに選管事務室へ向かう。〔90〕
       3:35過ぎ、乃梨子、専管事務室前へ。途中、瞳子とすれ違う。〔100〕
       そのころ、薔薇の館で祥子と令が素面で会話。〔190〕(祐巳から見た祥子の様子、例えば86-13、87-16と対比)
       3:45ころ、説明会開始前後に事務室前で騒ぎが持ち上がる。第4の候補者登場。〔95〕祐巳の驚き。〔104〕
       2年生3人が薔薇の館に戻ってから、第4の候補者の真意について話し合う。的外れの予想を連ねて読者のミスリードを誘う。外が薄暗くなりかけた時間帯であることを計算に入れているとすれば、祐巳の揺れる心の描写は秀逸。〔108〕
    1/10 休み時間ごとにクラスメイトの質問ぜめにあう瞳子、乃梨子。〔119〕
       昼休み、講堂裏で瞳子を問い詰める乃梨子。講堂裏が乃梨子にとって持つ意味。〔120〕
    1/11?立候補届出日初日。昼休み、ぐずぐずする祐巳を由乃と志摩子が選管事務室に引っ張ってゆく。読者の緊張を解くために軽いタッチで描かれる。ウァレンティーヌス、いとしき、パラソルなどの発言を援用するが、原文言とは微妙な違いあり。時間の経過に伴う記憶の変化を表現したものか。〔121〕(日付は不明。昨年の例にならえば、立候補受付初日から締め切りまで短くとも一週間はあることになり-カニーナ57-2、今年は11日がぎりぎりの線。他方、139-9の「ここ数日」という言葉、143-13「最初の頃」という発言を踏まえれば、一日くらい置いて12日だとも考えられる)
       清掃時間、蔦子のアドバイス。〔132〕
       その後、由乃とともに一年椿組教室前へ。〔138〕
    1/12?乃梨子、クラスで浮いている瞳子を心配する。〔144〕(祐巳の「大丈夫なのかな」発言を受けて改めて瞳子を観察しているので、少なくとも翌日であると考えられる。ひょっとしたら、数日間のスパンがあるかもしれない)
    1/13?休み時間、瞳子に手伝いを申し出た可南子に礼。可南子の推理。〔144-17〜〕(144-11に「放課後」とあることから、少なくともさらに一日が経過していると考えられる)
    ある日 休み時間、瞳子に詰め寄るクラスメイト。〔146〕
    1/17?立候補受付締め切り〔カニーナ56-7、例年通りなら立ち会い演説会の一週間前〕
    1/20 体育の授業後、瞳子の上履きが汚されていた。〔162-5〕
    1/22 昼休み、図書館で迷う祐巳。〔148〕
       帰り道、娘の忘れ物を届けに来た女性を職員室に案内する。母娘を祐巳の前で会わせてはならないという作劇上の要請を、母の細やかな気配りという形で見事にクリア。作者の少女時代の「理想の母親像」であったと考えられる。〔152〕
       乃梨子、スリッパ履きの瞳子を探し出し、職員室へ。女性の正体を直接語らずに読者に理解させる手法。〔156〕
    1/24 昼休み、生徒会長になる積極的な理由を見つけた祐巳の成長。演説会を控えたそれぞれの姉妹の素描。〔166〕
       午後1時、立ち会い演説会。〔175〕
    1/27 HLを利用して投票。〔180〕
       放課後、結果発表を待ちながら薔薇の館で弁当を食べる。〔181〕
       1:40、講堂へ向かう。〔183-7〕
       1:50、選挙管理委員が講堂に到着。その後、開票結果発表。第4の候補者の真意が明らかになる。〔184〕
     
    -26- No.856 【Re: 新刊「仮面のアクトレス」】 投稿者 : 管理人(ワトソン) : 2006/07/21 21:53
    ようこそ、ロアデルは本日も多忙さま。
    詳しいTTありがとうございます。
    私のほうはまだ半分ぐらいしか作成していませんので(のんびりですみません)、大いに参考にさせていただきます。
     
