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    スレッド番号 返信数 更新日 タイトルとメッセージの冒頭部分 スレッド投稿者名
    No.912 40 2006/10/22 21:57 管理人(ワトソン)
     
     
    No.912 【「大きな扉 小さな鍵」】 投稿者 : 管理人(ワトソン) : 2006/10/02 23:19
    10月3日は「大きな扉 小さな鍵」の発売日です。
    すでに購入されたかたもいると思いますが、私はまだです。
    たぶん、発売日に購入できるとは思うのですが、まだ分りません。

    とりあえず、ネタばれ用のスレッドを立てておきますので感想等の書き込みにはこちらをご利用くださいませ。

    レスが満杯になりましたので、続きは新スレッド <#958> をご利用ください。
    追加:2006/10/25 00:58

    ネタばれ解除しました。
    追加:2006/11/11 20:07
     
    -1- No.913 【Re: 「大きな扉 小さな鍵」】 投稿者 : 十六夜博師 : 2006/10/03 19:24 :
    ごきげんよう
    十六夜博師でございます

    発売日に購入、とりあえず1回目読了しました……

    ……

    …………

    と、とりあえず。
    前半の由乃ん視点が楽しかった(これがなかったらどうなっていたことやら)
    特に−−
    Pp.66-67
    Pp.69-70

    Pp.80-87(特にPp.84-87)


    後半については一言だけ……
    ほっとしました。瞳子ちゃんが「初めて泣いた」こと。目を開けたら誰もいなかったなんて、そんなことなかったこと。

    詳しくはもう一度くらいは読んでから。

    では
     
    -2- No.914 【Re: 「大きな扉 小さな鍵」】 投稿者 : ロサ・ギガンテス : 2006/10/03 23:12
    ごきげんよう。
    今回は、フラゲできたことともあり落ち着いて投稿できます。
    この新刊「大きな扉 小さな鍵」満を持してといいますかはじめてづくしですね。

    まず緒雪先生もあとがきに書いていますが、祐巳さん視点のエピソードが一つも入っていない。
    このことにより、客観的な祐巳さん像が(読者は今まで祐巳さんというフィルターを通して物語りと接してしていたわけですから。私自身「あこがれのお姉さま福沢祐巳」というのにはピンと来ませんでした)浮かび上がってきたように思えます。

    瞳子ちゃんの秘密と瞳子ちゃん視点のエピソードと瞳子ちゃんの独白
    祐巳X瞳子ラインを望んでいた読者には「待ちに待った」でしょうね。ただ一つ引っ掛かるのは可南子ちゃんの不幸を「どこにでもある」と言い切った瞳子ちゃんの秘密にしてはインパクトにかけるような・・・

    0項
    これもはじめてですよね

    乃梨子(呼び捨て)
    瞳子ちゃんやっと心を開きましたね。「未来の白地図」のときもそうでしたが緒雪先生、つくづく読者の裏をかくのがお好きなようでわざわざ表紙イラストの祐巳さんに鍵を持たせておきながら実は乃梨子ちゃん自身がその鍵だったとは。26pの乃梨子ちゃんのモノローグ「瞳子を救ってくれるのは、マリア様でも観音様でもなく、祐巳さましかいない。」とは逆に乃梨子ちゃんが差し伸べた「友の手」こそが瞳子ちゃんの救いになっているというのもまたいいですね。
     
    -3- No.915 【Re: 「大きな扉 小さな鍵」】 投稿者 : 管理人(ワトソン) : 2006/10/03 23:15
    私も無事、発売日購入&読了しました。
    詳しい感想はあとにするとして、読後感は大満足です。

    とりあえず一言だけ・・・

    「男が好きなのは本当だよ」

    です(えっ、そこですか 笑)。

    そうそう、表紙イラストのことを忘れていました。
    「祐巳が持っているのはロザリオ」と予想していましたが、実物の文庫をみてもけっきょく隠されていて分らない。
    ところが、文庫に挟まっている「乙女ちっく通信」には、どうどうとそれが「鍵」であることが分るイラストが載ってました。
    だまされた・・・(笑)。
    追加:2006/10/03 23:20
     
    -4- No.916 【大きな扉小さな鍵】 投稿者 : 韓子音 : 2006/10/03 23:18
    ごきげんよう

    古狸の妹である前に、そもそも祐巳は仔だぬきです、由乃さん。

    P61 P87 
    このあいだから志摩子さん可愛くなりすぎデ・・・。白薔薇が見事に華になっている・・・。

    P186の最終行読む前にP187を見たので、この手を祐巳と思った・・・。

    私もとりあえずはそれだけです。
     
    -5- No.917 【鍵とキーホルダー】 投稿者 : 十六夜博師 : 2006/10/04 01:05 :
    ごきげんよう

    ロサ・ギガンテスさま
    まず緒雪先生もあとがきに書いていますが、祐巳さん視点のエピソードが一つも入っていない。
    このことにより、客観的な祐巳さん像が浮かび上がってきたように思えます。
    (読者は今まで祐巳さんというフィルターを通して物語りと接してしていたわけですから。私自身「あこがれのお姉さま福沢祐巳」というのにはピンと来ませんでした)

    ああ、それです。
    祐巳の「お姉さまらしさ」というのは、その多くが祐巳一人称視点で描かれているために、わかりにくくなっていたことは間違いないでしょう。今巻では冒頭でそれがポンと入ってきて、あ、やったな、と思いました。漸くといいますか。
    隠されずに葛藤や混乱が一人称視点で描かれているとすごさがわからないけれど、隠されて結果(発言、態度)だけがわかるようになっていると俄然すごく見えてくるという。シルエットのような感じですね。

    ただ一つ引っ掛かるのは可南子ちゃんの不幸を「どこにでもある」と言い切った瞳子ちゃんの秘密にしてはインパクトにかけるような・・・
    まあ例えば、加東さん家とか、山辺さん家(予定は未定)とか、あのような場合もありますから。
    ある程度予想も可能であったために、読者にとってはインパクトが既に和らげられていたこともあるかもしれませんし。
    何より、裏腹であっても、そう言いきる、そう思いこむことが、瞳子ちゃんを支えていたのではないか……たとえ歪んでいても、決壊するよりましだと……
    それが「白地図」で、何らかの事柄(これはまだ隠されている部分が多い)によって決壊してしまった。そんなことを考えます。

    0項
    私もびっくりしました。「プレリュード」ですね。しかも極めて珍しい視点。
    出産時に何があったのでしょう……(仮説はありますがここでは差し控えます)

    ワトソンさま
    「祐巳が持っているのはロザリオ」と予想していましたが、実物の文庫をみてもけっきょく隠されていて分らない。
    ところが、文庫に挟まっている「乙女ちっく通信」には、どうどうとそれが「鍵」であることが分るイラストが載ってました。
    だまされた・・・(笑)。
    な、何ですって〜!?……私の買ったのには「通信」入ってなかった……
    私のブログに、あれがロザリオだとして書いた考察長々と載っちゃってますよ〜(独立して考えてもまあいいとは言えるんですけど)

    「男が好きなのは本当だよ」

    です(えっ、そこですか 笑)。
    そこでっす(笑 私にとっては「まだ言うかこいつ」って感じですけど(だったら祐巳の名前が出たとき顔を強ばらせるのはなぜ?みたいな)
    私は信じてるぞ〜柏木はホモでも両刀でもないと

    彼もシスコンなのら〜(大まじめ)

    私にとってはそれより、つい笑っちゃったけどちょっと気になるのはP.133のイラストとP.134で描写された彼の服装です
    祐巳よりも瞳子ちゃんが関わったとき、彼はとにかく調子崩しますね……
    柏木一人称視点のある程度のボリュームある文章、オフィシャルで読みたいよ〜
    彼の水面下でのジタバタ足を見てみたい(ボロボロのブーツがジーパンの下から顔を出しているというのが何とも……)

    瞳子ちゃんの鍵は瞳子ちゃんが持っている。その鍵は1つなのか、いくつかあるのか。そして、その鍵にいくつかキーホルダーがついてる。
    そんな気がします。

    瞳子ちゃん母に起こったことについての仮説について、リンクを張っておきます。見たい方はどうぞ……
    http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/03/jinkou2-3.html
    http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/03/jinkou2-4.html
    追加:2006/10/04 03:03
     
    -6- No.918 【誤字?】 投稿者 : ロサ・ギガンテス : 2006/10/04 23:16
    ごきげんよう。
    読み返していたら誤字らしいものを発見したので報告しておきます。
    39pー小笠原邸洗面所での柏木さんの言葉ー

    「何をおかしな事を言うんだ。僕はー」 X
    「何をおかしな事を言うんだ。君はー」 ◯

    だと思うのですがどう思いますか?
     
