ごきげんよう。
上手くまとまらないまま書きます。駄文、長文になると思うので、ごめんなさい。
「Euphoria syndrome」ですか……。これまでの我慢を思えば、分からないでもない。しかし私としては未解決なことがあまりに多く、気持ちがあまり晴れません。
今野先生はしばしば、物語中に設定を伏せておいて、そのままになさいます。それは読者に、想像の余地を与える意図であることはわかるのですが……。
「大きな扉 小さな鍵」でもいくつか、かなり重要な設定が現れました。なのに今巻も、ほとんど放置されてしまいました。ここ一年、そう言う展開が続きます。
このところ巻数に反比例して物語の進行スピードはより遅く、よりミクロの時間を刻むようになっています。「クリスクロス」は「白地図散歩」の章をのぞけば、たった一日の物語でした。まあその分、物語の密度が(完成度も)上がってるんですけど。
おおむねバレンタイン企画は、前回から始まっていると見なせば、次回完結の三部作と言うことになりましょうか。「ヴァレンチーヌスの贈り物」から比べ、現在は格段に人間関係が複雑になっています。なので、そうならざるを得ない所でしょう。
次回は、これまで立てた設定の回収が始まるかと考えられます。
例えば白いカードは結局、発見されずに終わると予想。何故ならその事によって、今回初めての試みである「予想投票」という設定が生きるからです。
ただ、誰が志摩子さんとデートすることになるかは、全く予想がつきませんね。志摩・乃梨スールに波紋を起こす新たなキャラ登場も面白い……けど、現時点で新キャラが登場するかは疑問。
また、さりげなく「赤いカード続編」のフラグが立ちましたが、それもどうなることやら。祥子さま卒業の時点で、結末を見る事になればいいのですが。
瞳子ちゃんの家庭事情が判明するのは、祥子さまの卒業まで、まだかかるかも知れません。こちらは気長に待ちたいと思います。
そうそう、祥子さまの「デレ」が見られたのは嬉しい。
彼女はやはり「つんでれ」な人だと思う。けど、いろいろと自制が効き過ぎて「デレ」を表現するのが下手。その代わり、我慢の限界を超えるとヒステリーになってしまう。
でもこうして今、素直に「デレ」が出来るようになったのは、やはり彼女が精神的に成長をした証。
それと田村ちさと、面白いキャラクターです。
ややもすると、嫌みなほどのポジティブさはすごい。この明快な性格は、どこか令と似ている。どっちも裏表が無くて率直。楽しい事には迷わず飛び込むし、喜怒哀楽を全身で表現する。きっと二人とも「わーっ」と楽しくはしゃいだ後には、けろっと忘れてしまうようなキャラクターなんでしょうね。
そんなちさとと比べて由乃は違う。由乃の「イケイケGOGO!」は、屈折した性格の裏返し。由乃は元来、物事を複雑に考えがちなタイプだと思う。そしてアクセルとブレーキをいつも、どっちも目一杯に踏んでいるようなところがある。自分で「ホレ青信号だよ」と言い聞かせないと、いつまで経っても前に行けない「心癖」がある。
だから一旦ブレーキを離すと、アクセルは踏みっぱなしだから、思いっきりロケット・ダッシュしてしまう。
そんな由乃からすれば、率直で屈託のないちさとは嫌みに見えると思う。
しかも、ちさとのあっけらかんとした性格故に、ケンカにすらならない。ある意味ちさとは、「ヘタレない令」であり、由乃の天敵かも知れない。
ロアデルは本日も多忙さま
何時も興味深いご意見、楽しませてもらっています。
「地図散歩」を、少女ミステリーの文脈で読み解く手法は新鮮でした。
「もったいない」というご意見は全く同感です。
ただ、上記にうっかり私も「フラグ」とかゲーム用語を使ってしまいましたが、現在おおかたのティーンのテキスト読解力は、「文学」よりも「メディアミックス」のルールに従っていると思えます。
なので、テキストが醸し出す独特の香りや、微妙なニュアンスが理解出来ない。今野先生の文体に時折、「旧い」とか、とんちんかんな意見が出たりするわけです。ラノベ読者のボリューム層が、若いというか幼いことを考えれば、仕方のないことかもしれません。
それはともかく、「志摩子さんのカード」のスレにも書きましたが、今回は本当にリリアン女学園の地図が欲しかったです。
かくいう私もたぶんに「メディアミックス」な思考の人間かなと思った次第です。(笑)