    -27- No.858 【Re: 新刊「仮面のアクトレス」】 投稿者 : でるもんた・いいじま : 2006/07/24 11:19
    はじめましてごきげんよう、ロアデルは本日も多忙さま。
    細かいですが、「ホームルーム」は home room ですから、HLではなくてHRでは…
    #中高のときにHRと略記していたのではっきり覚えているのです。
     
    -28- No.902 【Re:誤字の発見】 投稿者 : アルス : 2006/09/23 00:13
    ごきげん蓉子さま
    <#837> の朱夏さま
    遅レスながら、誤字の発見いたしました。

    「当てはまらないだろあ」 (『仮面のアクトレス』P.110より)
    これは「当てはまらないだろうなぁ」ですよね!?
    (今更ですが…)

    もちろん、小説内の誤字です。
    追加:2006/09/23 00:15
     
    -29- No.906 【Re: 新刊「仮面のアクトレス」】 投稿者 : 朱夏 : 2006/09/24 01:55
    アルスさま

    「当てはまらないだろあ」 (『仮面のアクトレス』P.110より)

    ほんとだ! 気が付かなかった。
    でも、もうこの辺で、許して差し上げましょうよ。(笑)
     
     
    No.893 【ヴァレンタイン決戦かなぁ】 投稿者 : ロサ・ギガンテス : 2006/09/09 23:57
    ごきげんよう。ご無沙汰しております。
    まんが王倶楽部の新刊予告を見て思ったのですが、次の話はギンナン王子が正月に出かけたスキーから帰ってきた辺りからはじまるようですよね。つまり1月中旬ということになり、次のイベント聖ヴァレンティーヌスの日には丸一ヶ月のタイムラグがあるので構成上次の巻に持ち越しになるのではないかと勘ぐっています。
    この流れで行くとさらに次の巻なると祥子さまの卒業がらみの話となるので、祐巳さんの妹問題の決着はヴァレンタイン話にからめるのが妥当に思えます。
    っということで、対瞳子ちゃん祐巳さんの妹問題の決着は「大きな扉 小さな鍵」の次の巻12月末発売の来年の1月新刊(勝手な予想です)で決まりではないでしょうか。
     
    -1- No.896 【Re: ヴァレンタイン決戦かなぁ】 投稿者 : 管理人(ワトソン) : 2006/09/10 02:56
    ギンナン王子が正月に出かけたスキーから帰ってきた辺りから
    柏木さんが登場するらしいということに関しては、最初、う〜ん・・・と思ったのですが、柏木さんは瞳子ちゃんの事情を知っているわけですから、いよいよ謎が明かされるということなのかもと予想しています。

    ロサ・ギガンテスさまへ私信
    この掲示板は自作なのでしょっちゅう改造しています。
    で、私のミスで、一部不完全なデータのまま投稿されてしまう場合があるバグが発生していました。
    バグはすでに修正しましたが、ロサ・ギガンテスさまのNo.893の投稿は「投稿者による削除/追加」ができなくなってしまいました。ご了承ください(どうもすみません 汗汗)。
     
    -2- No.899 【表紙のイラストが!】 投稿者 : 朱夏 : 2006/09/21 22:36 :
    ごきげんよう。このところ、BBSも静かですね。
    とりあえず、新刊待ちといったところでしょうか?
    いつの間にか気が付くと、まんが王倶楽部に表紙がアップされていました。

    「未来の白地図」以来の、瞳子ちゃんとのツーショット。
    ・・・でも祐巳ちゃんの、少し冴えない表情が気になります。
     
    -3- No.900 【Re: ヴァレンタイン決戦かなぁ】 投稿者 : 管理人(ワトソン) : 2006/09/22 00:19
    まんが王倶楽部に表紙
    http://www.mangaoh.co.jp/topic/maria.php
    この表紙イラストの祐巳の手に注目してみてください。
    作者の名前で隠されていますが、ロザリオを持っているように見えませんか?
    少なくとも、祐巳が瞳子ちゃんにロザリオを差し出す、あるいは差し出そうとするシーンがあると予想します。
     