    -7- No.919 【誤字??】 投稿者 : 韓子音 : 2006/10/05 08:28
    ごきげんよう

    「何をおかしな事を言うんだ。僕はー」 X
    「何をおかしな事を言うんだ。君はー」 ◯

    たぶん、「僕は同性愛者なんだから云々」的なことを言おうとしたところで、祥子にさえぎられたものかと。
    「おかしなことを言うんだ」と「僕は」が読点で切られていて、倒置法ではなさそうなのがその根拠。

    でも言われるまでずっと気付かずに「君はー」で読んでました・・・。
    「僕はー」だと、後の会話の意味がとりやすくなります。感謝。

    (他の箇所に関して誤字は未だ見つかりません。)
     
    -8- No.920 【Re: 「大きな扉 小さな鍵」】 投稿者 : いわし : 2006/10/05 10:49 :
    ごきげんよう。

    「男が好きなのは本当だよ」
    これは何気に重要ですよね。
    聖さまの「同類の匂いがする」発言に関わってきますから。

    パズルのピースが揃い始めて、今後の展開予想が面白いところですが…
    カードの隠し場所予想とかも面白そうですね。

    由乃さんは高等部の生徒に発見されないように、
    かつ菜々ならそう書きそうなところに隠そうとするでしょうか。
    志摩子さんは桜の木とか怪しいっちゃ怪しいけれど…?
    祐巳は薔薇の館?マリア像?(は無理か)
    灯台下暗し、中庭を狙ってきそうな気がします。
    それとも去年の志摩子さんのように色ならでは、を利用して…

    予想は尽きません。次が非常に楽しみです
     
    -9- No.921 【大きな扉 小さな鍵 タイムテーブル】 投稿者 : ロアデルは本日も多忙 : 2006/10/05 19:23
     今回もタイムテーブルを作成したので、掲示します。誤解がないように申しておきますが、これは管理人さんへの催促でもなければ、私の解釈を押し付けようとするものでもありません。管理人さんの作業は孤独で大変なものですが、そうした作業をしているのが決して一人ではないことをお知らせしたいのです(ちなみに、私の「本業」は語彙分析、レトリック分析および今野緒雪の「声」の探求です)。それから、もし管理人さんが多忙であるとしたら、無理に急いで作業をする必要はないと考えます。管理人さんのこれまでの功績には誰もけちをつけないでしょうし、作品とは細く長く付き合うほうが、今野氏にとっても嬉しいでしょうから。
     今回私は、タイムテーブルに特化したメモを一枚作りましたので、余計なコメントは最初から省いています。多少は読みやすくなったと思います。


       大きな扉 小さな鍵 タイムテーブル

    16年前 松平婦人出産。瞳子誕生。
    退院直後 松平婦人と瞳子が、柏木家に一月ほど滞在。〔51-10〕
    3年前の夏休み 京極、西園寺、綾小路の3令嬢が、瞳子に嫌がらせ。〔146-7、181-8〕
    同年ある日 3令嬢のいずれかが、瞳子の出生の秘密を本人に暴露。〔146-13〕
    去年の夏 祥子が妹を連れて別荘地に来ると聞いた直後、瞳子はカナダ行きをキャンセル。〔141-9〕
    今年
    1/7? 優がスキー場で見知らぬ女の子を庇って左足を捻挫。〔30-6、32-5〕(注1)
       以降治癒するまでペンションに滞在。〔31-17〕
    帰京後 優、親戚中にスキー土産の饅頭を配って歩く(松平家含む)。〔45-2、48-1〕
    1/27 選挙結果発表後、祐巳と乃梨子が、瞳子の意図について話す。祐巳は瞳子を追わず、乃梨子もならう。〔12〕
       記念撮影および新聞部の取材。〔17-14〕
       その後、薔薇の館に戻って乾杯。〔18-3〕
       下校時、祐巳は瞳子のことを話題にせず。〔24、27〕
       祥子が帰宅すると、優が小笠原家を訪問していた。〔29〕
       祥子と優が、洗面所で祐巳と瞳子について会話を交わす。〔33〕
       母も交えて土産の饅頭を食べながら松平家の話になる。〔42〕
       夜、支倉・島津両家は中華料理店で祝勝会。〔24-2〕
    1/28 日曜日
    1/29 朝、真美が由乃と祐巳に、翌日の放課後にインタビューを予定している旨伝える。〔54-2〕
       放課後、真美が薔薇の館を訪問。今年のバレンタインイベント企画を持ち込む。〔53〕
    1/30 放課後、新聞部による新生徒会長のインタビュー。〔54-2〕
    1/31? 放課後、宝探しに中等部の生徒も不在者チャンスのみ参加を許される。〔95〕(注2)
       薔薇の館で、乃梨子が祐巳に瞳子が好きかと問う。〔99〕
       夜、瞳子の母が悪夢にうなされる。〔104〕(注3)
    2/1? 休み時間、瞳子の選挙活動をめぐってクラスメイトが対立。〔117〕可南子のお節介。〔120〕(注4)
       放課後、瞳子が演劇部の部室に行くと部長の姿がある。幸福試問Ⅰ。〔122〕
       帰宅時、優の待ち伏せにあう。〔132〕
       車の中で、優から祐巳とのことについて問いただされる。〔139〕
       ファーストフード店に入り、クールダウン。〔143〕
       コーラを飲んでさらに車内で会話を続ける。幸福試問Ⅱ。〔144〕
    2/2? 演劇部の活動日。〔123-11〕(注5)
    2/3  土曜日。リリアンかわら版号外発行。〔157-3〕
       休み時間、乃梨子がクラスメイトにイベントについて説明する。〔157-12〕
       清掃時、ゴミの色彩からバレンタインが近いことを知る。〔155〕去年の記憶が蘇る。〔158〕
       1時過ぎ、帰宅しようとする乃梨子を呼び止める瞳子。〔159〕
       靴箱の手前の廊下で祐巳と会う。途中まで同行するも、祐巳の言葉に瞳子が激昂。〔162〕
       祐巳に命じられるまま百数える。〔174〕
       1時半頃、三年松組教室へ向かう。〔176〕
       中庭で祥子を問い詰める。瞳子の秘密が本人の口から明かされる。しかし、祥子も祐巳も知らなかったことが判明。〔178〕
       瞳子、再び百数える。〔184〕
       1時55分、乃梨子が瞳子のもとに戻る。〔186〕

    (注1)優が捻挫した日について作中に手がかりなし。しかし、「予定通り帰れないこともなかった」〔31-4〕から、スキー旅行の最終日ではなかったことが予想される。(最終日ならば現地で医師に診せるなどして、予定通り帰ることは困難ではないか)
    (注2)この日も断定はできない。1/30の可能性もある。しかし、「どうせ今日も打ち合わせをする」〔95-11〕から、この日の放課後のメインはバレンタインイベントの打ち合わせであり、当選者インタビューは済んでいると解釈。
    (注3)ここ数作の傾向から、作中で明言していない限りクロスオーバーはないと仮定する。事実、ここでクロスオーバーをする作品内的必然性に乏しい。よって、『キーホルダー』終了後から『ハートの鍵穴』が開始されると推定。
    (注4)「週があけてからこっち」〔117-3〕、「選挙の後しばらくは」〔118-10〕などの表現から、週の初めではなさそうである。前後の関係から、木曜日の出来事と解するのが一番矛盾が少なそうである。
    (注5)部活動の日は土曜日ではないと仮定。今は脚本探しの段階〔126-4〕であることから、本格的な稽古はなく、したがってわざわざ昼食をとってまで土曜日の放課後に部活動をするとは考えにくい。また、部活動を土曜日とすると、優が車で瞳子を迎えに来たのが前日の金曜日ということになるが、「いつかの優お兄さまの言葉」〔184-15〕の「いつかの」が不自然になる。


     最後にコメントを。
     例の第0章ですが、『夢の宮』シリーズではおなじみのやつです。瞳子の母親の「悪夢」も、『古恋鳥』『亞心王物語』などの古き良き今野作品を偲ばせるシーンで、懐かしく読みました。『レイニーブルー』などについても言えることですが、『夢の宮』のテイストを上手くマリみてシリーズに持ち込むことができたとき、俄然作品に奥行きと風格が出ると思います。本来の今野ワールドはやはり『夢の宮』だと私は考えています。
     
    -10- No.922 【Re: 「大きな扉 小さな鍵」】 投稿者 : 管理人(ワトソン) : 2006/10/05 20:07
    ロサ・ギガンテスさま
    「何をおかしな事を言うんだ。僕はー」
    私も韓子音と同意見です。誤字ではないと考えます。

    韓子音さま
    「おかしなことを言うんだ」と「僕は」が読点で切られていて
    揚げ足取り失礼します。
    私も長いこと間違えていたことなのですが、「。」が句点で「、」が読点です。

    いわしさま
    カードの隠し場所予想とかも面白そうですね
    探すほうが「○○さまならどこに隠すだろう」と予想するわけですから、あまり「誰それに見つけてもらおう」と考えすぎるのは裏目に出るでしょうね。
    由乃さんの場合、いろんな隠し場所が予想できますが、祐巳のほうはまったく思いつきません。