    -4- No.901 【き、気が付かなかった!】 投稿者 : 朱夏 : 2006/09/22 01:31
    驚いて、ポップアップされた画像をPCに取り込み、拡大してみました。

    改めてよく見ると、祐巳ちゃんのアイボリーのセラーカラーに、ロザリオのチェーンがはっきりと!
    おっしゃる通り祐巳ちゃんは、首に掛けたロザリオを手にしています!
    だとしたら、瞳子ちゃんの、この微妙な表情は・・・?
    そして「小さな鍵」とは、やはりロザリオで・・・?

    それにしても最初このイラストを見て、祐巳ちゃんが鍵を持っていると思った私はアホでした。(笑)
     
    -5- No.903 【Re: ヴァレンタイン決戦かなぁ】 投稿者 : 十六夜 博師 : 2006/09/23 15:08 :
    ごきげんよう
    冬紫晴博士 改め 十六夜博師でございます。
    思うところあってハンドル変えました。
    ブログではまだそのままですが……

    私もようやく表紙見ました。

    ……

    祐巳が手にしているものも気になりますけどね。

    瞳子ちゃんがですね。
    か、か、かわいいです〜〜

    祐巳もほんの少し大人のような表情で。

    何かこう、瞳子ちゃんが祐巳に甘えてる、みたいな……??そんな風にも見えてしまうですよ!

    考察何もできてないんですよね〜
    だって瞳子ちゃん本当に隠すのうまいから。
    瞳子ちゃんの母と思しき女性も出てきたけれど、そこから何が読み取れるというのか〜!
    そこから何か嫁というのだな?それは挑戦だな!?
    とか思いつつ。
    ……負けてるし。
     
    -6- No.904 【Re: ヴァレンタイン決戦かなぁ】 投稿者 : 韓子音 : 2006/09/23 17:38
    ごきげんよう

    表紙絵は見ましたが、・・・うーん。
    敢えてこの絵からなにか意味を導き出すとすれば、以前は背中を向けていた瞳子ちゃんが今度は祐巳のほうに向いているってことくらいでしょうかねぇ。

    関係ないですけど、リリアンの制服って冬は寒そうですね。祐巳の首筋辺りが妙に寒そうに見えましたもので・・・。
     
    -7- No.905 【無題】 投稿者 : でるもんた・いいじま : 2006/09/24 00:18
    関係ないですけど、リリアンの制服って冬は寒そうですね。祐巳の首筋辺りが妙に寒そうに見えましたもので・・・。

    もともとセーラー服って、屋外で重労働をする水兵のためのデザインですからね。リリアンの場合は通学用のコートやマフラーがありますし、屋内は暖房もあるので心配なさそうですけど、こればっかりは実際に着ていた人の意見が聞きたいですね。私(♂)は詰め襟でしたので…。逆に、夏の半袖シャツが、半袖のくせに妙に厚手で、暑苦しかったのを覚えています。
     
    -8- No.907 【Re: ヴァレンタイン決戦かなぁ】 投稿者 : 朱夏 : 2006/09/24 02:17
    ごきげんよう

    十六夜博師さま、はじめまして・・・でよろしいのでしょうか?(笑)
    思うに過去、雑誌Cobaltを含めて、ひびき先生の描いた表紙を見直すと、瞳子ちゃんがいちばん表情豊かに思えます。
    個人的には05年8月号Cobaltの、祐巳ちゃんに水をかけられそうになって嫌がってる瞳子ちゃんが、ものすごく気に入ってます。
    これは、「イラストコレクション」にものってました。

    韓子音さま:「リリアンの制服って冬は寒そう」
    同感です。
    リリアンの制服には、中間服ってのが無いんですよね。たいていの学校には、カーデガンとかあるんですけど。

    ・・・さらに関係ない話ですけど、森薫さんの「シャーリー」を見るたびに、乃梨子ちゃんがコスプレしてるように感じるのは私だけ?
     
    -9- No.908 【Re: ヴァレンタイン決戦かなぁ】 投稿者 : 管理人(ワトソン) : 2006/09/24 03:26
    「リリアンの制服って冬は寒そう」
    制服についてちょっと復習してみます(笑)。

    小説内の記述では、冬は(外では)コートを着ていますね。
    このコートはおそらく学園指定のものと想像しています。
    もちろん、(真冬は)制服の下にもなにかもう1枚くらいは着けているとは思いますが、どこかにそういう記述があったかどうかは、ちょっと思い出せません。
    夏服と冬服の違いはレイニーブルーで「生地が薄くなって」とあるので、冬服はそれなりに厚手の生地ということになります。けっこう暖かい服なのかもしれません。
    世間一般のセーラー服と違って上下がつながっているので、おなかがすーすーするということはなさそうです。
    ちなみに、夏服は半袖と長袖がありますので、全部で三種類あることになります。

    カーデガン
    どこかに記述があったような気がしたので探してみました。
    「黄薔薇革命」47ページで、三奈子さまが「カーディガンを引っかけると、部室を後にした」とありますので、校内でカーディガンを着ることに問題はないようです。
    学園指定か、自由かはわかりませんが、もともとリリアンは「特別厳しい校則がなく」ということですので、常識的なものなら問題ないと予想しています。
    探せば、校内の服装に関する記述はまだまだあると思いますが、とりあえず、こんなところで(笑)。
     
    -10- No.909 【人生七転び八倒れ】 投稿者 : 十六夜博師 : 2006/09/26 02:00 :
    ごきげんよう

    No907 朱夏さま
    十六夜博師さま、はじめまして・・・でよろしいのでしょうか?(笑)
    はじめまして。……ってねぇ(^^;;

    思うに過去、雑誌Cobaltを含めて、ひびき先生の描いた表紙を見直すと、瞳子ちゃんがいちばん表情豊かに思えます。
    それが一番大事なんです!!!

    いや。
    私もそう思いました。
    イラコレ収載の瞳子ちゃんのイラストは数が少なくて貴重なのです(涙)が、それだけでない特徴があって。
    他のイラストの表情のほとんどが「笑顔」「物思い」「落ち込み」くらいの大きなカテゴリーには入りそうな感じがするんですが、
    (特殊なのに「寝顔」がありますが)
    瞳子ちゃんのイラストの表情はどの絵もどの分類からもちょっとずれているという感じがして、それがいいんですよね。

    瞳子ちゃんについて祐巳がよく言う「仏頂面」というのは、イラコレ・バラエティ編のラストから2枚目、「マリみて春DVD6巻」の絵で描かれているような、どちらかといえば真剣に見える表情なのかな、とか思ってます。
    作中での位置的に、様々な表情をつけやすいのかしら。「百面相」と呼ばれているのは祐巳なんですけどね……
    感情の「種類」?が多いのは瞳子ちゃんなのかもしれない。

    作者お気に入りの中に瞳子ちゃんの「いたずらっぽい笑顔・半分コマに隠れ」が入っていたのが何とも印象的です。
    その次に瞳子を思って涙する乃梨子ちゃんというのもあわせて。

    個人的には05年8月号Cobaltの、祐巳ちゃんに水をかけられそうになって嫌がってる瞳子ちゃんが、ものすごく気に入ってます。
    迷惑そうにしている表情のイラストって、この瞳子ちゃんのだけですよね。

    ・・・さらに関係ない話ですけど、森薫さんの「シャーリー」を見るたびに、乃梨子ちゃんがコスプレしてるように感じるのは私だけ?
    ……(読んでみる)
    ……(変なスイッチが入る)
    「シャーリー」表紙とか。P.47とか。P.53、56、85とか
    P.113と「白地図」の「嫌です」のあたりとか。
    第5話「雨」の表紙と「羊が一匹」の「雨、やみませんね」とか。

    シャーリーちょっと子供だけどね。
    無口だし。おかっぱだし。黒髪だし。メイドだし(違
    何で「オーディション」で乃梨子ちゃんの制服+エプロン描かなかったんですかひびき先生!
     