    ロアデルは本日も多忙さま
    詳しいタイムテーブルありがとうございます。参考にさせていただきます。
    私のほうの作業ですが、実のところ「大きな扉 小さな鍵」でバレンタインに到達することを期待して待っていたんです。
    2月14日前後の曜日や出来事がわかれば、いろいろはっきりするのではないかと期待していたのです。
    ですが、思惑は外れました(笑)。
     
    -11- No.923 【稀ではないが深刻な状況】 投稿者 : 十六夜博師 : 2006/10/05 23:39 :
    ごきげんよう

    ロアデルは本日も多忙さま

    16年前 松平婦人出産。瞳子誕生。
    退院直後 松平婦人と瞳子が、柏木家に一月ほど滞在。〔51-10〕

    P.185に「養父母」とあることから、瞳子の誕生は確かに16年前と予想されますが、松平夫人の妊娠・出産に関してはこの年であったかどうか不明です。
    むしろ、この年以前であった可能性が高いでしょう。
    よって、生まれたばかり瞳子ちゃんを柏木家に連れて行ったときに関しても、退院直後であったかどうか不明です。P.51で柏木は「〜病院から直接うちにきて〜」と言っていますが……屁理屈のようですが、「入院していた」「退院した」とは明言していない、という、逃げ道があります。

    また、彼女が「出産したかどうか」についても不明です。
    詳しくはここから。
    http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/03/jinkou2-4.html
    「夢の宮」で描かれるのはこのことでしょうか。
    確かに稀と言えるほどに確率として低いものではありませんが……

    「白地図」以降の瞳子ちゃんの状況や、瞳子ちゃんの人格形成に深く関わっていることではありましょう。
    まあ、単なる予想でしかありませんが。

    カードの隠し場所
    由乃さんがあれほどまで「隔世遺伝」を強く持っている……強く持つようになった、というべきか……とは。
    そう考えれば、確かに「菜々が書いてくれそうな場所」というのもあるんですけど、それだけでなく、「自分が隠してワクワクできる場所」というのも重要なのではないかと。
    いずれ令ちゃんか誰かに「江利子さまに似てきた」とか言われてショックを受けるのでありませう。

    祐巳はやはり、考えに考えるんでしょうね……
     
    -12- No.924 【Re: 「大きな扉 小さな鍵」】 投稿者 : ロサ・ギガンテス : 2006/10/06 01:15
    ごきげんよう。
    韓子音さま並びに管理人さま
    韓子音さまのおっしゃるとおりのです。
    私の読み込みの甘さを今は恥じ入るばかりです。今にして思えば書き込みながら「。」に違和感を覚えたような気もします。

    十六夜博師さま
    私の書き込みに共感していただけてなりよりです。

    ロアデルは本日も多忙さま
    タイムテーブルを拝見していて思ったのですが、瞳子ちゃんがお嬢様方に嫌がらせを受けたり自分の秘密を教えられてしまった翌年の春に、柏木さんが祥子さまに例のカミングアウトをしていますよね。(このHPのタイムテーブル参照)あくまで私の妄想ですがこれを関連付けたくて仕方がありません。
     
    -13- No.926 【誤字???】 投稿者 : アルス : 2006/10/06 01:50
    <#918> のロサ・ギガンテスさま 
    <#919> の韓子音さま

     まだ立ち読み程度で手元に新刊が無い状態なので、何ページかは指摘できませんが、(ちょうど「キーホルダー」の瞳子ちゃん視点部分だったと思います)「見捨てる」が「見捨る」になっている所が一箇所ありました。
     後、余談ですがざっと読んだだけなので内容とかは頭に全然入っていないのですが、『大きな扉 小さな鍵』の最後、
    「瞳子はマリア様に感謝した。乃梨子をお戻してくださってありがとうございます、と。」(某掲示板の引用なので、本文通りなのかは自信ありません…)の部分は、
    『夢の宮 〜叶の果実〜』の「神はトウタク(変換できない…)を与える代わりに、確かに梨果(これも変換できないのは <#879> の朱夏さまの『夢の宮』ファンの為のHPで述べております)から代償を取り上げていかれた。」の文章を彷彿していまいました。(と言いますよりも逆バージョンになってくれて良かったなぁ〜とも思いましたけど…)
     また図書館通いで予約待ちな毎日を過ごしてしまいそうですが、のんびり読むのもひとつの面白さと思って開き直っています
     
    -14- No.927 【「道路工事」や「地引き網」のない「マリみて」は・・・】 投稿者 : 朱夏 : 2006/10/06 05:07
    ごきげんよう。
    今回「大きな扉 小さな鍵」の巻で、なんと言っても最大の特徴は、祐巳視点がなかったことでしょう。
    そのせいか、なんとなく「マリみて」であって無いような、不思議な印象を受けました。
    特に、皆さんが既にお話しになっている「0項」については、「ロアデルは本日も多忙」さまのおっしゃるとおり、まるでこれは「夢の宮」かと・・・。
    このことを書く前に、各章の視点を以下、簡単に整理しました。
    それぞれ、章:chapter:視点、順に並んでいます。

    <イントロ>: :祐巳
    キーホルダー
    満ち足り引いたり:1〜3:乃梨子
    わずかに外す  :1〜4:祥子
    企画書とともにきたる:1〜5:由乃
    聞きたかったこと: :乃梨子
    ハートの鍵穴
    かわいそうな人 :0:瞳子母
            :1〜2:瞳子
    幸福試問    :1〜3:瞳子
    ポケットの中  :1〜3:瞳子

    1)イントロについて
    イントロについては、いつものごとく、作者視点と考えることも出来ます。特に、今野先生ご自身が「今回は、祐巳ちゃん視点がない」とおっしゃっていますから。
    しかし、あえてここは、祐巳ちゃん視点と考えました。
    その理由は二つあります。

    第一に、カバーイラスト。祐巳ちゃんが首に掛けた鍵について。
    まったく、してやられました。祐巳ちゃんが持っていたのが、本当の鍵だったとは!(笑)
    しかしこのように、鍵が文字で隠されてしまったのは全く偶然で、ひびき先生や今野先生には、読者を幻惑させる意図はなかったと考えます。
    つまり今回のカバーイラストは、祐巳ちゃんの持っているロザリオこそが、瞳子ちゃんの「重い心の扉を開く鍵」である事を、ストレートに示唆していると思えます。
    しかし祐巳ちゃんは気付きました。鍵を持っているからと言って、決して扉が開くわけではないと言うことを! 
    イントロでは、まさしくそう言う祐巳ちゃんの感慨を記述したのだと思います。

    第二に、祐巳ちゃんの、瞳子ちゃんとの距離の取り方。
    上記のような気付きがあったからこそ、今回の祐巳ちゃんは一貫して、瞳子ちゃんを突き放す(様に見える)位置に自分を置いたと考えられます。
    そして読者も、イントロの記述があるおかげで、祐巳ちゃんの行動に不満を持たなくて済むわけです。

    2)「0項」について
    このような「0ナンバー」は、しばしば時系列的に、メインの文脈から外れる時に使われます。
    例えば、よくミステリーなどで使われる手法ですが、映画のアバンタイトル風に、事件のきっかけとなった遠い過去の出来事を、冒頭に記述する例が見られます。
    しかし今回、今野先生がこの箇所で「0項」を使用したのは、時系列の問題と言うより、視点がレギュラーメンバーの誰でもでないばかりか、リリアンの出来事でさえなかったからと考えられます。
    なのでここだけ読めば、「マリみて」とは思えぬ異常な雰囲気です。

    3)「キーホルダー」の章、視点のバラツキ
    マリみての登場人物は、数が多くて多彩なので、視点がよく入れ替わります。しかもこのところ特に、この視点の入れ替わりが激しい。
    このめまぐるしさは、「妹オーディション」あたりから顕著になったように感じます。
    しかしこれまでは、ひとつの章に限ってみると、あるテーマ、ある問題にフォーカスを当てて、それに関わる当事者が交互に行動している様子が描かれている。なので、順を追って読めば、さほどの混乱は覚えません。

    しかし、今回の「キーホルダー」の章は、ひどく散漫に感じます。
    その最大の原因は、これまで基軸となっていた「祐巳視点」が無いことです。しかしそれ以外にも、原因はあります。
    と言うのも、「キーホルダー」の章では、それぞれの視点キャラクターの世代が異なり、それぞれ全く異なった思惑と、異なった体験をしているからです。
    なかでも子供じみた由乃ちゃんの視点は、特に浮き上がっているように感じます。
    まあこのことで、「次期バレンタイン企画」のあらすじが見えてくるわけですけど。由乃ちゃんの突っ走りが、今度ばかりは上滑りしているように感じたのは私だけでしょうか?