     
    No.910 【マリみてファンにお勧めの作品】 投稿者 : ロアデルは本日も多忙 : 2006/09/28 04:26
     十六夜博師さんの『シャーリー』のお話が面白かったので、便乗して「マリみてファンにお勧めの作品」をご紹介します。といっても、クララ、アグネス、丘ミキ、紺野作品、グリーンウッドなどはあまりにありきたりなので、多少変化球を。(1)がもっとも読みやすく(なにせ漫画ですから)、以下敷居の低い順に並べました。でも一番のお勧めは、実は(6)だったりします。
     読まれた感想や、皆さんのお勧めの一冊などを聞かせていただけたら幸いです。

    (1)『桃花タイフーン!!』藤田和子
     なぜか誰も指摘しないけれど、マリみてのあのエピソードの元ネタ、これで決まりじゃないでしょうか。最初の10ページで完全に笑えます。藤田氏の他の作品、例えば『小麦パニック!』などを読んでいただければ、今野氏がこの人の漫画をどれほど好きなのかわかると思いますよ。

    (2)『前略・ミルクハウス』川原由美子
     マリみての「華麗さ」「荘重さ」が古典文学や70年代後半の少女漫画に由来するものならば、マリみての「軽さ」は80年代の少女漫画によって培われたものと言ってよいのではないでしょうか。その代表が、これです。テーマもストーリーもキャラクターもガジェットも、全てが乙女チック。今野氏が川原氏の漫画をどの程度読んでいるかは断定できませんが、テイストはよく似ています。1巻のラストは、「せめて夢の中では、みんな幸せになれればいいのにね」。ね、今野ワールドでしょ?

    (3)『空飛ぶ馬』北村薫
     北村薫-加納朋子、氷室冴子-今野緒雪のラインはよく言及されますが、私は北村薫-今野緒雪もありだと思っています。二人の作家の「声」がそっくりなのです。語彙やレトリックの分析をしてみるとさすがに違いがでてきますが、それでも他の作家と比べると二人は近い位置にあるように見受けられます。北村氏の小説に出てくる小道具(文学作品名、食べ物、衣類、植物など)は、今野作品のファンならきっとなじみのものが多いのでは?ちなみに同氏の『スキップ』は、今野氏の本棚に絶対ありそうな逸品。

    (4)『肩ごしの恋人』唯川恵
     短編の『三つ葉のクローバー』、実は女流作家なら一度は書く「悪女の弁明」ものだと思った方、いらっしゃいますか? 妻帯者や他に恋人がいる男をかどわかす魔性の女、というのは、男性作家が書くと、いかにもリアリティに欠けるんですよね。妖艶な美女、という、ステレオタイプ化されたキャラクター造型も、女性には敬遠されがちです。で、女性作家はそれに反発して、「悪女」の側の事情を書いたりするわけです。その「悪女の弁明」もので最近有名になったのがこれ。直木賞受賞作。作者がコバルトの生え抜きというのもうれしいところです。

    (5)『メスサスの少年』菅浩江
     祐麒が好きならば是非、と、お勧めしておきます。SFです。でも「お姉さま」の世界です。でもでも登場人物はみんなわけありです。

    (6)『ストームクイーン(上下)』マリオン・ジマー・ブラッドリー
     由乃、瞳子、祥子のいずれかのファンの方、今すぐ最寄りの公立図書館のホームページに飛んで蔵書検索に「ストームクイーン」と打ち込んでください。なければ隣の市町村、それでもなければその隣。見つけたら、即刻ご予約を。主役の少女・ドリリスの傍若無人な言動にノックアウトされてください。なにせあだ名が「嵐の女王」!
     『夢の宮』シリーズを読まれた方、あの世界がそっくりそのままここにもあります。やはり蔵書検索を。ブラッドリーは久美沙織氏が愛読している作家で、久美氏経由で、あるいは直接、今野氏がブラッドリーの影響を受けたことは十分にありうることです。
     今野氏のストーリーテリングに魅せられた方、是非この作品を。完璧な構成というものがどれほど「物語」を支えていることか、痛感します。読了してしばらく呆然とした後、頭の中でもう一度ストーリーを追ってみてください。ほかに道はなかったのか。あの結末が作品の必然であったことに思い至ったとき、心地よい疲労感に包まれること請け合いです。私はいまだに初読当時の衝撃が忘れられません。10年以上の「ストーム止め」です。
     
    -1- No.911 【Re:「マリみて」にあわせて読んでみたら面白そうな本】 投稿者 : 十六夜博師 : 2006/09/30 02:49 :
    ごきげんよう
    はじめまして>ロアデルは本日も多忙 さま (ロアデルさま、でよろしいのかしら)

    先の発言では変なスイッチ入ってしまって暴走が行き過ぎまして……スミマセン

    私は「本読み」ほどにはたくさんの本を読んでませんので……(それでいいのか)

    小説でなくてよいなら、以前から別のところでも紹介しているのですが、これですね。

    『「甘え」の構造』土居健郎(弘文堂)

    私のブログのブックリストに載せておきました。「シャーリー」の下にあります。
    刊行は1971年。35年前に書かれたとは思えないほどに「新しい」本です。「若者の問題」として取り上げられているのが全共闘だったりするあたりがさすがだなあと思いますが、それは今の別の何かに置き換えるだけで十分通用するのではないかと。
    ただ、やはり内容がやや難しいので、高校生以上対象という感じです。中学生もがんばれば何とかなる部分もあるかな?いや、マリみてと一緒に読んでみて、ピンとくるところがあればそこを中心に読む、というようにすればわかりやすいかな。
    マリみてについてでもいいですが、それ以外の何事も「甘え」の一言で斬り捨てるような議論もあったりしますが、その「甘え」こそ難題で重要なことを含むことがよくわかります。
    例えば、「甘え」を英訳できないこと。対応する単語はありません。だから、"amae"なんてそのまま書いてある論文もあるみたいです。

    あとは、そうですね、マリみてで取り上げられた本は読んでみると面白いでしょう。
     
    -2- No.949 【ミッションスクールの歴史について】 投稿者 : 朱夏 : 2006/10/17 23:23
    ごきげんよう。
    最近、ちょっと興味深い本が出ました。

    佐藤八寿子著:ミッションスクール:中公新書
    詳しくは、以下を参考に
     →http://www.amazon.co.jp/gp/product/4121018648/sr=1-1/qid=1161086531/ref=sr_1_1/250-4726022-1265004?ie=UTF8&s=books

    この本はミッションスクールの歴史、そしてそのイメージが日本社会に、どのように浸透していったかというテーマを扱っています。
    そして特筆すべき事は、現代のサブカル分野におけるミッションスクールの典型的イメージとして、「マリみて」が度々例に挙げられていること。

    この本でも指摘されているんだけど、「マリみて」の冒頭、毎回お馴染みのプロローグには、いくつか疑問点が潜んでいる。
    例えば、「華族を対象にしたカトリック系学校」は、ほんとうに存在し得たのか?
    古来日本でキリスト教は邪宗門と蔑視され、しばしば不当な扱いを受けてきた。それは大昔の話ではなく、ついこの前、戦前まであった話。
    なのに何故、ミッションスクールの女生徒は、明治以来「箱入り純正のお嬢さま」という地位を勝ち得たのか?
    常々そのような疑問を持っていた私には、まさにストライクな内容の本でした。