    ただし、この「キーホルダー」という前半章のタイトルが面白い。それは瞳子ちゃんがメインとなる、後半の「ハートの鍵穴」というタイトルに対応しているからです。
    つまり、一見バラバラに見える前半の登場人物達は、それぞれみな瞳子ちゃんの心の扉を開けるキーを持っているように読み取れるからです。


    さて、上記の視点に基づいて、ひとつ気になったことがあります。
    それは、「妹オーディション」あたりから、徐々に増えつつあった「乃梨子視点」です。
    「大きな扉 小さな鍵」でフォーカスが当たっているのは、言うまでもなく祐巳・瞳子の関係。しかし今回、視点の中心に在ってストーリーを回しているのは、明らかに乃梨子です。
    このことが、ついに今野先生をして「あとがき」で、「どうしよう、やってしまった!」とまで言わせてしまった。
    しかも、突然消えてしまった「祐巳視点」!
    さらに、さらに、人物紹介では何故か、可南子ちゃんが復活しています。
    ・・・これを、どう考えたらよいのでしょう?

    単刀直入に言って私は、「『マリみて』が世代交代しつつある」と考えました。
    つまり現在の祐巳世代から乃梨子世代へと、メインキャストの移行が進みつつあるのではないかと。
    そもそも「銀杏の中の桜」から一転、「マリみて・無印」が始まった当初、「『マリみて』の主人公は、どうして乃梨子じゃないの」という意見がありました。
    しかしリリアン女学園という、あまりにも特殊な世界を描くには、乃梨子はサブキャラとしての要素の方が強かったと考えられます。なのでこれまで乃梨子視点は、今野先生の中だけで静かに流れ続けて来たと。

    しかしそれがようやく、祐巳世代の薔薇さまが見えてきた時、乃梨子視点が再び蘇ってきたとも考えられます。やはり「マリみて」とは、ブウトン達の物語なんですね。
    ですから瞳子の心の葛藤は、祐巳・瞳子スールの問題ではなく、既に乃梨子世代の問題となってしまった。しかも、現在ブウトンとして薔薇の館を支えているのは乃梨子だけ。言ってみれば薔薇の館は、危機に瀕していると言えるでしょう。

    思うに、祐巳世代の薔薇の館は、個性的な外部ブレーンに支えられてきました。
    蔦子さんにしても真美さんにしても、十分にそのサポートを勤めている。しかもその立ち位置から、時に薔薇の館と対立することもあった。でもその事が、祐巳世代の山百合会を、引き締まった活動にしてきたとも考えられます。
    しかし、乃梨子世代には、まだそうしたサポートメンバーが育っていない。特に、乃梨子も瞳子も孤立しがちな位置にいました。
    こうしたことから、今は消えたように見える可南子ちゃんは、今後大きな役割を果たすのかも知れません。笙子ちゃんも日出美ちゃんも、今はまだ「柔らかい(つまり、どうにでも変わり得る)キャラクター」に過ぎません。二人とも、今後の成長が期待されます。

    ただ私は今後「マリみて」シリーズで、乃梨子世代の山百合会が、どこまで書き続けられるかについては半信半疑です。
    しかし少なくとも今野先生は、未来の山百合会がどうなって行くのかを、読者にきちんと見せることに責任感を強く感じていらっしゃるように見うけられます。
    いずれにしろ「マリみて」は、現在、分岐点に在ると思えます。
    つまり「マリみて」のテーマは、祐巳ちゃんの成長物語なのか、それとも「スール」の物語なのか。
    前者なら「マリみて」は、祥子さまの卒業、もしくは祐巳ちゃんの卒業をもって終わるでしょう。しかし後者ならば「夢の宮」シリーズのように、主人公を変えて、どこまでも続けることが可能になります。
    それを決めるのは、やはり読者なのかも知れません。

    長文のカキコ、失礼いたしました。

    (補足)
    今回気づいた誤植(p109)
     ×:「ママのこと、追いていかないで」
     ○:「ママのこと、置いていかないで」
     
    -15- No.928 【Re: 「大きな扉 小さな鍵」】 投稿者 : 十六夜博師 : 2006/10/08 02:21 :
    ごきげんよう。自分のHPで間違いをかましヘコんでいる十六夜博師でございますよ。

    朱夏さま

    イントロの視点は難しいですね。「祐巳っぽくないな」と思ったこともありましたが、祐巳が「待ち・受け」の姿勢を取ったことを考えると、祐巳なのかなとも思いますね。

    ただ、ロザリオが鍵、というわけではないと感じています。
    瞳子ちゃんの心の扉を開く、という意味で言えば、彼女の「開けたい」という内側からの圧力(P.114)が一時的に爆発的に高くなったときに思わず開いてしまった……というよりも、壊れてしまったのではないか、と感じています。閉じることもできないので、開いた出入り口に立ちふさがった上で逃げようとしたのではないか。
    あるいは、まあ在り来たりなのですが、祐巳や乃梨子ちゃん、加えて、可南子ちゃんの、柏木の「見捨てない」「放っておかない」という気持ち、それが顕わになったときの態度が「鍵」なのではないかと感じます。

    「キーホルダー」の散漫さ、由乃視点の「突っ走り」
    子供じみた……というより、「生っぽい」……ナレーションではない部分が多いということも一因でしょう。
    また、この部分は「扉・鍵」では唯一と言っていい、「軽い」……軽さを特徴とする箇所でしょう。ただ、P.89以降落ち着きますが。軽くなった理由は、ここだけ「瞳子の不在」による、瞳子ちゃんの周囲の描写とは異なることを描いているためかと思います。ある意味では説明的な部分であり、全体のバランスで言えば浮き上がらざるを得ない、表面的な部分でもありましょう。

    ただ、由乃の「えりりんの遺伝子」にはこれからも期待できそうだな、何てことを考えもしましたが……


    「扉・鍵」がどこに焦点を当てているかについて、私は「瞳子ちゃんとその周囲」というようにとらえました。
    そして、祐巳は「待ち・受け」の状態になった。そのせいで、祐巳よりも積極的に瞳子ちゃんに対して行動する登場人物……柏木、演劇部部長が印象に残るように描かれ、視点としても「動き」の少ない祐巳ではなく、やきもきしている乃梨子ちゃんや浮き足立ってしまっている由乃、何とか「妹離れ」しようとしている祥子……が選ばれたのかな、とか思います。カメラワークのようなものとして。

    祐巳の姿勢の変化と、その姿勢の描写が、視点の世代の交代を感じさせてくれたことは確かです。
     
    -16- No.929 【「軽さ」「重さ」の語彙論的裏づけ】 投稿者 : ロアデルは本日も多忙 : 2006/10/12 15:52
     十六夜博師さん、ご指摘ありがとうございます。確かに「松平夫人出産(ここも『婦人』より『夫人』のほうが妥当でしたね。つつしんで訂正します)」は確定ではなかったようです。
     ただ、これを突き詰めると「謎解き」や「考察」に立ち入らねばならないことになりますが、これは私の本職ではないので、ここで引き下がることにします。


     むしろ、私の得意分野でご考察にアシストを。
     由乃視点の部分の「軽さ」、より大きくは『キーホルダー』と『ハートの鍵穴』とのトーンの違いについて、語彙の面から補強証拠を出しておきます。

     新刊『大きな扉 小さな鍵』には、68回の「笑」を含む語が出てきます(ひらがなの「ほほえみ」等を含む)。もっとも、これは速報値であり、見落としがあるかも知れません。その分布としては、
     『キーホルダー』:39回
     『ハートの鍵穴』:29回
     となっています。二つのパートの正味ページ数が88ページ:84ページであることを考えると、39:29という数字には有意な差異があるといえるのではないでしょうか。

     また、他の語彙についても、
    「うれしい」 4:3
    「楽しい」  4:3
    「好き」  15:11
    「喜ぶ」   3:1
    「泣く」    1:5
    「涙」     1:3
    「つらい」  0:3
    「悲しい」  0:1
    「幸せ」   0:6
     などとなっています。(いずれも速報値)

     もっとも、「うれしい」以下の語彙は、サンプル数が少ないため、統計的に何か言えるわけではないのですが、全体として一定のトーンの違いがあることがわかるでしょう。
     すなわち、
     『キーホルダー』では、「笑」「うれしい」「楽しい」「好き」「喜ぶ」といった語群が優勢であり、
     対して、
     『ハートの鍵穴』では、「泣く」「涙」「つらい」「悲しい」といった語群が多用されています。

     例外的に「幸せ」は『ハートの鍵穴』に集中していますが、これは「幸福試問」で意図的に用いられたもので、しかも現在の瞳子の状況が「幸せ」ではない、との前提のもとに使われています。

     さて、「幸せ」以外の語について、今野氏が意識的に出現回数を操作したとは考えがたいものがあります。すなわち、上記の結果は、今野氏が無意識のうちに選択していた両パートのトーンの差を表していると考えられます。


     私の「本業」はこんな感じです。手間ばかりかかるわりに(速報値を出すだけでタイムテーブル作成の5倍ほどの時間がかかっています)、ありきたりな結論しか出なくて申し訳ないのですが、十六夜博師さんの考察をなにほどか裏づけることにはつながるでしょう。
     
    -17- No.930 【Re: 大きな扉 小さな鍵】 投稿者 : でるもんた・いいじま : 2006/10/13 06:39
    みなさまごきげんよう。

    乙女ちっく通信は気付かずに捨ててしまいましたorz
    でも、おぼろげな記憶ですが、十字の形に見えなくもありませんでした。もっとも、無印で無印の表紙で祥子が持っていたものとは明らかに違う形で、サイズもかなり小ぶりでしたが。