    前半では、「脱亜入欧」「富国強兵」の精神で近代化を邁進した近代日本に於いて、ミッションスクールが「羨望=蔑視」両面の対象であり、アンビバレントな存在であったこと。さらにそういう歴史が、今日に至る日本特有のイメージを作り上げた経緯などが明かされる。
    なお、一部プロテスタント系の学校では「ミッションスクール」の呼び名は使わず、「キリスト教系学校」という呼称を用いる。この「ミッションスクール」と、「キリスト教系学校」との違いは何?
    結論から言ってそれは、近代日本のキリスト教徒がたどった、苦難の歴史に由来している。この本には、そうした事情も詳しく書かれている。
    ただしこの本では、こうした歴史を「抑圧者対非抑圧者」という、ステレオタイプな視点から切り捨てはいない。むしろこのような苦難の歴史を、スティグマ(聖痕=ここでは社会から押された烙印の意味で用いている)として、彼らの立場をより強くしたと見る観点に、ポストモダン以降の社会学者の歴史観を感じた。(なぁんて事を書くと、歳がばれるんだけど。笑)

    後半では、ミッションスクール特有の「乙女な世界」をテーマにするかと思いきや、ミッションスクールの女学生が、近代日本に与えたインパクトについて扱っている。
    それが「制服を着たファム・ファタル論」
    ファム・ファタルとは、「運命の女」という意味。つまり、男性の人生を狂わすほどに、印象深い女性の事を指す。
    「You are my destiny!(君は、宿命の人だ)」とは、西洋ナンパ君の常套句。しかし「あなたは、ファム・ファタルだ」と言われたら、あまり喜んではいけない。
    西欧でファム・ファタルとは、おおむね身持ちのよろしくない女性として、ネガティブな意味合いで使われる。

    ところが近代日本に於いて、主に私小説という分野でミッションスクールの女性達は、ファム・ファタルとして描かれていると、この本は指摘している。
    なぜ、清純なイメージのミッションスクール女学生が、ファム・ファタルとして描かれたか?
    そこには、急激な近代化の影として投射された女性像があった。
    ジェンダー論、および日本のキリスト教の歴史だけでなく、近代日本文学史に興味のある方も必見。
    この「制服を着たファム・ファタル論」的観点から、特に祥子さまと志摩子さんのキャラクター造形を考えると、なかなか示唆的ではある。
    ちなみに仏門に生まれながらも、国際的視野を得るためにミッションスクール入学を決意した少女が現実に存在した、というエピソードは面白かった。
    その他、言いたいことはたくさんあるけど、ひとまずこれまでにいたします。
    相変わらず長々と、ごめんなさい。
     
    -3- No.950 【佐藤八寿子著「ミッションスクール」】 投稿者 : 十六夜博師 : 2006/10/18 00:33 :
    ごきげんよう。

    朱夏さま

    そして特筆すべき事は、現代のサブカル分野におけるミッションスクールの典型的イメージとして、「マリみて」が度々例に挙げられていること。

    まじっすか!?
    気にはなっていたんですよ、このタイトル、この本……

    確かにおっしゃるとおりですねぇ……
    「制服を着たファム・ファタル」と祥子、志摩子さん……ふむ……美人・清楚な印象・潔癖性と罪悪感・忌避と羨望……などかな?
    このあたりは、読んでみなければわからないことかしら?

    私は今は「扉・鍵」の瞳子ちゃん関連問題・柏木氏のこととか……に、集中していたり、その他諸々忙しかったりで手を出してなかったんですけど、勿体なかったなぁ……
    しかし……社会学ですか……ちょっと不得手なのよねこの分野……現状では買っても読む気力があるかどうか_| ̄|○

    退却〜
     
    -4- No.951 【Re: マリみてファンにお勧めの作品】 投稿者 : 韓子音 : 2006/10/18 17:03
    ごきげんよう

    佐藤八寿子著:ミッションスクール:中公新書

    ですか・・・。これは読まねばならないようですね。
    時間と気力が許す限り、早々に読むようにしておきます。
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