    で、注目すべきは作者自信も認めている通り、乃梨子が瞳子を迎えにきたシーン。ここが、「白き花びら」で蓉子が聖を迎えにきたシーンと重なります。時間帯は違いますが…。

    今回視点(あとがきの用語法では「目線」)から外された祐巳ですが、祐巳も意識しないところで蓉子からの遺伝が出ています。まあ「隔世」遺伝ではなさそうですし、祐巳本人が意識的に蓉子に近付こうとしているのですが、仮に乃梨子・瞳子薔薇さま編があるとしたら、祐巳は瞳子の妹に、蓉子が言ったのと同じ遺言を言い残すことでしょう。

    それと、もはや枝葉ですが、瞳子の出生の秘密がまだ完全には明かされていませんね。もし優の実妹(松平母は流産してしまい、柏木夫妻から瞳子をもらい受けた)だとすると、「小笠原のお祖父さまの孫は僕とさっちゃんだけ」ではなくなるし、「福沢姉弟は柏木家にまた来る」という予言も成就するしで俄然面白くなってくるんですが…。

    今回特に驚いたのは、『子羊たちの休暇』で張った伏線が今になってやっと日の目を見たという点です。
    かつて私はAmazonのカスタマーレビューで、『子羊』の特に後半を、「レイニーブルー」以来のにわかファンの需要に応えるための水増し、とこきおろしましたが、まさかこんな伏線が今までずっと眠っていたとは!脱帽です。

    意外なところでは、瞳子が両親のことを「パパ」「ママ」と呼んでいるのが印象的です。今までのマリみてには「パパ」「ママ」を使う人物は出てこなかったように思います。

    朱夏さま:
    世代交代は、薔薇さま役の祥子→由乃、令→祐巳の交代(あえて、先代からの後継ではなくタスキ掛けの人間関係になっています)の交代は既に『妹オーディション』で出ていますよね。で、今回、つぼみのほうも祐巳・由乃から乃梨子・瞳子に移りつつある、と。
    とすると、可南子を人物紹介に復活させた意図も推測できます。今回さりげなく出てきた箇所からして、蔦子の役回りを可南子に引き継がせるつもりなのだと思います。そうすると、剣道部の黄薔薇一家vsバスケ部の可南子、という物語も作れますし。

    × 無印で無印の表紙で
    ○ 無印の表紙で
    追加:2006/10/13 08:12
     
    -18- No.931 【鍵のロザリオ】 投稿者 : 朱夏 : 2006/10/14 09:38 :
    「秋桜友達」じゃなかった「乙女ちっく通信」を見落とされた方は多いようで・・・。
    なのでここに、その画像をUPしておきます。(ご覧になりたい方は、上記のハウスアイコンをクリックして下さい)
    鍵にチェーンが付いていて、それがロザリオのように祐巳ちゃんの首に掛かっているのがはっきりわかるかと。

    十六夜博師さま:
    No.927のコメントが説明不足でした。
    ロザリオが(瞳子ちゃんの心の扉を開く)鍵というわけではない
    確かに今は、そうだと思います。
    でも祐巳ちゃんは少なくとも、クリスマスパーティー直後、瞳子ちゃんをマリア様の前で呼び止めた時までは、そう思っていたのじゃないかなあ?
    妹にすることが瞳子ちゃんの心を開かせる、いちばんの方法だと信じていた。それは掛け値無しに、あくまで瞳子ちゃんを思いやる純粋な確信。この時、自分がブウトンの立場にある事は、祐巳ちゃんの頭からはとっくに消し飛んでいる。
    ところが瞳子ちゃんは、自分の噂を知っている。「薔薇さまねらい」とか「ロザリオを奪った」とか・・・。だから祐巳ちゃんが「欲しけりゃロザリオあげるよ」みたいに、お情けで言ったと勘違いしてしまった。
    おかげで祐巳ちゃんは、自分の失敗に気づいた。ロザリオという最強手段を持っているからといって、それでオールマイティーというわけではないと。
    ・・・それが、イントロの述懐ではないかと。

    そして・・・
    祐巳や乃梨子ちゃん、加えて、可南子ちゃんの、柏木の「見捨てない」「放っておかない」という気持ち、それが顕わになったときの態度が「鍵」なのではないか
    つまり、そうした人と人との繋がりが、「キーホルダー」なんだと思います。

    (由乃ちゃん視点は)ある意味では説明的な部分であり、全体のバランスで言えば浮き上がらざるを得ない
    それは理解出来ます。その通りだと思います。
    下の、ロアデルは本日も多忙さまの解析からも推測できます。由乃ちゃん視点の方が、通常の「マリみて」のトーンなのでしょう。

    ロアデルは本日も多忙さま:
    軽さ」「重さ」の語彙論的裏づけ
    興味深い解析です。しかしそれにしても、ご苦労様でした。
    「キーホルダー」で心理的に陽性の語群が連なるのは、十六夜博師さまのおっしゃる「説明的な部分」つまり「マリみて」の、いつものトーンを現しているのではないでしょうか。
    一方「ハートの鍵穴」で、心理的陰性の語群が連なるのは、当然それが、瞳子ちゃんの心象風景だからでしょう。

    しかし、この瞳子ちゃんの心象風景に私は逆に、希望を感じました。
    と言うのも、ネガティブな感情に囚われている時、そのことを客観的にそのまま言葉に現すことは、(読者の気持を含めて)心理セラピー的に見ても大事だと思うからです。
    つまりそれが、十六夜博師さまのおっしゃる、「『(心の扉が)壊れてしまった』状態に気づく」手段となります。それは、とてもつらい気づき。でも瞳子ちゃんには、後を振り返ると、すぐそこに手をさしのべる友達がいました。
    それひっくるめてぜんぶ気づいたことで、瞳子ちゃんの「どん底」は、やっと底をついたのではないかと思うのです。

    でるもんた・いいじまさま:
    『子羊たちの休暇』で張った伏線が今になってやっと日の目を見た
    ここまで長かったですね。(笑)
    蔦子の役回りを可南子に引き継がせる
    問題はいろいろありますね。
    そもそも運動部とかに入った生徒は、自分なりのあり方で輝く方法を見いだした人たち(参考:「妹オーディション」祐巳ちゃんと笙子ちゃんの会話)です。
    つまり今の可南子ちゃんは、薔薇の館との接点が見いだしにくい。新聞部や真美さん、写真部の蔦子さんみたいに、放っておいても勝手にやって来る連中とは違いますから。
    まあ、今後の展開を期待しましょう。
    -19- No.932: 【削除】
    この記事は投稿者によって削除されました
     
    -20- No.933 【Re: 「大きな扉 小さな鍵」】 投稿者 : ほっぷ : 2006/10/14 20:12
    ごきげんよう。

    概出でお目汚しならご容赦ください。(削除→書き直ししました)
    瞳子の出生に関して、3パターン想定できますよね。
    1.柏木夫妻の子 2.柏木夫の愛人の子 3.血縁なし
    3.の場合そんなに都合よく赤ん坊が手に入るとは考えにくい。その上瞳子が柏木家に暫く養われていた意味が不明になる。
    2.一般的にに母親が手放すと思えない仮に事情があり手放したなら、問題がさらに複雑化、深刻化しそうです。松平家として、周りの目もあるしそのような、曰く付きの子を欲しがるかという疑問が出ます。
    1.は、子供を亡くしその時子供を生せなくなった、(柏木夫妻が)妹を憐れんで瞳子を里子に出したとこれなら、判りやすい。

    BGMから「祥子お姉さまの、お父様のお姉さまの旦那さまの妹の娘が私ですわ」とあるので、

    小笠原夫(祥子の父)と柏木妻(優の母)が姉弟。
    柏木夫(優の母)と松平妻(瞳子のママ)が兄妹。

    なんですね、とすると、瞳子は松平祖父と松平夫(瞳子のパパ)との血縁無いことになりますね。
    松平夫(瞳子のパパ)は祖父の実子でも、医者にならず、子を産めなくなった松平妻(瞳子のママ)と別れようとしなかったと読めます。

    瞳子がパパと呼んでる人は義叔父(他人)ママというのが叔母、柏木夫妻が父母、優が兄。
    祥子が従姉妹。
    瞳子は自分の血縁関係を判っていて常に知らない振りをして過ごしている、なぜなら、そうしないと周りが傷つくことを知っているから。
    もちろん実の父母である、柏木夫妻の事も叔父様、叔母様と呼んでると想う。

    それから、おそらく、病院経営の祖父が引き際を想定して経営権を他に譲ろうかという話の蚊帳の外に置かれてる瞳子の立場も当然になる。?

    ところで話が変わりますが、柏木優さんの本命発言ですが、既存の登場人物以外の可能性が高いのではと考えてます、祐巳、祥子、瞳子を除くと現状、想定できるのが蓉子様、聖様位なので、関係性の想定が見出しずらいです。
     
    -21- No.934 【Re: 「大きな扉 小さな鍵」】 投稿者 : アルス : 2006/10/15 00:37
    ほっぷさま
    瞳子の出生に関して
    私の予想ですが、
    瞳子ちゃん曰く、「ねえ。今日、このまま祥子お姉さまのお宅に伺っていいでしょ? 久しぶりに、『お祖父さま』や清子小母さまにお会いしたいわ」(『チェリーブロッサム』P.148参考)というセリフや、
    柏木さん曰く、「小笠原の家系は、たぶん潜在的に福沢姉弟みたいなタイプに弱いんだ」(『パラソルをさして』P.176参考)というセリフを重ね合わせてみると、おそらく祥子さまのお祖父さまの隠し子(不義の子!?)なのでは・・・
     
    -22- No.935 【Re: 「大きな扉 小さな鍵」】 投稿者 : でるもんた・いいじま : 2006/10/15 06:21
    アルスさま:
    私は柏木夫妻の子供説を推します。
    柏木夫妻の子供だとしても、瞳子の実母である柏木母は小笠原の祖父の娘ですから、瞳子は小笠原の祖父の孫で、「お祖父さま」発言も「小笠原の家系は」発言もつじつまが合います。
     
    -23- No.936 【Re: 「大きな扉 小さな鍵」】 投稿者 : でるもんた・いいじま : 2006/10/15 06:47
    朱夏さま:
    確かに、可南子が蔦子の役割を全部引き継ぐのは難しいでしょうね。
    でも、少なくとも桂さんプラスアルファの使い方はできるのではないかと。
    現に、長沢版には桂は登場せず、必要なときは主に蔦子がその役目を担っていますから、可南子も結局、桂以上蔦子未満といった位置づけになるのではないかと。
     
    -24- No.937 【Re:】 投稿者 : ほっぷ : 2006/10/15 08:43
    アルス様

    瞳子の出生に関して《祥子さまのお祖父さまの隠し子(不義の子!?)》

    面白いですね、さらに大外の発想で思いつきませんでした。
    確かに不義の子説は捨てがたいですね。

    小笠原家の権勢というのは単純に財力だけではなく、長年培った血縁による繋がりも多々あるのではと予想しています。
    作中語られては居ないですが、再従姉妹(はとこ)やその又外戚として、綾小路、西園寺、京極といった子羊に出てきたお嬢様方が該当しても不思議ではありません。
    瞳子が不義の子だとしても、柏木夫妻の子だとしても、里子に出されたのであれば、小笠原の系譜の流れから外れたことを意味します。財産的にも遺言に記されても居ない限り分け前は無いでしょう。
    また、松平家の中でいずれにしても里子として血縁の無い瞳子が松平の財産と名を継ぐことに松平ゆかりの血縁者は黙っていないでしょう。松平祖父から瞳子パパにスムーズに財産が引き継がれるのか疑問です。
    とすると、瞳子が確実に引き継げるのは両親の私財だけだと予想します。
    綾小路、西園寺、京極といった子羊に出てきたお嬢様方が瞳子周辺が隠してる出生の秘密を知っていることを、瞳子に告げる事は興味本位の行動からかもしれませんが
    瞳子の立場が弱いことを見透かしてのあざけりも多分に含んでいたのかもしれませんね。

    子羊たちの休暇ー天使の歌1(P185)
    西園寺ゆかり「いらっしゃいませ。祥子お姉さま、祐巳さま」
    お姉さま発言は、祐巳がBGMー桜が散れば4(P142)で問題視していた部分ですが、瞳子の私的な部分ではむしろ自然なことだったと想えます。
    西園寺ゆかりにとっても、自然なことのように見受けられるのですがいかがでしょうか?
    このことを持って血縁を確かめることは出来ませんが、少なくともそれなりの理由があると想えるんです。
    追加:2006/10/15 10:16
     
    -25- No.938 【Re: 「大きな扉 小さな鍵」】 投稿者 : 管理人(ワトソン) : 2006/10/15 17:37
    瞳子ちゃんの実の親についてはいろいろ推理できますが、瞳子ちゃん自身がそれを知っているかどうかもよくわかりません。
    瞳子ちゃんは自分が実子ではないことをかなり以前から知っていたようですが、実の親が誰かということはまだ知らないかもしれません。
    両親のほうは「瞳子ちゃんが(実子でないことを)すでに知っている」という事実を、あの家出騒ぎのときまで知らなかったようですから、きちんと話していない可能性もあります。

    瞳子ちゃんが、実の親が柏木家(あるいは小笠原家)のだれかと知っていたとすると、私の疑問は「瞳子ちゃんの性格としては、優さんや祥子さまと親しくしたり、柏木家や小笠原家を頻繁に訪ねたりするだろうか?」という点です。
    大好きな(現在の)両親がいて、その上で「知らないふりして実の親(あるいは実の兄姉)に頻繁に会いにいく」というのは、私にはちょっと想像できません。
    実の親について未だに知らないとするなら、そして、瞳子ちゃん自身は小笠原家とは血縁が無いと思っているのなら、普通に親戚付き合いできるでしょう。

    ただ、「大きな扉 小さな鍵」を読む限り、実は「柏木さんとは兄妹の関係」というにおいがするのも事実です。
    もしそうだとしても、瞳子ちゃんは未だに知らないか、あるいはあの家出騒ぎの時に初めて知ったのではないかと思います。
    以前(チェリー)、由乃さんに「(祥子さまとは)血がつながっていない」と指摘されたときの瞳子ちゃんの様子は、「実はつながっているんですよ」という感じにはとても思えません。

    私の希望は「瞳子ちゃん自身、実の親が誰かは知らないが、小笠原家とも柏木家とも血縁が無いことだけは事実として知っている」というものです。

    まあでも本当のところはどうでもよかったり・・・(笑)。
    気になるのは未来のことです。
    次巻は、全編「瞳子ちゃん視点」になるのでは、と予想してみたり(そうなると祐巳は二巻に渡って視点無しになってしまいますが 笑)。
     
    -26- No.939 【Re: 「大きな扉 小さな鍵」】 投稿者 : ほっぷ : 2006/10/15 18:17
    ワトソンさま

    お世話様です、よく覗いて楽しませていただいています。

    確かに、瞳子の出生に関して、
    大っぴらに、探ることは出来ない事柄なので瞳子が何時、どの程度まで把握していたのかも気になるところですね。

    BGMの由乃と瞳子の、にらみ合いは、ワトソンさまが
    不自然な印象をどこに持ったのか判らないので感受性の違いでしょうか?

    仮に血の繋がりを公に出来ない場合どのような態度を示すべきだったのでしょう。
    「だからどうしたって言うのよ」という感じで超然と構える瞳子もあの時点で想像し難いです。
     
    -27- No.940 【Re: 「大きな扉 小さな鍵」】 投稿者 : 十六夜博師 : 2006/10/15 21:20 :
    ごきげんよう。

    子育てに際して娘が母を頼る、というのは非常によくあることですよね。まあつまり、瞳子ちゃんのお母さまが、自分の母すなわち柏木優の祖母を頼る、というような。

    引っかかるのは当時3歳の優が「妹が来た」といっていたことです(優の自己申告でしかないのか、清子も覚えているのか……覚えているようですが……)

    瞳子ちゃんに関してもっと引っかかることがあります。これは「扉・鍵」以前から気になっていたことで、「ジョアナ」に代表されることですが……

    瞳子ちゃんの自己評価が低すぎるのです。

    言葉の端々に現れる「(どうせ)私なんか(を)」という言い方……これは特に、「特別でない〜」以降頻発するようです……そして、自分を「ジョアナ」に喩えるということ。
    「扉・鍵」では「消えるべき」「価値がない」など。

    「白い花びら」での佐藤聖の場合、あまり明確な根拠もなく、自分が感じていた違和感から「罪悪感」に至ったようですが、瞳子ちゃんについてはどうも明白な根拠というか、より強い縛りを感じます……

    「小公女」のヒロイン、セーラ・クルーに関して、「扉・鍵」では「白地図」とはまるで違う意味になって使われました。みじめな思いをするセーラではなく、トゥイニーに身を落とす前、母はなくとも父のもと裕福に暮らしていた頃の、六ペンス銀貨を施していた側の者として使われました……が。

    「小公女」をご存じの方はセーラの境遇、どんなものかおわかりですよね。

    ……(「小公女」を読んでみる)

    …………

    ギャ!!

    まじっすか・・
    セーラの母って……(ここまで重なっているとすると大問題になる可能性がある)

    で、父も。
    で、トゥイニー(下働きの使用人の一番下)になり。
    で、裕福な父の友人に……

    そこまで考えた上で「BGN」で瞳子ちゃんに好きな役柄を「小公女のセーラ役」と言わせていたのなら……

    しぇ〜〜〜〜〜〜!!!

    この話題については近いうちに必ずうちのブログで。

    "A Little Princess" Ch.1 11パラグラフ 'Her mother had died when she was born, so she had never known or missed her.'
    同じくCh.7 '~The late Captain Crewe -- "/Here Miss Minchin stopped him with a gasp./"The late Captain Crewe!" she cried out. "The late! You don't come to tell me that Captain Crewe is -- "/"He's dead, ma'am," Mr. Barrow answered with jerky brusqueness. "Died of jungle fever and business troubles combined.'
    もう一つ参照
    http://marutin.pekori.to/
    http://wwwdbtk.mhlw.go.jp/toukei/youran/indexyk_3_2.html
    追加:2006/10/17 00:02

    スミマセンURL先ひとつ間違えました。こっちの方が詳細。
    http://wwwdbtk.mhlw.go.jp/toukei/kouhyo/indexkk_25_2.html
    追加:2006/10/17 00:13
     
    -28- No.941 【Re: 「大きな扉 小さな鍵」】 投稿者 : 管理人(ワトソン) : 2006/10/16 00:26
    ほっぷさま
    よく覗いて楽しませていただいています。
    ありがとうございます。

    BGNの由乃と瞳子
    不自然な印象をどこに持ったのか判らない
    不自然とは思いません。
    瞳子ちゃんが「たしかに私は祥子お姉さまと血はつながっておりません」と思いながら受け答えているように、私は思えるということです。
    ただし、すべて演技なわけですから、「想定内」(つまり「こう言われたらこう答える」と準備してある)だったとも考えられますが。
    (それにしても、このときの由乃さんの台詞はこころに突き刺さります)
     
    -29- No.942 【Re: 「大きな扉 小さな鍵」】 投稿者 : ほっぷ : 2006/10/16 07:59
    ワトソンさま

    それなら納得です、私は「何も知らないくせに」で睨み返し、と読みました。
    この場合、大概のケースで心象ベクトル合うと想えます。

    十分な説明があるなら、血縁とか無くとも構わないんですよ。
    稚拙な作家がやる、ありきたりな捨て子パターンだけ避けてもらえれば。
    子に愛情無いのなら、殺すなり、樹海に捨てるなりします。
    無償の愛を求めるのなら、孤児院や教会等が妥当
    わざわざ金持ちの中から柏木邸を選んで捨てるなんてご都合主義に見えてしまうんですよ。
    さらには、子を保護して、警察に届け出て、親を探してもらうのが普通ですから説明を。
    下手な事されると白けてしまうので避けてもらいたいです。

    十六夜博師さんが、巧いことついてますね、親友の子供を事情があり引き取るパターンですか?、人との繋がりが合って、そうなったと言うなら、納得ですね。

    十六夜博師さま

    呼称失礼致しました。

    《引っかかるのは当時3歳の優が「妹が来た」といっていたことです》
    なにぶん3歳ですし。
    優、祥子の婚約問題のような、情報の錯綜、思い込み、勘違いパターンンもありますね。
    例えば
    優(瞳子が居たから妹に違いない)・・・・・実際(預かり中だっただけ)

    とか、情報を正確に知り得ていないために起こる齟齬を出されたら、どうとでもなりそうです。各個人間、瞳子、優も知りえていることの差があるかもしれませんし読者に示されてる情報が少ないですね

    この件は血縁なしだとしても、柏木邸で養われていた必然性だけしっかり説明されれば、十分な説得力を生みますよ。
    追加:2006/10/16 08:59
     
    -30- No.943 【Re: 「大きな扉 小さな鍵」】 投稿者 : いわし : 2006/10/16 12:49 :
    ごきげんよう。

    ワトソンさま
    あまり「誰それに見つけてもらおう」と考えすぎるのは裏目に出るでしょうね。
    まさに昨年の令さまですね。
    由乃さんは“裏目に出そうなキャラ”という気もするので
    予想としてはアリだとも思います。でもやっぱり予想は難しいです
    当たる気がしません

    ほっぷさま
    稚拙な作家がやる、ありきたりな捨て子パターン
    孤児院から松平夫妻が引き取った、みたいなパターンもありえはするのでは。
    自分も瞳子の出生には何かありそうだとは思っていますけど

    優(瞳子が居たから妹に違いない)・・・・・実際(預かり中だっただけ)
    ↑優の発言を普通に受け取ったらこういう意味にしか取れないですものね。
    小説の読み手としてでなく、祥子さまの立場で聞いて、ですけど。
    それ以外の読み方は現時点であくまで深読みに類するものだと思います
    -31- No.944: 【削除】
    この記事は投稿者によって削除されました
     
    -32- No.945 【Re: 「大きな扉 小さな鍵」】 投稿者 : ほっぷ : 2006/10/16 17:14
    「まあ、もう三歳にはなってたし。松平の叔母は病院から直接うちに来て、瞳子と一緒に一月ほど滞在したんだよ。まあ、誰でも初めてっていうのはそうだろうけど、赤ん坊を育てるのが不安だったんだろうな。先輩ママである僕の祖母や母に頼ってきた、ってところだろう。幼かった僕は、瞳子を本当の妹だと思い込んでね、会う人会う人に『うちに妹が来た』としゃべったものさ。余程嬉しかったんだろうね」

    ◎松平の叔母は・・・うちに来て、瞳子と一緒に一月ほど滞在したんだよ。
    ◎瞳子を本当の妹だと思い込んでね、会う人会う人に『うちに妹が来た』

    この2点だけは想像も隠し事も無い本当のことなんだけどね。
    孤児院から引取りの場合、なぜ優に従兄妹になる子だよと説明しなかったのかな。
    この時点では優の妹になる可能性のほうが高かったのでは?
    それと、瞳子ママが松平の家から一月あまり離れていたことも気になります。
    (子を出来ないことを悔やみ離縁するつもりだったとか?)

    松平の家や血縁者は里子の受け入れには難色を示すほうが自然、資産家ならなおさら軋轢を生むでしょう。
     
    -33- No.946 【自分の予想とは違いますが】 投稿者 : いわし : 2006/10/16 22:04
    あくまで可能性の話ですし、あまり孤児院説を積極的に擁護するつもりもないのですが
    色々な解釈は可能だと思います。
    同じ結末でも自然、不自然の判断基準は人それぞれだと思うのであくまで一人の意見として考えてください。
    自分は瞳子が松平夫妻の実子である可能性まで疑っていく人間だったりしますので。
    (これはさすがに無理があると思い直しましたが)

    話を戻しますと
    孤児院から松平夫妻が子供を引き取るのが、ありえないのかは疑問です
    仮に実子を失った松平夫人がひどく落ち込み、子供を迎え入れなければ
    危ないのではないかと周囲にひどく心配される状況に陥ったとしましょう。
    その時、柏木夫妻はじめ親戚などに誰も小さな子供(非長子)がいなかったとしたら。
    別に柏木夫妻の子と孤児院の子の2択というわけではないのですから
    孤児院の子を迎え入れる可能性もあるのではないでしょうか。
    軋轢が生まれたとしても、当時の優には知らない世界の話でしょうし、
    この辺は書き方次第でどうにでもなると思います。

    優にきちんと従兄妹になる子だと教えなかった?のは
    ・複雑な事情があったので優にきちんと説明せずにいたら優の中で勝手に妹と認識された
    ・優が舞い上がってしまって聞く耳を持たなかった
    ・優が妹が来た!と言っているのを柏木夫妻や松平夫人はしばらく知らなかった

    …とか色々説明はつくと思いますよ。
    レイニーブルーの種明かし(お祖母さまが祐巳には黙っていて欲しいと言った、など)を
    考えても、これくらいは自分の場合納得できます
    結局は書き方次第というか
     
    -34- No.947 【Re: 「大きな扉 小さな鍵」】 投稿者 : ほっぷ : 2006/10/17 08:15
    いわしさま

    書き方次第はその通りです、しかしながら既に出ている情報の枠内での話しになるのが相応しいのではないでしょうか。

    いわしさま「あくまで可能性の話ですし、あまり孤児院説を積極的に擁護するつもりもないのですが」
    名指しで可能性の留意を促された、自分としては。どういう心理状況、行動過程において孤児院説が実現されるのか非常に興味があります、是非ご教授いただけないでしょうか。

    参考までに
    これまで書かれてきたことから、心理状況、行動プロセスはそれなりに類推できる状況です。以下が自分なりの類推です。同じように孤児院説パターンでも教えていただければ幸いです

    瞳子パパは家業である医者にならなかった。《後継者問題があることから少なくとも松平祖父の男子は彼だけ》単純に期待⇔裏切りの構図が置きます。

    瞳子ママは祖父に出来れば後継者を残したかったのではないでしょうか

    瞳子ママ出産、子死亡、子を産めない体へ(失意)

    柏木家瞳子誕生(もしくは事情があり引き取ることに)

    瞳子ママ様子を伺いに柏木家へ(おそらく瞳子ママの生家)

    瞳子ママ松平家に戻りたくなくなる(私なんかどうせ松平の家に居ても仕方ない)
    「甥や姪を慈しみ、生まれた家に帰るのも悪くない」→離縁決意。

    瞳子パパ、離縁したくない、しかしながら、瞳子ママの失意は自分だけで癒すことは出来ない。様子を伺い、瞳子を引き取らせてもらい里親として育てられないか申し入れる。
    瞳子ママは夫の幸せの為にも別れたほうが良いと想ったが、そこまで自分のことを想い愛してくれてるのなら、松平の家に戻ろうと翻意。

    その後瞳子ママは(私なんかどうせ松平の家に居ても仕方ない)等、子を生さない無念の想いを胸に秘め、現在に至る

    当然、祖父は離縁して再婚してくれたほうがいいでしょう。
    親族も、瞳子パパの我儘ぶりは目に余ると想ってるのではないでしょうか。

    瞳子パパは誠実で、気概のある方のようですが一途で頑固、言って聞かせて聞くタイプではなさそうです。
     
    -35- No.948 【Re: 「大きな扉 小さな鍵」】 投稿者 : いわし : 2006/10/17 10:18
    ほっぷさま
    自然、不自然は人それぞれと前にも書きましたが
    これまでのやりとりで自分にはあなたが自然だと感じる回答をできないと感じましたので
    申し訳ないですが、ご期待に副えそうにありません。

    これ以上続けると、掲示板に他の方が入り込みにくい空気を作ってしまうかもしれませんし
    やるとしても別の場所でやりましょう(もう遅いでしょうか)

    メールアドレスを入力しておきましたのであくまで回答をお求めの場合そちらにお願いします
    追加:2006/10/17 10:46
     
    -36- No.952 【Re: 「大きな扉 小さな鍵」】 投稿者 : でるもんた・いいじま : 2006/10/18 17:28
    ほっぷさま <#937> :
    里子に出されたのであれば、小笠原の系譜の流れから外れたことを意味します。財産的にも遺言に記されても居ない限り分け前は無いでしょう。
    ここ、引っかかりますので補足します。
    戸籍の上で小笠原の系譜の実子になっていれば、相続は必ず取り分があります。養子に出されていても実の親からの相続権は減りません。
    ただし、特別養子といって、裁判所の許可が必要ですが、幼少期に実の親との縁の切れる養子制度があります。主に親が暴力を振るうとか、中高生のうちに出産して育てられないとか、そういう場合に頻用される措置ですが、瞳子に関してもこれが適用されている可能性はあります。
    (ただ、それを選択したとすると、柏木夫妻の子の可能性は薄くなります…。)

    綾小路、西園寺、京極といった子羊に出てきたお嬢様方が瞳子周辺が隠してる出生の
    秘密を知っていることを、瞳子に告げる事は興味本位の行動からかもしれませんが
    瞳子の立場が弱いことを見透かしてのあざけりも多分に含んでいたのかもしれませんね。
    これも柏木夫妻の子説に対してのマイナス材料ですね。もし柏木夫妻の子だということを連中が知っていたとすると、瞳子の出生をからかうことはイコール柏木家(の家としての決定)に喧嘩を売ることになりますから。

    とはいえプラス材料もあります。「略してOK大作戦(仮)」で離れにあらわれた瞳子は、柏木母のことを「義伯母さま」と呼んでいますが、一方で優に対して「信用ないわね、お兄さま」と、単に「お兄さま」と呼んでいるのです。

    十六夜博師さま <#940> :
    「白い花びら」での佐藤聖の場合、あまり明確な根拠もなく、自分が感じていた違和感から「罪悪感」に至ったようですが、
    どうも、「白き花びら」の佐藤聖には高機能自閉症、アスペルガー症候群の臭いがするのです。高機能自閉症というのは、生活はほぼ普通の人と同じようにこなせるのに、知能検査をしてみると結果がいびつで、何でもない場面で時折困った言動をすることがある、というのが概略です。祐巳ひとりでほぼ平常レベルに成長してしまったということから、自閉症としては軽症の中でもかなり軽症のようではありますが。
    それをふまえて、Amazonのカスタマーレビューでは「聖の精神構造を明らかにする上で必読」と書きました。
     
    -37- No.953 【Re:】 投稿者 : ほっぷ : 2006/10/19 08:35
    でるもんた・いいじま 様

    そうなんですか、無知なもので教えていただけるとありがたいです、やはり、瞳子の出自次第で、相続の権利はかなり変わりますね。
    私としては、柏木夫妻の子説はひねりが無いですが、楽な設定に思えたのですが
    皆様の意見をお聞きするといろいろですね、今野先生の胸のうちはいかがでしょう。
    楽しみでもあり不安もありですね。
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    話は変わりますが、(以下妄想なんで、たわけ言葉とお許しください)
    瞳子パパは瞳子に幸せになって欲しい、財産の権利を与えたいと考えてるのではないでしょうか。
    祖父はそれはいいが、松平の身内の誰々と婚約してくれ。(祖父にも兄弟姉妹の居る確率は高いので係累で、適当な存在も居るのではないかとか想います。)
    瞳子パパはそんなこと認められない、瞳子は出来るだけ自由に生きて欲しいと願ってる。
    ここでも、瞳子パパ⇔祖父、対立。(妄想の中では瞳子パパはとっても自由人です)

    後継者問題で、今回、優と祥子、清子が話していたのは、瞳子の出自をあきらかにしていないから、かなりの部分で、出鱈目だと想われるので、今後どういう展開になるか楽しみです。
     
    -38- No.955 【Re:大きな扉 小さな鍵】 投稿者 : でるもんた・いいじま : 2006/10/21 11:23
    十六夜博師さま <#940> :
    ……(「小公女」を読んでみる)
    …………
    ギャ!!
    まじっすか・・
    セーラの母って……(ここまで重なっているとすると大問題になる可能性がある)

    でも、乃梨子が出てきたことで、次巻か次々巻あたりでやろうと思っていたことの予定が狂ってしまった、とあとがきにはありますよね。そこの部分の書き方如何によっては、大問題には発展させないで済むのでは、と期待しています。


    もうひとつ、「特別でない〜」あたりから瞳子の低い自己評価が目立ってきた点について。
    これは、それまで(祐巳の妹候補としては捨て石の)可南子を捨て石とは悟られないように書ききるために、瞳子についても抑えて書いてきた結果ではないかと。
    そう考えると、「祐巳・由乃が立派なつぼみになるまで」と「祐巳・由乃がお姉さまになって、つぼみ役は徐々に1年生に譲っていく」との境界線は「特別でない〜」と「妹オーディション」の間ではなく、「特別でない〜」のど真ん中に位置するんですよね。OVAの第一期予定に「特別でない〜」が含まれていないのも納得です。
    (ついでにいうと、これ以降、話が1巻ないし前後編単位で完結しなくなっているのも特筆しておくべきでしょう。)
     
    -39- No.956 【家族の縁について】 投稿者 : でるもんた・いいじま : 2006/10/21 11:47
    ほっぷさま <#953> :
    現在の日本の民法では、実の親子関係は、子供が一定の年齢を過ぎると、何があっても切れることはありません。
    たとえば親が離婚して親権が片方に移っても、もう片方とは已然として実の親子であり、戸籍が別々になっても相続の権利は残ります。負債をつくった場合はその相続まで覆い被さってきます。
    養子に行った場合は、実親と養親、両方からの相続権が生じます。
    ですから、瞳子が柏木夫妻の子や小笠原祖父の子であった場合、小笠原の祖父からは、直接に、もしくは実母である柏木母を通して、相続権があります。

    例外的に、幼少期に「実の親との縁を切った方が子供の幸せになる」と判断された場合、特別養子と言って、家庭裁判所の許可を経て、実の親との親子関係の切れる養子縁組ができます。ただしこれは、子供の年齢制限(8歳だったかな)、夫婦揃って養親になるなど、厳しい条件があります。
    小笠原祖父の子供であった場合、実母(祖父の愛人)との縁を切るためにこれを使う可能性は高いでしょう。
    一方で、柏木夫妻の子供であった場合、松平夫妻の子になっても柏木家とは続柄が変わるだけで已然として親族ですから、特別養子を選ぶメリットは少ない(むしろ、裁判所から「瞳子が病院を無理に継がされるおそれがある」と待ったがかかりそう)でしょう。

    民法の第4・5編(親族・相続)は法律の中ではかなり読みやすいですから、判例つきの六法で一読されることをおすすめします。
     
    -40- No.957 【Re: 「大きな扉 小さな鍵」】 投稿者 : ほっぷ : 2006/10/22 21:57
    でるもんた・いいじま 様

    度々、お世話になります。
    六法全書ですか・・・知識は得たいのですが、堅苦しいのが苦手でして。
    でるもんた・いいじま 様の見識の高さに甘えさせていただきます。

    とにもかくにも、瞳子は相続の心配が無いことがわかって、ほっと、一安心です。

    十六夜博師 様

    ブログでの考察読みました。そのことが事実とすると、瞳子、痛々しいですね。
    私も十六夜博師 様の予想は当たる、それしかないと思わせて頂きました。
    ここまで重いエピソードが隠されていたなんて・・・心構えながら真相が明かされる日を待ちます
    追加:2006/10/22 22:42
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